【三善晃】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)04月22日(金)【ブルックナー】

三善晃『交響三章』
 このあいだは芥川也寸志の『交響三章』を聴いて来ましたが、今度は三善晃の『交響三章』。2人ともどうして「交響曲」じゃないんだろう。
 緩急緩の第1楽章はチェロが歌う。緊張感のある厳しい音楽が展開される。やはり音楽はこうでなくては。長調より短調、短調より無調。アポロンよりディオニュソス。音楽は破滅すべき。
 第2楽章は無形式のスケルツォ。暴力のプレスト。目まぐるしく変わる変拍子。ティンパニ、トムトム、大太鼓が激しいビートを刻む。金管が耳をつん裂く。
 第3楽章はまた緩やかな音楽だが隙が無い。ひと時たりとも気を休ませない緊張感が心地良い。シロフォンの音色が芯となって音楽に輪郭を与える。シロフォンのトレモロのデクレッシェンドで勢いは弱まり、結尾に至る。
 渡邉暁雄指揮/日本フィルハーモニー交響楽団の演奏: https://youtu.be/Ru-dqePg3_I

ブルックナー『交響曲 第4番 変ホ長調「ロマンティック」』
 また三善晃とブルックナーの組み合わせだよ? 流行ってるの?
 長調って興味無いんだよな、と言いつつ、短調的展開もあるので聴いてしまう。普段はスクロヴァチェフスキ盤を聴いているけど、版の違いには興味が無い。今日の版はコーストヴェット版(2018)。新しいそうです。
 第1楽章は絃のppのトレモロによる原霧 (Urnebel) から始まりホルンが聞こえて来る。緊張するんだろうな。ブルックナー・リズム! ブルックナー休止! ブルックナーの交響曲で初めて演奏会が成功した曲だそうです。堂々としてるね。主題が3つあったけど、再現部では全部主調になってたのかな? やはり短調的展開は好物なので惹き込まれる。
 第2楽章は葬送行進曲 ハ短調。ベートーヴェンの「英雄」みたいだね。「ロマンティック」と銘打つ表題があるとか無いとか。絃が細分化されていましたね。ざわざわとハモって来るのが印象的でした。
 第3楽章はスケルツォ。冒頭のリズムが取れなかった。合わせるの難しいんじゃないの? 2拍子のスケルツォはブルックナーでこれだけだそうです。金管が堂々と音を張り上げる。トリオは3拍子なんだね。
 第4楽章がフィナーレ。金管楽器に一体感があると良いよね。ホルンとトロンボーンでコラールしたり掛け合いしたりさ。それにしても絃楽器がずっとトレモロをしていた印象がある。ppでもffでも。でもブルックナーっていつもそうかも?
 エリアフ・インバル指揮/フランクフルト放送交響楽団の演奏: https://youtu.be/DEssCDEAyig?t=30