実用英語 (貿易用語 1)
こんにちは!ニューアジアです。今日は商社へ入るとはじめに触れることになる貿易用語について書きたいと思います。貿易用語も基本的に英語が前提となります。
投資偏重の潮流もあり本社での貿易業務は減りつつありますが、トレード部隊ではまだまだ日々貿易用語が飛び交っています
古の時代から様々な形で貿易が行われてきました。各国の商人の解釈に多様性があることは絶えず摩擦を生じさせる根源でしたが、国際的な秩序を与えるきっかけとなった決まりがあります。それはこれから紹介するインコタームズです!
Incoterms (International Commercial Termsの略 カタカナでインコタームズとも呼ばれる国際貿易条件): これは1936年にパリに本部を持つ国際商業会議所(ICC: International Chamber of Commerce)が策定した貿易条件の定義で、各国で解釈の誤解や行き違いを防ぐために定められました。
貿易取引では、売主と買主の間のリスク移転時点や運賃や保険料等の費用の負担区分を取り決める必要があり、これを貿易条件と呼びます。インコタームズはアルファベット三文字で表されます(FOB, CFR, CIF, EXW, DDPなど)。
経験上FOB(Free on Board 本船渡し条件), CFR(Cost and Freight 運賃込み条件), CIF(Cost Insurance and Freight 運賃保険料込み条件), などがよく使われます。これらの条件は、例えばFOB条件では、商品を出荷する港でのリスクが買主に移ります。CIF条件では、商品が買主の港に到着するまで、売主が運賃と保険料を負担することになります。このように、取引条件によって、リスクと費用負担が異なりますので、それぞれの条件を理解しておくことが大切です。
例えばある商社が国内メーカーからピアノを100台買い、中国のバイヤーに売るとします。商社はFOB KOBE PORT条件でメーカーから買い付けるものとしてメーカーと売買契約を締結しました。
まずメーカーは自社工場で生産したピアノを物流・港湾業者を起用し、期日通りに神戸港で商社によって手配された本船へ決められた数量の商品を積込完了させます。FOBは本船渡し条件ですので、これが契約条件となり、商社はサプライヤーに対し製品対価を支払うこととなります。
一方で商社はCFR条件で中国のバイヤーと売買契約を締結しています。商社は船会社経由または自社の本船を港へ誘導し、メーカーによる積込を完了させました。CFR運賃込み条件ですので、これによて貿易条件は満たされバイヤーは商社への支払い義務が発生しました。また積込完了段階で危険負担が商社からバイヤーに入れ代わります。これ以降発生するすべての損害(水濡れや海難事故など)は買主責任の処理となります、多くの場合海上保険が付与され万一に備えられます。
こういった条件を頭に入れながら、日々国際貿易が行われています。少しイメージが湧きましたでしょうか?
次回
幾つか紹介しようと思いましたが、書いているとインコタームズだけで少し長くなってしまったので、次回で決済条件や傭船契約などのトピックに触れたいと思います。