ごんの読書感想文

読んだ本の感想とかを書きます。ネタバレを含むのでご注意を!ジャンルは小説が多めだと思い…

ごんの読書感想文

読んだ本の感想とかを書きます。ネタバレを含むのでご注意を!ジャンルは小説が多めだと思います。不定期更新です。主は高校生です

最近の記事

#2 江戸川乱歩「心理試験」(春陽堂 2015)

日本近代文学で私が最も好きな作家は江戸川乱歩だ。明智小五郎などによる華麗な推理ショーやトリックもさることながら、時にグロテスクともいえる乱歩の描写に惹かれてしまう。 今回紹介する「心理試験」は1925年に発表された小説でかなり短い作品だ。ドストエフスキーの「罪と罰」を参考にしたとされる。また、「怪人二十面相」シリーズでお馴染みの明智小五郎も登場する。 完全犯罪を実行しようとした青年のトリックを判事と明智が見破るというストーリーでさほど派手なものではないが、完全犯罪の魅力に

    • #1 北野新太「透明の棋士」(ミシマ社 2015)

      これが私の初投稿になるので、私の大好きな本を紹介したい。 タイトルの通り「透明の棋士」。棋士という言葉から想像された方も多いと思うが棋道、特に将棋棋士についてのインタビューも交えたエッセイである。将棋といえば最近はもっぱら藤井聡太三冠のことが話題になるが、本書は将来若き大天才が現れることを誰も知らなかった2010年代前半のお話である。 著者の北野新太は報知新聞社の記者で元々プロ野球の巨人担当だったそうだ。そんな将棋界とは全く縁のない北野が将棋の担当記者になり、そこで彼は棋

    #2 江戸川乱歩「心理試験」(春陽堂 2015)