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一番最初の記憶(これ、いま流行りの、マルトリートメントじゃないっすか⁉⑦)
一番最初の記憶の巻
どうも、こんにちは。ゴンベーでございます。
みなさま、突然ではございますが、
「覚えている一番最初の記憶」ってなんでしょう。
生まれた瞬間をおぼえてる、いやいや、生まれる前からおぼえてる。
それどころか、「前世からおぼえてるよ」なんて方も、
もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが。
たいていの方のご記憶は、もう少しあとから始まるんではないかと思いますが。
その記憶は、たのしかったり、うれしかったり、ほんわかしたり。
これから歩んでいく生に、希望をもてるような、良い記憶でしょうか?
もしもそうなら、おめでとうございます。あなたはツイてます。
ところで、あなたには、お子さんはいらっしゃいますか?
その子にも、「一番最初の記憶」が、当然のこります。
その子の人生の、始まりの記憶と言えるかもしれません。
それは、どんな記憶でしょうか。
どんな記憶で、あってほしいでしょうか。
ゴンベーの記憶はですね。
多分、2、3歳ころだと思いますが、↓これです。
突然、「父親」につかみあげられ、
巨大な腕と足に胸部をはさまれて圧迫され、
臀部に強度の打撲を加えられ続ける。
はい。いわゆる、「お尻をたたかれている」記憶です。
なぁんだ、大げさな、と思いました?
ですが、ちょっと想像してみてください。
「父親」の体格ですが、身長は175~180cmくらいだと思います。
体重は、はっきり分かりませんが、太っていました。
つまり、かなり体格がよかったのです。
いっぽうのゴンベーさん。
まだ2、3歳。しかも、未熟児で生まれましたので、
同い年の子よりも二まわりくらい、
1つ年下の子よりも一まわりくらい、
体が小さかったのです。
この体格差で、胸部を圧迫され続けたら、それだけでも大ケガできますよ。
加えて、背後から強烈な打撲をくらっているのです。
2、3歳ころのことって、ゴンベーはほとんど覚えていないんです。
もっと大きくなってから、写真に残っているものを見るなどして、
「この子、となりの家の子だった」とか、かろうじてわかるくらいです。
それなのに、この「一番最初の記憶」だけは、はっきり残っています。
おそらく、命の危険を感じるほどの恐怖だったのだろうと思います。
日本では、「お尻をたたく」のは、しつけとして許されると、
長い間誤解されてきましたね。
現在では、立派な体罰であり有害だと、広く認識されている、と
信じたいところですが……。
もしかして、まだ、いませんか?
「子どものお尻はたたいてもいい」と思っている親たちは。
お尻に限定しなくても、「子どもをたたくのはしつけだ」と
思っている親たちは、いませんか?
ゴンベーは、一番最初の記憶として、「お尻をたたかれる」という
暴力を受けたことは覚えていますが、「なぜ暴力を受けたか」は
覚えていません。
おそらく、叩かれている最中だって、なぜたたかれているのか、
わけがわからなかったと思います。
そもそも、たたく理由を、「親」が説明したはずがないんですよ。
これから幼児相手に暴力をふるおうという人間が、冷静に、
子どもに分かるようにかみ砕いた言葉で、理由を説明する
はずがないでしょう?
そんなことができる人は、幼児に暴力ふるいません。
つまり、子どもにしてみれば、
「いきなり押さえつけられ暴力をふるわれた体験」でしかないのです。
ただただ、一生消えないほどの恐怖感だけが残っています。
助けを求め、許しを乞うて泣き叫びつづけ、それでもなお
押さえつけられたまま叩かれ続けた記憶だけが、いつまでも残ります。
これが、「お尻をたたく」という「しつけ」の結果です。
どうでしょう。「しつけ」の効果、上がってそうに見えますかね。
「子どもをたたくのはしつけだ」と思っておられる方々。
この結果、ご満足ですか?
あなたの子どもの、人生で一番最初の記憶が、
「『親』から、わけも分からず、いきなり暴力をふるわれた」。
それでいいんですか?
ちなみに、ネットで少し検索するだけで、「お尻をたたく」などの
暴力が子どもに悪影響を与える、という情報は、簡単に見つかりますよ。
就学前にお尻を叩かれていた子が、小学校で問題行動を起こすようになったとか。
幼児期だけでなく、成人してからも、ずっと影響が残っている、とか。
長期にわたる影響が、あるようですね。
テレビなどでもよくお見かけする友田明美先生たちの研究によれば、
たたく、怒鳴る子育ては、子どもの脳の部位の容積を減少させたり、
変形させたりするのだそうです。
これ、理論上は、傷害罪が成立し得るんじゃないかなぁ。
まあ、立証はむずかしいでしょうし、現実的ではないでしょうけど。
だいたい、2歳児に、被害届は出せませんしね。
そう考えると、虐待というのは、もっとも完全犯罪が成立しやすい
犯罪類型かもしれませんな (;一_一)
ちょっと脱線しちゃいましたm(_ _)m
まぁ、ともかくですね。
日ごろ、乳幼児に手をあげているという親御さんが、
もしいらっしゃいましたら、想像してみてください。
今ふるった暴力が、子どもの最初の記憶になるかもしれないことを。
そして、ぜひ、知ってください。
暴力は、「しつけ」になりません。
ただ、無意味に子どもに恐怖感を与えるだけです。
そして、その影響が、ずっとずっと……。
その子が今のあなたの年齢になっても、
その子の年齢が、今のあなたの年齢を超えても、
ずっとずっと、残り続けることになるのです。
今回も、お付き合いいただき、ありがとうございました。
このシリーズ(?)、今のところ、「父親」の話ばかりに
なっていますね。
これを書こうと思ったきっかけが、「父親」の言動にあった
もので、そうなっていますが、「母親」「兄妹」の言動に
ついても、書いていくつもりでおります。
よろしくおつきあいくださいまし。