ガッカリしない
30年ほど前の話
綺麗で可愛いくて笑い上戸で素敵な笑顔だけどたまにする悲しい表情がやたらと色っぽい年上の女性
同じ職場のその女性とはたまーに仕事の事で話かけられる程度
少しずつプライベートの事も話すようになって分かったのは
「巨人ファン」でドームに見に行ったりしてるみたい
僕は小学生のときよく東京ドームの前身の
後楽園球場に行ってたなんて事を話たら
「今度一緒にドームに見に行こうよ」とお誘いが
日を決めて休みを合わせチケットを買いにいってくると言うと
チケットはいつも買ってる人にお願いするからとのこと
当日 ウキウキした気持ちと
もしかしたら万が一のあまい期待を内に秘め
待ち合わせの品川駅へ
黒と白のストライプのシャツにジーンズ
そういえば私服を見るのは初めてだ
スタイル抜群にいつもの美貌
二人で1時間ほど品川駅周辺をデート
「ねぇ私達一緒になるには幸運の壺があると絶対幸せに……」なんて言われてたら間違いなく買っていただろう位浮かれていた
ドームのレストランでランチを食べることにしたので水道橋駅に向かう電車の中で話してるといつも野球観戦は女子3人で行くといって
練習は観れないけど試合開始位に他の2人も来るという
でも不思議とガッカリしてない僕
こんな人とどうにかなる訳など最初から分かっているので落ち込まないんだろう
ランチを終え球場に入り練習を見ながらけっこう話す事が出来た もっと緊張してろくに話せないと思っていたから
2人が来て試合開始 惜しくも巨人は負けた
飲みに行って憂さ晴らしした
楽しい時間はあっという間
終電間近で急いで帰った
充実した1日だった
翌日出勤して彼女が誰もいない所で
(もちろん職場の人には内緒なので)
「昨日は楽しかった でもごめんね さかい君の事話たら2人とも来るって聞かなかったの」とその後
「今度は2人で行こう」って
少しだけ頭の片隅に 壺がよぎった
ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?