日本でライブコマースが流行らない理由。元人気1位のライバーが解説。
中国で爆発的な人気があるライブコマース。
日本でも流行る流行ると言われて、既に数年の月日が経ちました。
私自身、2017年の11月からライブコマースライバーとして活動を始めて、国内最大のライブコマースプラットフォーム「メルカリチャンネル」にて応援ランキングを6ヶ月間、ほぼ連続で1位を獲得していた実績があります。
↓メルカリチャンネルの応援ランキング
販売していた商品は、ライブコマースでは売りにくいシャンプーをメインに、コスメヘアケア商品を扱っていました。
今回、日本一のプラットフォームで1位を独占し続け、ライブコマースでシャンプーを売った(たぶんw)実績と、ライブコマース経験から学んだことをまとめて、日本でなぜライブコマースが流行らないのかを具体的にわかりやすく説明していきます。
日本でライブコマースが流行らない理由のネット記事はいくつかありますが、全て薄っぺらく、どれも参考なにりません。
このnoteを読むことで納得、そして今後のライブコマースの在り方についてイメージをモテると思います。
では、一緒に今後のライブコマースについて理解していきましょう。
目次
・そもそも、日本でライブコマースが流行るということは存在しない
・日本の大きな会社の臆病さがライブコマースの成長を妨げている
・購買率が高くて売れるライブショッピングが、ライブコマースが流行なくなる理由の訳とは
・投げ銭アプリが流行ってもライブコマースは流行らない
・テレビライブショッピングとライブコマースの大きな違い
・日本のライブコマースアプリがダメだから流行らない?
・ライブコマース配信者って大変な仕事
・ジャパネットがライブコマースをやらない理由
・インスタのライブコマース機能は、日本でライブコマースの起爆剤になるのか?予想
・結局、日本でライブコマースは流行るのか??
・そもそも、日本でライブコマースが流行る
ということは存在しない
中国では15分で15,000本の口紅がライブコマースで売れました!中国のライブコマースすげー!!流行ってる!!
そんな声も聞きます。しかし、それは大きな勘違いです。そもそも、中国は公用語の北京語を話す人口が9億人ほどいます。ざっくり考えて日本の9倍の市場なのです。
では、規模を日本に当てはめてみると【15分で1350本の口紅が日本で売れました。】ということになります。規模は少し小さくなりますが、15分で1350本の口紅なら、日本のインフルエンサーでも既に販売できている人も存在するでしょう。
ちなみに、人気YouTuberのヒカルさんは、ロコンドの靴を1週間で6億円売りました。これを中国の9倍に当てはめると、動画数本のアップロードで54億円の売り上げとなります。
つまり、ここで言いたいのは中国は人口も多く、日本よりも新しいものに抵抗がなく、年配の人もスマホを使っていて、ネットを使う人口比率も高いのです。
そりゃ、凄く見えるでしょう。ここまで人口が多く、新しいものに抵抗もなく、成長している国は他にはないでしょう。
この様に人口や社会状況を考えると、既に日本でもある程度ライブコマースは浸透しており、特段中国が凄いということもあまりない様にも思えます。人口が違いすぎるので、今後も日本で中国の様にライブコマースが流行るということは存在しません。
・日本の大きな会社の臆病さが
ライブコマースの成長を妨げている
日本の人口が少ないのが流行っていないように見える原因と言いましたが、やはり中国の圧倒的なライブコマースの視聴者や販売金額は大きいです。
日本でその様にならない原因の一つに、日本の認知度のある会社の新しいものへの挑戦が欠けているという所にあると思っています。
日本最大のライブコマースプラットフォームであったメルカリチャンネルは積極的にインフルエンサーや芸能人、認知度のある会社の参入を促していましたが、参入を拒む会社もありました。(この話は詳しく書きたいのですが、流石にここでは書けませんw)
実際にライザップがメルカリチャンネルをした時は凄く人も集まり、商品もたくさん売れました。しかし、メルカリのシステムのダメな所が大きく、結局ライザップなどの大きなところは撤退しました。。。
そもそも、ライブコマースの市場は、まだまだ大きな会社からしたらミジンコみたいなものなので、参入する意味が無いと考えるのが普通かもしれません。
一時的ですが、ライザップやクレイジーケンバンドなどの認知度のある会社や人がライブコマースに参入したことも過去にはあり、継続できればまた日本のライブコマースは変わっていたと思います。
結果論ですが、日本最大のプラットフォームであり、ライブコマースの認知を一番広げやすかったメルカリチャンネルでしたが、運営が(責任者)ダメでしたね。
認知度のある会社が参入していないのが、日本のライブコマースの成長を妨げている要因の一つでもあります。逆に言うと、認知度も商品力もある会社がいい場所でやれば大きな結果を出す可能性はあると思います。例えばユニクロとか...
・購買率が高くて売れるライブショッピングが、
日本でライブコマースの浸透を妨げている訳とは
日本の20代後半(25〜29歳)の平均現金給与額は27万1700円。そして、29才以下は18.3%が貯蓄がなく、貯蓄があっても22.9%は50万円以下なのです。
日本の若者は貧乏なのです。
大学生や若い人たちの中では、韓国コスメに人気があります。これはもちろんパッケージが可愛かったり、使用感が良かったり、販売方法が上手だったりすることもありますが、価格が安いということが大きな要因になっていると思います。
ライブコマースで商品を買う人は、時間とお金の2つが必要なのです。
実際に僕がメルカリチャンネルで販売していた時も、月に5万円以上買ってくれるお客様がたくさんいました。シャンプーや化粧水などを月に5万円もいらないだろ...とも思いますが。月に数万円購入するお客様のほとんどは、ご主人様がそこそこいい会社に勤めている主婦の人でした。
家のコタツでみかんを食べながら時間とお金のある60代以上の人はスマホにはほとんどいません。
テレビショッピングのジャパネットたかたは年間2000億円をライブショッピングで売り上げています。この数字から見ても、ライブショッピングは、ライブで商品の魅力を人間が伝えるため、ついつい勢いで買ってしまい、購買率がとても高いショッピングということがわかるでしょう。
しかし、日本の若者は貧乏なのです。そして、お金を持っている世代はスマホをあまり使わず、テレビや新聞をよく見ます。
つまり、ついつい買ってしまうライブコマースの客層があまりお金と時間を持っていない傾向にあります。
ライブコマースはついつい買いたくなる、しかし、スマホでライブコマースをみる人たちはお金も時間も無い。お金がある人はテレビをみる。時間がない人はAmazonで買う。
これが、日本でライブコマースがなかなか根付かない理由の一つでもあると私は考えています。
・投げ銭アプリが流行っても
ライブコマースは流行らない
はじめにもお伝えした通り、人が流行ると感じるのは売り上げ規模です。
最近はコロナウイルスにより、キャバクラが一時営業休止したりして、そこで働く人は投げ銭アプリに参入して、1ヶ月に1000万円以上投げ銭をもらったりして少し話題になりました。
下の画像は、17ライブ(投げ銭アプリ)の投げ銭ポイントの画像です。
※ざっくりですが、上記ポイントの1/3で計算すると、投げてもらった金額(円)になります。手取りはそこから手数料やらなんやら引かれますが....
一人で在庫も抱えず、お酒も飲まずに1000万円以上投げ銭をもらっていると言う事で、ネットでは日本でも少し話題になり、投げ銭アプリが流行っていると感じる人も多いと思います。
ここでのお客様は、もともとキャバクラに来ていたお客様がメインだと思われます。お店で高いシャンパンを開けていたお客様が、お店が閉店しているので投げ銭アプリで投げてくれているのです。
では同じ様なライブだから、ライブコマースもこの規模になるのでは!?と思う人がいるかもしれませんが、それはありません。
今後も投げ銭アプリはこれをきっかけにある程度伸びていくでしょう。しかし、ライブコマースでお金を使うのは圧倒的に女性が多く、服を買ったり、食料品を買ったりする、ちょっとした買い物止まりなのです。ライブコマースで一度に数百万円買うお客様はなかなかいません。
つまり、ライブコマースはスーパーやパルコ。
投げ銭ライブはキャバクラやホスト。
そりゃ客単価や規模も違いますよね!?
投げ銭アプリとライブコマースは、同じライブ配信でありますが、目的、客層が全く違うので、投げ銭アプリが流行る=ライブコマースが流行る。とはなりません。
・テレビライブショッピングと
ライブコマースの大きな違い
明石家さんまさんの認知度は95.9%です。
では、YouTuberの誰かを知っている人は83%、その中でヒカキンさんを知っている人は72%です。
何が言いたいかというと、テレビの影響力とネットの影響力は比べ物にならないくらい、テレビが強いのです。
テレビは家のリビングにあり、大きくてみんなで一緒に見ることがしやすく、食事中にも家族みんなで見ることが多いでしょう。そして、チャンネルも12までしかなく(衛星などを除き)選択肢も限られています。
しかし、スマホになるとどこにでも持ち運べ、さらにはチャンネル数に制限がないため、様々なコンテンツを楽しめます。なので、良くも悪くも人が分散してしまい、時間も細切れになりやすいです。(あの家のソファーに座って動きにくい状態でテレビ見るのと、スマホは違います。ショートムービーがスマホにあってテレビにないのと同じです。)
テレビは映るのが難しいですが、映ったときの影響力が大きい
スマホは簡単にアップできるけど、人が分散して影響力が小さい。
(もちろんターゲティングして広告をすることは可能です。)
というのが特徴です。
なので、テレビショッピングの大手の会社1つでが2000億円売れているんだから、ライブコマースももっと売れるのでは!?と考えるのは、ちょっと安易だと思います。
ネットは分散しやすいので、1つのプラットフォームや1人がそれだけの売り上げをあげるのは難しいと思います。(メルカリチャンネルは年間約36億円の売り上げでした)
ちょっとマニアックな話ですが、メルカリのアメリカ事業がいまいちなのも、これが関係しているでしょう。日本のテレビはチャンネル数が少ないので、テレビ広告をかければ一気に成長がしやすいです。しかし、アメリカのテレビは数百チャンネルあるので、その多くのチャンネルにテレビ広告を出すのはなかなか難しいのです。ネットで認知度の少ないものが大きく成長するのは、難易度が高いのです。
・日本のライブコマースアプリが
ダメだから流行らない?
先ほど、投げ銭アプリの話を少ししましたが、もちろんライブコマースのアプリも存在しますが、多くのライブコマースアプリが撤退しています。メルカリチャンネル、、BASEライブ、ライブショップetc...全て撤退しました。
これには、アプリの出来が良くない。というのがあると思います。そもそも、日本一のメルカリチャンネルを使っていましたが、倉庫発送はできない、API連携もできない、アンチの通報により配信を中断させられてしまうなど、非常に使いにくいものでした。後々メルカリチャンネルにいた人から聞いた話ですが、それじゃメルカリチャンネルは成長しないよ...という当時の内容をたくさん聞きました。
個人的な話になりますが、私が某ライブコマースサービスを行う会社に業務提携!?の話をしに行ったときの話ですが、そのサービスはシステム的には凄いのですが、圧倒的にライバー目線がかけていたので、一緒にアプリを作りたいという話をしました。しかし、お前らは黙ってろ、俺らのシステムに文句あるのか?という様な高飛車な印象しかなく、その後も連絡はありませんでした。現在そのサービスは全く流行っていません。
ライブコマースライバーと一緒にお互いが使いやすいライブコマースアプリは、今までで来ていません。単純にアプリの出来が悪いと思います。
そして、ライブ配信アプリはサーバー代というコストがむちゃくちゃかかります。
人口が少ない日本、人が分散するネット、出来の悪いアプリ、かかるコスト。これではライブコマースが爆発的に浸透するわけがありません。
・ライブコマース配信者って大変な仕事
私はライブコマースを2年間ほどほぼ毎日数時間配信していましたが、ライブコマースの配信は大変な仕事です。
まず、喉が痛くなる。そしてインタラクティブがストレスに感じることもある。多くのお客様をうまくコントロールしないといけない。DMが来まくる。コメントを読まないとふてくされてしまうお客様がいる。配信中の空気が読めないといけない。人気配信者は独立されてしまいやすい。配信しないと売り上げが伸びにくい。などなど、かなり大変な仕事だと思います。
このような仕事につきたい人って、オーナーじゃないと難しいかなと思います。長期的に雇われの社員がライブコマースをし続けたい人はなかなかいないし、短期的に回すのも大変そう。
でも売れやすい商材はアパレル。
人材と言う面でも課題があります。
・ジャパネットがライブコマースをやらない理由
さて、今までの文章を読めば自然とわかると思いますが、年間2000億円以上ライブショッピングで売り上げがあるジャパネットたかたがライブコマースをやらない理由は、
ネットではチャンネルが多くなりすぎ集客が難しい。
お金を持っている人がスマホに少ない。
この2つが大きいと思います。
テレビは、お金を持っている視聴者が多くいますので、お金をかけて放送すれば、大きな売り上げが立ちます。
・インスタのライブコマース機能は、
日本でライブコマースの起爆剤になるのか?予想
まだ詳細は分かりませんが、インスタライブにライブコマース機能がつく可能性がかなり高いです。では、このインスタのライブコマースはライブコマース浸透の起爆剤になるのでしょうか?
現在、ライブコマースのプラットフォームとして一番使われているのがインスタグラムです。そのインスタライブにカートが付く予定なのです。
これは、ライブで商品を販売していく人がより増えていくツールになると思っています。
しかし、これはあくまで徐々に増えていく感じで、起爆剤まではいかないのではないでしょうか?理由は、前にお伝えしたスマホの客層と所得などに関係しています。多くの人が簡単に参加はできますが、たくさん売れて儲からないと続きません。すでにある程度インスタライブで売り上げがあるショップは購買率が上がりますが、一気に加速するとは思えません。ゆっくりと増えてくると思います。
・結局、日本でライブコマースは流行るのか??
はじめに、ライブコマースは日本で流行らないとお伝えしました。
現在でも、影響力のある人が商品を販売したり、ライブコマースでも常時1000人以上視聴者がいるショップもあります。
今後は、ヒカルさんの様な影響力のある人は商品を販売したり、インスタライブにて商品を販売する人はどんどん増えていきます。しかし、ネットなので分散します。ライブコマース市場はゆーーっくりと少しづつ大きくなり、今までテレビCMで商品を売ってきた大手企業は少しづつ影響が出てくると思います。しかし、中国の様な人口もいないので、インパクトには欠けます。
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年商数億円のライブコマースでモノを売る会社は今後ゆっくりと増えてくるでしょう。しかし、ジャパネットたかたの様な、年商数千億円というのは日本のライブコマース会社は、出てきません。
大きなインパクトはないけど、徐々に買い物の形は変わってきて、ライブコマースにて商品を買う人は増える。
流行っているというのは見方次第であり、中国のようなインパクトは訪れない。
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というのが私の意見です。
以上になりますが、間違っている点などありましたら調べ直して訂正しますので、コメントください。
良かったら投げ銭くださいw
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※この記事は随時訂正する場合があります。