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知らなくてもまだ間に合う!SPY×FAMILY 総復習講座


今回のお題はアニメ第2クールが始まるSPY×FAMILYである。



僕がスパイ・ファミリーのアニメを見るようになったのは、近所の有隣堂で単行本のお試し版を読んで「へえ面白いやん」と思ったからである。当時はまだアニメ化も決定していない時だったこともあり、まさかこれほど話題になるとは思いもしなかった。


友人にも漫画やアニメ好きがいて、以前登場した師匠もその一人である。師匠は『鬼滅の刃』が一世を風靡している頃に、その影に隠れてまだ脚光を浴びていなかった『呪術廻戦』を激推ししていて、会う度に「『呪術』は絶対に来るから読んだほうが良い。真人くたばれ」と言っていた。それほど先見の明がある人だが、スパイファミリーに関しては明るくなかったので、第2クールが決まって僕は密に優越感を抱いている。


『呪術』『ヒロアカ』そして『ハンター』が共通の話題


第1クール放送中には、SNS上で様々な画像が出回ったので「観たことはないけど知ってはいる」という方も多いと思う。あるいは「BUMPが主題歌なら観てみようかな」と思ったファンもいるかもしれない。


そういう新規参入を考えている方々に向けて、アニメ版スパイファミリーとBUMPを布教するために、前編の第1回では、ざっくりとキャラクター&ストーリーを紹介する。これで第2クールから見始めても「設定がわからん…」という心配はないようにしたい。


後編の第2回ではBUMP OF CHICKENによる主題歌「SOUVENIR」を、スパイファミリーをメスにして解剖してみたいと思う。そちらは若干分析チックな記事になるかもしれないので、頭でっかちな話が苦にならなくて関心があればお読み頂けると嬉しい。




SPY×FAMILY あらすじ&キャラクター紹介!


ロイド・フォージャー(コードネーム=黄昏)


主人公ロイド・フォージャー
西国のスパイとして世界平和のために暗躍する


物語は、西国屈指のスパイ=ロイド・フォージャーが、東国の要人であるドノバン・デズモンドに接近するための極秘任務「オペレーション〈梟〉(ストリクス)」を遂行することを軸に展開する。


東国の要人ドノバン・デズモンドに接触することがミッション


ロイドは容姿端麗にして高身長、知性と高い戦闘力を有する、超ハイスペック・スパイである。普段はスパイであることを隠して、職業を精神科医と偽っている。作中の女性からも「いい男」「スマートイケメン旦那」と噂されるほどである。その合理性は時に冷徹とさえ映ることもあるが、性格は真面目で誠実な人物だ。


当初は任務のために偽装家族をこしらえ、クリア後は即座に解散する予定の偽装家族に情を移さぬように意識していたが、物語が進むにつれてヨルやアーニャを本当の家族として守ろうとする姿が描かれるようになる。


イーデン校面接試験にて
ヨルとアーニャを侮辱されて激昂しテーブルを破壊した


そんなイケメン・スパイのロイドは、幼少期に戦争孤児となった暗い過去を背景に持っている。自らが味わった孤独と絶望から後世を守るために、若くしてスパイとして暗躍する。


家族というものを知らないまま大人になったロイドであったが、オペレーション=ストリクスの遂行にあたり、「デズモンドの息子が通う名門イーデン校へ子供を入学させろ」という無茶苦茶なミッションを課される。


ロイドには子供どころか妻もいない。決して表舞台で脚光を浴びるような真似をしてはならないスパイという職業を全うするために、ロイドは恋人や友人のような親密な関係を築くことさえ徹底的に避けていた。

もちろん辣腕スパイのロイドは、どんなに不可能と思われるミッションでも完遂しなければならない。これは東西戦争を防ぐための重要な任務であり、ロイド自身が人生を賭して果たすべき使命なのだ。


ロイドは一計を案じ、孤児院から養子として適切な子供を引き取ることにする。そして、難解なクロスワード・パズルをいとも簡単に解いてみせたアーニャを自らの子供として迎えることを決める。

ありがちだけどもちろん変装も得意



アーニャ


表情豊かなアーニャ
顔芸芸人


ロイドが引き取ったアーニャには、実は隠された能力があった。アーニャはある組織の実験で〈被験体007〉として生み出され、”人の心を読むことができる”という超能力を有している。


エスパー少女のアーニャは、組織から強いられる勉強三昧の日々に嫌気がさして逃亡し、孤児となる。ロイドが孤児院を訪れた際、ロイドの「イーデン校に入学できるような頭の良さそうな子供はいないか?」という思いを読み取り、子供には解けないような難しいパズルをすらすらと解いてみせてロイドの心を掴んだ。


ところが、このアーニャという子供は、半端じゃないくらい頭が悪いことがすぐに判明する。


ベーカリー(パン屋)の前で「アーニャ、カリカリベーコン好き」と言って、ロイドに「ベーカリーはカリカリベーコンって意味じゃないぞ」と冷ややかに突っ込まれるシーンが描かれる。


クロスワード・パズルを解けたのは、一瞬で答えを導き出したロイドの頭の中を読み取り、答えを写した”カンニング”によるものだったのだが、まさかエスパー少女を引き取ったなどと思いもしないロイドは「こいつもしかして頭が悪いのか?」と疑問を抱えながらも、新居へとアーニャを迎えた。


スパイアニメが好きなアーニャ
汎用性が高くコラ画像が出回るシーン


ヨル・ブライア(いばら姫)


〈いばら姫〉としてのヨル



仮初の親子として生活する日々を送る中で、ロイドとアーニャは次第に本当の父と娘のように心を通わせていく。そして、デズモンドに接触するためにイーデン校の入学試験を受験し、辛くも1次試験を突破する。喜びを分かち合う2人であったが、次なる難関が立ちはだかる。


イーデン校の2次試験は面接であったが、「必ず両親そろっていること」が条件であることが判明する。ロイドは”子作り”に続いて再び困難に直面し、妻となる女性を探し始める。やがて市役所に勤める若く美しいヨル・ブライアと出会い、結婚することになった。


アーニャに「ちち」と「はは」ができた


ヨルはロイドと同じく容姿端麗な美人であり、作中の女性からは、嫉妬のこもった嫌味を言われている場面もある。


ヨルは未婚であることを弟のユーリに事あるごとに咎められていることや、独身女性はスパイとしての疑いをかけられやすいことなどから、結婚相手を求めていた。


ロイドとアーニャがそうであるように、ヨルもとんでもない秘密を隠し持っている。ヨルは〈いばら姫〉と呼ばれる凄腕の”殺し屋”で、東国を脅かす”売国奴”をその手で始末する、という裏の顔を持つ。


ロイドと同じく、幼くして両親を亡くしたというバックボーンを持ち、姉として弟のユーリを守らなければならないという、必要に迫られて就いたのが殺し屋という職業であった。しかし、ユーリが保安局で身を立ててからも、「この世界の大切な人たちの他愛のない平和を守りたい」という信念から殺し屋稼業を続けている。


ロイド、ヨル、そしてアーニャ。実利のみから結びつき、偽装家族を作ったこの3人は、時に笑い、時に泣き、時に助け合う日々の中で、次第に本当の家族としての絆を深めていくことになる。


敵との戦闘中にプロポーズ


第1クールは、イーデン校に入学したアーニャがデズモンドの息子であるダミアンと入学早々に衝突しながらも、徐々にではあるが互いに認め合うようになっていく姿が描かれて終わりを迎えた。


偉そうにするダミアンだがアーニャの前では…?


ギャグとしてのSPY×FAMILY、ヨルのドッジ・ボール


スパイファミリーは、ロイド・ヨル・アーニャという、各々が重大な秘密を隠し持ったまま物語が進んでいく(アーニャはエスパーなので、ロイドとヨルがスパイと殺し屋であることを知っている)。


東西冷戦をモチーフにしたストーリーであるが、深刻な展開になることは多くはない。本来であれば、西国のロイドと東国のヨルは天敵ともいえる関係であるが、アーニャという無垢な子供によって気付かぬうちに「国家」という大きな括りを乗り越えて、「家族」として笑いあり涙ありの日常を送る、偽装家族のドタバタコメディといった側面が強調されている。


例えば有名なところでは、ヨルとアーニャがドッジ・ボール大会に向けて特訓をする場面がある。


ヨルはロイドすらも上回ると言われる戦闘能力を誇り、非常に身体能力が高い。というよりも高過ぎて、たまにたいへんなことになる…。


ヨルの投球を見たアーニャ
動画は下のURLから

https://m.youtube.com/watch?v=YGLdHbZMkqI


そのほかにも、アーニャとロイドのとんちんかんなやりとりや、アーニャとデズモンド家の次男=ダミアンのコミカルな掛け合いなど、(だいたいはアーニャが絡んでいる)ギャグが盛りだくさんなので、興味を持った人は暇つぶしがてらぜひYouTubeなどで予習しておいてほしい。


今回はアニメ第2クールを目前に控えたSPY×FAMILYについて解説した。これからアニメを見る人でも、この記事を読めばストーリーについていけるように、なるべく詳しく、それでいて単調にならぬように書いたつもりだ。もし一人でも新規参入者が増えればうれしい。好きなものはみんなでわかちあえた方が良いものだ。


汎用性を追い求めたアーニャ


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