第52回全国短歌大会 秀作の2首
第52回全国短歌大会にて2首秀作に選んでいただいたのでその記録。2022年9月から短歌をやり始めて初の入賞です。純粋にうれしー。
✴︎吉川宏志選 秀作第一席
膨らみを照らす朝日と生きていく産婦人科のないこの町で/川合真生
こちらは糸魚川市民にとっては周知の事実。というか進行形で心配の種である産科存続問題です。私はすでに息子が2人いて、今のところ3人目の妊娠予定もない状況ですが、ここでずっと暮らしていくんだ。という思いは強くあり。
糸魚川では産科医の不足により、出産ができない時期があり(今もか)新しいお医者さんが来られたので来年から妊婦さんの受け入れが復活するけど、お医者さんも高齢かつお一人なので、いつまで続くか分からないような状況。という背景があります。
産科以外に火葬場もなくなりそう、小学校は統廃合されて息子はバス通学。さらにはスキー場まで存続の危機?という過疎地で、絶望せずにそれでも前を向いて生きていくんだ!という決意みたいなものを表現しました。
課題や問題は山積みなこの田舎で、自分にできることをやりながら楽しんで生活していく様子を短歌に残して発信していきたいです。
実際には夕日の綺麗な場所に住んでいまして、子どもたちが夕日を楽しむ姿を目にすることが多いのですが「夕日が沈む」だと寂しい印象だなあというのと、産科のことは入れたかったので、赤ちゃんを表現してみよう!と思って膨らみを照らす、としました。
産婦人科のないこの町でという表現がかなりダイレクトなので、もう少し別の言い方がないかなぁと最後まで悩みましたが、内容のタイムリーさにかなり自信があったので選んでいただけて嬉しいです(^^)
✴︎後藤由紀恵選 秀作第二席
掛け布団蹴り上げる子に二重窓開ければ五月の夜風やわらか/川合真生
こちらの秀作第二席に選んでいただいた短歌は、応募する時に5首で応募するために作った最後の歌でした。
実際の状況を本当にそのまんま言葉にスムーズに乗せたものだったので、まさか選ばれるとは思っておらず。子どもって熱い〜!って言ってすぐ布団を蹴っ飛ばすんですよね。
それで開ける窓が二重窓なのは、雪国の海沿い暮らしなので冬は厳しい風が吹くため。五月の部屋はだんだん蒸し暑くて、窓を開けたら夜風が涼しくて気持ちよかったんだと思います。
選んでいただいたから思うのは情景が細かくイメージできるくらい描写が丁寧なことと、やわらか、という最後の言葉で子どもにやわらかな風を届けるために動いた母の姿や感情が伝わってくるから?かな?
まだまだ短歌にわかの私ですが、今後とも精進したいと思います。いつも感謝を忘れずに。
ありがとうございます!
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