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【詩】退廃的な夜

光は万物に色を与える。
時にはげしい光は万物から色を奪い去る。
身勝手で理不尽な昼のおこないを
夜が羽根を広げて覆い隠す。

瓦礫がれきが奏でる音楽は
灰色の肺を掻きむし
冷酷無情な月球げっきゅう
酔い潰れた肝臓を容赦なく切り裂いていく。

誰もが諦め
誰もが見捨てた
退廃的な夜のなか
一本のマッチに新たな光を宿らせる。

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