【詩】綿雲
銀色ナメクジが
わたの花を愛撫する
ぬめりを伴うその痕跡は
朝露に混じり 流れ去る
麦の風にあおられて
ひらりひらりと
枯れ落ちる
繊細な花弁と引き換えに
やわくふくらむ白いわた
茎からはなれ 根からはなれ
空に向かって浮遊する
ゆるやかな膨張をくりかえし
ふわりふわりと漂うわたは
湿った大地に ひとつまみ
銀の塩をふりかざす
銀色ナメクジが
わたの花を愛撫する
ぬめりを伴うその痕跡は
朝露に混じり 流れ去る
麦の風にあおられて
ひらりひらりと
枯れ落ちる
繊細な花弁と引き換えに
やわくふくらむ白いわた
茎からはなれ 根からはなれ
空に向かって浮遊する
ゆるやかな膨張をくりかえし
ふわりふわりと漂うわたは
湿った大地に ひとつまみ
銀の塩をふりかざす