マイホーム|実家と天秤にかけてはダメ
この歳になって、実家を無くす事になるとは…
この歳で、家なしに…
自分の人生なのに…
天敵は、〇〇だった。
生まれ育った地
人それぞれ、家庭環境は違います。
私の場合、生まれ育った地は、同一の場所でした。
同一の場所という表現は、住所は一緒でも、生まれた時は、以前の家。
小学生の時に建て替えをし、大学進学まではこの家で育ちましたので、このような表現としました。
現在も家は存在しますが、築47年となり老朽化が著しい状態です。
一人暮らし
私は、大学進学に合わせて他県に住む事になり、生まれ育った地を離れました。
私は、大学時代、社会人生活の間、住まいは転々としていました。
自分の住まいは、転々としていても、生まれ育った地「実家」がある事で、帰れる場所があるという安心感がありました。
マイホームを持つ
私は、35歳の時に分譲マンションを購入し、
自分のマイホームを手に入れました。
念願というよりは、会社の同僚達もマンションを購入したりしていた時期で、一人身で賃貸アパート暮らしも虚しくなっていました。
そんな時、同僚とマンションのモデルルームを見に行くようになり、やっぱ広いリビングなんか見てしまったら、憧れてしまいますよね。
そんな時に、先輩からマンションの広告を見せてもらって、一緒に見に行く事になりました。
実物を見て、その広さに驚きました。
既に販売中だったので、早いもの順で既に内見している人もいたので、ほぼ衝動買いをしてしまいました。
無事ローンも通って、契約に至りました。
この時が、人生の最盛期だったかもしれません。
マイホームが金銭感覚を狂わす
しかし、マイホームを手にして、金銭感覚が狂ってしまいました。
マンションに関わる費用は、今までの生活で扱ってきた金額の桁が変わってくるので、ちょっとした金額が安く感じてしまうようになってしまいました。
そんな折に、金融商品の勧誘にあい、ついつい投資をしてしまいました。
ローンを背負ってしまったので、どうにかしてお金を稼ぎたいという欲求が強くなっていたんだと思います。
投資したものが、先物というもので、これが人生を狂わせてしまいました。
折角マンションを購入しても、借金まみれで、まとまな食生活さえ出来ない状態でした。
マンションを買ったら、ソファーとか色々揃えたかったけど、それも出来なくなってしまいました。
仕事は、深夜残業、夕飯はコンビニ弁当。
マンションは、寝に帰るだけ。
使っていない部屋が、寂しく存在するだけ。
なんか虚しくなってしまっていました。
とりあえず、仕事ができていたので、数年で投資の負債は、返済できました。
だけど、金銭的な負債以上に、人生の生活面、精神面での負債の方が大きかった気がします。
会社を退職
私が45歳の時、長年勤めていた会社を退職する決断をしました。
会社の業績が悪化し、早期希望退職の募集があり、それに応募しました。
直近の数年は、本当に地獄でした。
資格上、管理職になりましたが、やっていることは担当者と何も変わらず。
ただ、実務以外の業務や責任だけ増えただけ。
いくら働いても残業代は出ず、ボーナスも出ず。
ローンを払ったら、手元にほとんど残らない給料。
何のために働いているのが、分からなくなっていました。
徹夜作業も増えハードスケジュールをこなしていた時期、日にち感覚が失われ、ローン返済日に引き落としが出来ない時があったようでした。
その後、ローンの借り換えをしようとした時、手続きの最後の最後に、契約ができませんでした。
原因は、返済日に引き落としができていなかった事でした。
仕事が激務のせいで、個人の社会的信用をなくしてしまった時に、会社は何もしてくれない。
そう思った時に、今まで会社に尽くしてきた事が、馬鹿馬鹿しくなりました。
退職の決め手となったもう一つの要因が、実家に一人になった母の存在でした。
父は、私が40歳の時に、突然亡くなってしまいました。
これからの事を考え、今が実家に帰って母と暮らすタイミングなのかもしれないと、その当時は思っていました。
自分の将来から逃げた
でも、それは、自分の将来から逃げていただけだったんじゃないかと思うようになりました。
長年勤めた会社を45歳という年齢で辞めた時に、その後転職して生計を立てられるようになるのか?、未来の青写真も描けない中で、不安しかありませんでした。
その時に、不安材料の一番にあったのが、住宅ローンの返済です。
実家に帰れば、家賃も掛かかからないというのが、経済的に優位でした。
なので、購入したマンションを売却して借金をチャラにしなくては、という思考回路になってしまっていました。
そこには、実家は永遠に住めるという、なんの根拠もない、安心感でした。
ただ、実家に戻って、自分の部屋に入った時、売却したマンション生活とのギャップに、人生捨てたなと感じてしまいました。
やっぱ横浜という地で、長年過ごして来て、田舎に戻って生活を始めて、何もない町に嫌気がさしてしまいました。
賃貸生活
現在の妻と出会って、母との同居も考えましたが、母から拒否されました。
結婚も心良く思ってもらえず、お祝いの言葉さえもらえませんでした。
結果、実家を出て妻と二人暮らし。
住宅にお金を掛けたくないので、実家生活を選択したはずだったんですが…
その数年後、妻の身内がもらって来た犬が、飼い主が居なくてなってしまったので、私達が引き取る事に。
その時の住居は、ペット不可だったため、ペット可のアパートに引っ越す。
その数年後、実家の猫も、飼い主が居なくなってしまったので、私達が実家に引っ越す。
そして、現在に至ります。
犬や猫のために、時間と労力とお金を使って、住まいを変える。
犬猫を連れてきた身内は、知らん顔。
というより、私達と距離をおくようになり、逆にやっかいもの扱い。
理不尽な世の中になってしまったな。
それが身内だと余計に、悲しくなります。
でも、犬猫は裏切らない。
愛情を注げば、分かち合えるし、人間の言葉も分かるし、お互いの行動で、意思疎通もはかれるし。
人間より、ずっと気持ちが温かくなります。
あとは、最期まで看取ってあげるだけ。
マイホームと実家、選択を誤った
現在、56歳の私。
昨年母が亡くなり、両親が他界。
実家は、現在私が住んでいますが、相続対象になっています。
法定相続人は、姉と私の二人。
姉は、20代に嫁いでいます。
遺産分割協議書を交わし、売却益の一部を姉に渡す事になっています。
姉は、公務員の夫の実家に嫁ぎ、子供二人も独立し各々マイホームを持ち、孫も三人いると、恵まれた環境。
私は、起業するも経営も芳しくなく、病弱な妻と老犬との生活。
両親の祭事も引継ぎ、両親の仏壇も管理していますが、実家が無くなると、これからは、仏壇と一緒に賃貸で暮らさなければなりません。
そんな状況でも、遺産を要求して来ました。
私が他県に、マイホームを購入した時に、実家をどうするんだと、義兄があまりいい事を言っていないという事が耳に入っていた。
それなのに、今は、資産を要求してくる。
根本的に自分の中で、意識が間違っていたのかもしれない。
実家は、両親の家だから資産も分配
だから、子供は、マイホームを持つか、賃貸を選ぶか、自分自身で確保するものなんだと。
だから、実家に戻ってきたのが間違いだった。
マイホームを手にしていたら、自分が実家に帰るのではなく、親を連れて同居を考えた方が良かったのかもしれない。
親の事を考えると、住み慣れた場所の方がいいと考えてしまう傾向もある。
もし、実家に住むのであれば、自分で建て替えるか、二世帯住宅にするなど、自分で建てるべきであった。
それができないなら、空き家を経て売却すべきだった。
その考えを、若いうちに考えておかなかったのが、敗因だったのかもしれない。
いや、若い頃、そこまでは、考えつかないでしょう。
歳をとって、実家をリフォーム、建替えするには、ローンの返済が厳しくなる。
ローンの借り入れも難しくなる。
だから、若いうちに自分の「終の住処」を何処にするかを人生設計に、取り入れておいた方がいいと感じました。
ある年齢になったら、残された者に迷惑を掛けないように、断捨離をしておくのも、重要だと感じました。
やっぱ寂しい
実家を無くすというのは、やっぱり寂しい。
姉は嫁いでいるので、実家が無くなっても、それほど影響は少ないだろう。
嫁は、付き合い始めて8年位だし、私の実家には、興味はないだろうし、できれば早く引越ししたい人なので、影響は全くない。
ただ、私だけが、寂しさ、責任感、両親へ申し訳ないという思いに、溢れている。
でも、建物の老朽化、冬場の寒さ、両親が住んでいた中に、私達の荷物を無理やり入れたので、片付けができない状態で、生活するのが大変だし、運気的に、この家は、私にとっては良くないと以前言われた事があった。
また、引越してから、悪いことが重なってしまっている。
母が他界。
妻の移植した腎臓が機能しなくなった。
飼い猫が他界。
私も大きな手術。
飼い犬も入院。
実家暮らしで、やらなければならない
事が増えた
家の荷物のゴミ処分
植木、雑草の駆除
猫の介護
犬の治療に、給餌
妻の介護
ご近所の葬儀
遺品整理
とにかく何でもとっておく癖のある親だったので、物で溢れていました。
棚という棚、収納場所があれば詰め込み、新たな棚を作りという感じ。
収納してしまうと、どこに何があるか分からなくなって、なければ購入する。
だから、同じものが沢山ある。
そんな悪循環になってしまっていました。
そんな中、ふとしたものを見つけると、親の気持ちが伝わって来た。
手紙だったり、ちょっとしたメモ、子供の頃作ったものなど‥
覚えているものもあれば、忘れているのもある。
そこでまた悩む。
とっておくべきか。捨てるべきか‥
決断
古いもの、思い出は捨てる。
生活に必要なものだけは、残す。
記録だけの紙類は、とっておかずに捨てる。
または、保管期間を1年と決める。
いつか使うかも?の考えは、やめる。
写真類は、人物が写っているものだけを残し、あとは捨てる。
出来れば、デジタル化して、媒体は捨てる。
過去は捨て、価値観を変える。
物は増やさない。
必要最低限のものだけを、保持する。
溜め込まない。
不要な物は、即破棄する。
この考えをもとに、処分するか保持するかを決めて行こうと思います。
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