AKB出身の小島陽菜(こじはる)さんが起業したアパレル会社が17億円で株式売却〜成功の秘訣は「在庫管理」にあり
AKB出身のアイドル、「こじはる」こと小嶋陽菜さんが創業したアパレル系のファッション会社が、複数のアパレルブランドを展開する株式会社yutoriに株式の51%を17億円で売却し、傘下に入るとのニュースが報道されました。
小嶋さんは2017年にAKBを卒業、20年に「her relation」を起業し、着実に成長させてきました。「アイドルの知名度を利用しただけでしょ」「36歳で17億円はうらやましすぎる」といったコメントも多いなか、その成功要因として、気になる解説がありました。
ファッション業界と言えば、映画「プラダを着た悪魔」ではないですが、「今年のトレンドは?」「デザインがどうこう」といった派手なところだけが注目されがち。しかし「大抵のタレントが周囲の大人にのせられ、在庫過多になってブランドが消えてゆく」という業界関係者のコメントの通り、足腰が弱いと、一発屋にはなれても、下記のような右肩上がりの業績にはなりません。2023年度の営業利益は減少していますが、それでも3億円近く出しています。
小島さんの肩書はCCO(Chief Creative Officer)ですが、その素晴らしい才能を経営面から支える右腕として、プロがいることは容易に推測できます。
特にファッションは、流行りすたり、当たり外れの振れ幅(ボラティリティ)が大きく、在庫管理の難易度が極めて高い業界と言われています。商店街にある個人商店のレベルに留まれば、リスクもコントロールできますが、売上30億円レベルまで着実に業績を伸ばすのは、至難のわざです。
(山口宇部のさびれた商店街から成り上がったユニクロのようなケースは超レアです。)
在庫をうまく扱うのが成功の要因
もう一度、さきほどの記事を見ると、
とあります。ソニーの改革請負人と呼ばれ、副社長を努めた中村末広氏の「作りすぎはあの世ゆき」という名言があります。欠品で会社が潰れることはありませんが、作りすぎて売れなければ、そのまま財務を圧迫します。
したがって「少量生産で在庫を持たず、作ったものが売り切れたら完売」というのは、在庫リスクを回避するやり方としは、ある意味、正しい戦略と言えます。
ただ、いつ行っても自分の欲しいサイズや色がなければ不満につながりますし、いずれは「どうせないだろう」と思って来なくなってしまうリスクもあります。そうなると会社も成長しません。(わざと欠品させて希少性を出すマーケティング手法も存在しますが、それも程度の問題です。)
過剰な在庫を持たず、しかも欠品しないようにするには、一体どうすればよいのか?その解決策を示した新刊があります。
また『図解 アパレルゲームチェンジャー 流通業界の常識を変革する10のビジネスモデル』著者の齊藤さんの動画も参考になりますので、ぜひご覧ください。
あらゆるビジネスのヒントがある小売り
ビジネスの原型は「モノを作って、付加価値をつけて売る」ことにあります。そのエッセンスが詰まっているのが小売業界ですので、戦略、マーケティング、組織、オペレーション、財務会計など、あらゆるビジネスに応用できる経営のヒントがあります。
もしクリエイター的な才能を持っていなくても、卓越した在庫マネジメントスキルを持つ人と組むことで成功のチャンスを掴むことが出来ます。
絵心のない私は、マネジメントに特化するほうが向いているかと思っています。
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