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OMO時代のアパレル業界で、プロパー消化率をあと10%高める方法

こんにちは。Goldratt のトビーです。
アパレル業界の大きな課題の一つは、巨大なマークダウン(値下げ)です。
これは経営にとってインパクトが大きく、会社の経営に致命的なダメージを与えることさえあります。

トビー(飛田)です

プロパー消化率を巡るジレンマ

いま多くの企業は「プロパー消化率」を上げられずに困っています。プロパー消化率とは「仕入れた商品数に対する、定価で売れた商品数の割合」のこと。

100枚のシャツを仕入れて、55枚が定価で売れれば、プロパー消化率55%。

では、なぜプロパー消化率が上がらないのでしょうか?
その原因は過剰在庫です。過剰在庫は、仕入れの悩みが解消できないために発生しています。

もし、あなたがショップの店長ならば「商品がなければ売れない(売りようがない)」と思うでしょう。だから、少し多めに商品を仕入れます。

すると、売れ残ってしまう商品が出てしまいます。仕方がないので、それらを値段を下げて(マークダウンして)売ります。だから、プロパー消化率が下がるのです。

では、元々の仕入れを少なくすればよいのでしょうか?
もちろん、そういう考え方もありますが、、問題はそこまでシンプルではありません。というのも、また別の問題が起こるからです。

仕入れを減らすと、色欠け、サイズ欠けがポコポコ起こります。お客様は、せっかく商品を気に入っても、自分のサイズや好みの色がないと買ってくれません。(店頭に商品があればすぐに買ってくれたのに、、、、)

こうやって、売上と利益を逃してします。

つまり、売上・利益も増やしながら、同時にプロパー消化率も高めないとならない。だからこそ難題なのです。

そして、ほとんどの会社はこの問題を解けていないのが現状です。

最近のアパレル経営は厳しいものがあります。

・原材料は高くなっている。
・輸送費用もあがりっぱなし。
・円安が急に進んだりする。
・はやりのAIには、金がかかる。
・似たようなデザインの競争相手がいる。
・人件費をあげないと、人が雇えない。
・EC専門の会社にシェアが奪われる。
・都市部以外では、人口が減っている

これだけ挙げれば、十分でしょうか?このような状況からも、プロパー消化率を高め、しかも売上と利益を高めるのは、死活問題です。

しかも、投資を抑えつつ、これらを実現しなければなりません。

では、この課題にどう対応すればよいでしょうか?そのカギは、これまでの「アパレル業界の常識」への挑戦にあります。

詳しく見てきましょう。



OMO時代の在庫管理 うまくやれば消化率がアップ

OMO時代の在庫問題とプロパー消化率の低下


アパレル業界では、OMO(Online Merges with Offline)が進んでいます。
もともとオンラインストア(EC)で服を買うトレンドがありましたが、
コロナ禍で一気に加速。

そこにメタバースや人工知能(AI)、新しい技術も登場しました。
そうやって、オンラインとオフライン急激に一体化してきたのです。

店舗で試着してオンラインで買ったり、ネットで選んで店舗で受け取ったりするのも普通になり、ネットとリアルの垣根はどんどん消滅しつつあります。

OMOは、素敵な顧客体験(カスタマーエクスペリエンス CX)のための試みであり、テクノロジーがうまく活用されています。

その一方で、在庫管理は以前よりも難しくなっています。

もちろん、対策も取られています。例えば、在庫の「一元管理」という言葉を聞いたことがあるかたも多いのではないでしょうか?

「店舗在庫やEC在庫を誰もが見られるようにする」試みはかなり進んでいます。会社のスタッフだけでなく、お客様も「どこに、どれだけの在庫があるのか」をリアルタイムで見られるようになって場合も多く、そのまま注文できるサイトも少なくありません。

システム化が進んだ企業ではすでに当たり前のように導入されており「お客様をがっかりさせない」ために、役立つ仕組みとなっています。

さて、これで一見落着となるでしょうか?

残念ながら、そうはいかないのです。

在庫が効果的に消化されれば、何も問題ないはずなのに現実は違う。というのは、まだ大きな課題が残っているからです。

その理由は3つあります。

1.客逃げ
お客様が、来店され、欲しい商品を見つけたとします。でも、お店に商品がないとしたら、他の店舗やECで買わざるを得ません。一定数のお客様は「ならばいいや」と買わずに去ってしまいます。

2.個別配送のコスト
仮に、他の拠点(店舗)にあった在庫から、お客様に商品をお買い上げいただいたとしましょう。ただ、その商品を宅配便でお客様の家に届けるには、配送コストがかかります。このコストが、倉庫から店舗に商品をまとめて運ぶよりも高いのです。結果として、配送コストのせいで、利益が減ってしまいます。

3.マークダウン
拠点間で在庫がバラついていることは問題なので「一元管理」という”見える化”だけでは、問題は完全には解決しません。余った在庫は結局マークダウン販売されることがあるからです。

またECサイトやアウトレットに集約され、ディスカウント価格で処分されることもあります。これらによってプロパー消化率は、さらに下がることになります。

そこで考えるべき問いはこうなります。

「どうしたら、在庫を、売れる場所に最初から配置することができるか?」

この問いに対する答えを見つけられれば、OMOの環境において、プロパー消化率を高め、効率の悪い配送を最小化し、大きな利益を確保できます。

それでは、どうやれば、これを実現すればよいのでしょうか?

OMO環境での、プロパー消化率と利益を最大化するための「適正在庫」とは?


アパレル業界は「商品がなければ、売れない」し、「どの商品が売れるか分からない」というのが現実なので、各店舗は商品を多めに仕入れようと決めることが多い実情があります。これが、在庫の過剰へとにつながります。

結果として、売れる商品はすぐになくなるので、売れない商品が残って、陳列スペースが埋まってしまいます。そしてマークダウンがおき、利益が失われてしまうのです。

こんな状況に陥っているアパレルショップは少なくありません。

では、どうすれば、お店の在庫が多すぎるのか判断したら良いのでしょうか?これは、簡単な計算で確かめられます。以下の例を参考に、計算してみましょう。

典型例として、倉庫から店舗へ週2回のフォロー納品(商品補充)があると仮定します。

多くのアパレルのお店では、土日に売上が増えることが多いので、週2回のフォロー(商品補充)であれば、金、土、日、月の4日間切れないだけの在庫があれば良いはずです。

これは「4日分の在庫」とは違います。「4日間切れないだけの在庫」です。違いを説明しましょう。

各商品は、良く売れる日もあれば、そうでもない日があります。「4日間切れないだけの在庫」とは、良く売れた場合でも切れない=欠品しないという意味です。

例えば、「4日間切れないだけの在庫」を20日分と設定したとしよう。つまり、普段の5倍売れても、在庫切れにならないということです(4日間×5=20日分)。3,4日待てば、また次のフォロー分が入ってくるからです。

そう考えれば、売上の20日分の在庫があれば十分です。

もちろん、これには反論もあるでしょう。

お店のディスプレイ(展示)を成立させるために、在庫が必要という考え方です。これはその通りで、「売れるかどうかとは別に必要な在庫」もあります。

例えば「見せるための商品(見せ筋商品)」は、月にたった1枚しか売れないかも知れません。仮にこのような商品がお店に2枚あると、在庫は2ヶ月分(60日分)になる。

1月目に1枚、2月目に1枚売れると、売り切れるまでに2か月(60日間)かかるからです。

ここまでを整理してみましょう。
売れる商品の適正在庫は20日分程度、見せ筋商品の在庫は60日分程度。店舗全体では売れる商品と、見せ筋商品の両方がある。なので、20日と60日の間をとって、40~50日分くらいの在庫が、アパレル店舗では適正と言えます。

もちろん、これは計算の一例に過ぎないことはお断りしておきますが、もしもあなたのお店の在庫が60日分を超えているなら、在庫が多すぎると言えるかも知れません。

アパレル業界の利益とプロパー消化率を高める「在庫適正化」の考え方


「商品がなければ、売れない」という考え方は、それほど間違ってはいいません。だからこそオンラインでも、各店舗でも、商品在庫がどこにあるのかを見えるようにするですし、実際にお買い上げいただく確率もが高まります。

ただ、もう少し正確に書くならば、

「欲しいタイミングで、欲しい商品がなければ、売れない」という表現の方が正しいでしょう。遠方の店舗に在庫があっても、常に取り寄せてまで買ってもらえるとは限らないからです。

在庫の一元管理は、ないよりはあった方が良い。でも、完璧ではありません。では、もっと良い方法は本当にないのでしょうか?

経験上、多くのアパレル小売りの店舗には、60日分を超える商品在庫があります。(週2でフォローしていれば、本来は、そんな必要はないはずなのですが)

このように過剰在庫が起きてしまうのは、オペレーションに限界があるからです。通常、在庫管理は、ディストリビューターやコントローラー、リプリニッシャーと呼ばれる、在庫配分のプロが担っています。

売れ筋商品や、大型店舗のフォローは、どこでもやっています。

問題は作業量なのです。
店舗数や商品数が多くなってくると、すべてには目が行き届かなくなります。100店舗のチェーンで、各店舗に1000のSKUがあったとすれば、管理SKU数は、10万点になります。

10万行のエクセルで、在庫管理をするなんて、ゾッとしませんか?

そもそもこのやり方が人には無理なのですが、やらないとならないという板挟み状態です。

ならば「欠品させるよりは、過剰在庫の方が、まだまし」と考える。だから、「エイヤー」で、多めに在庫を配分する。そうやって、売れない在庫が店に溜まることになるのです。

人が悪いわけではない。
人の限界を超えることを、人にやらせているのが悪いのです。

これを解決するもっと良いやり方はないのでしょうか?
例えばこんな感じで、全部コンピュータにお任せというのはどうでしょうか?

適正在庫の設定:
店舗で持つ各商品の在庫補充基準は、「4日間切れないだけ」あるいは、「展示に必要なだけ」にする。

適正在庫のリアルタイム見直し:
売上があがったり、下がったりするので、それに合わせて「4日間切れないだけ」を各店・商品について自動で見直す。

集約効果の活用:
商品を店舗やEC倉庫に配りすぎず、中央倉庫にフォロー在庫を補完しておく。

物流コストの節約:
各店・商品、各ECサイト・商品で売れた数に応じて、フォロー在庫から補充する。

自動化:
これらの作業を自動化する

これは単なる「自動発注」とは異なります

世の中で言われる「自動発注」には「適正在庫の見直し」がありません。固定された補充ターゲットに向けて、フォローがかかるだけです。

その結果として、補充ターゲットが現状と合っていないと、品薄や欠品、または過剰在庫や不動在庫が発生してしまいます。

適正在庫の見直しを「自動発注」から「自動制御」に変える

これは、自動車の自動運転と同じ考え方です。自動運転では、カメラやセンサーが、信号、歩行者、道路のラインなどを路上でリアルタイムで検知する。そして、適切にハンドルやブレーキを操作して目的地に向かいます。

在庫の自動制御もこれと同じにすればよいのです。

つまり、各拠点、各SKUの在庫の多すぎ、少なすぎ、トレンド変化などをリアルタムで検知する。適切にアクセルやブレーキを操作するように、プロパー販売率や在庫消化率を高め、利益を増やし、シーズン末の残在庫を減らしていくのです。

OMO環境における全体最適の在庫自動制御AI:DTMエンジン


この在庫の自動制御システムは、DTM(Dynamic Target Management)と呼ばれます。

DTMは、ECサイトや店舗など、各拠点の適正在庫ターゲットを日々見直してくれます。またフォローのタイミングが来ると、手持ちの在庫をどのように配分するのかを計算してくれます。

在庫が足りないときは、チェーンストア全体の利益を最大化できるよう考えてくれます

便利な仕組みですよね。

この仕組みの制御には最近ではAIが使われます。各店・SKUレベルの適正在庫値を上げたり、下げたりするための判断ロジックが入っています。

また、シーズン商品の在庫消化を高めるに必要な、EC倉庫や店舗在庫の横持ちや店間移動などもカバーされてます。

ChatGPTなどのAIを使ったことがある方なら、特定の仕事に絞れば、AIは人の能力をはるかに超えていると感じるはずです。

しかも、速いのです!

DTMエンジンを搭載したシステムも、賢く、速く動きます。ディストリビューション業務を「人よりうまく、きめ細かく」できるようになっているのです。

これは、ここ2年ほどで起きた大きな変化です。
したがって、最近2年間で、在庫管理システムのアップデートをしていないのであれば、試してみる価値はあります。

アパレルチェーンのプロパー消化率を高めるDTM搭載システム、Onebeat

弊社で扱っている「Onebeat」(ワンビート)もDTMを実装していますが、単に店舗在庫を最適化するだけではありません。

物流、ECといった「部分最適」を超えて、在庫を「全体最適」でお金に換えてくれる他にはない、在庫自動制御AIシステムとなっています。

適正在庫の計算に使うのは「過去」データだけではなく、アルタイムの市場動向や天候、イベントといった「未来」の外部要因も分析に取り入れます。

そして、在庫のフォロー(商品補充)時に、どこにどれだけの在庫を配分すべきかの答えを示してくれるのです。

今回のフォローから、次回のフォローまでの短期間の需要予測をベースに、「答え」がはじき出されるので、プロパー消化率も良くなります。

その結果、利益が増えます。

ここまで読んで、実際にワンビートを使って、

・どれだけの利益を増やせる可能性があるのか?
・自動制御によって、実際に日々の仕事がどのように変わっていくのか?
・導入において必要になる、考え方の変化をどうやって導入していくのか?

など質問がある場合は、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡いただき、ご相談ください。

「まとめ」:OMO時代のアパレル企業で、プロパー消化率をあげるには?


AIによる在庫自動制御技術であるDTMを用いると、在庫管理を、人よりうまく、きめ細かく実行することが可能になる。

DTM搭載した、Onebeatは、手間がかかる面倒なことは「自動制御」で扱います。

この考え方は、「分析は時間をかけて人がやるもの」という考え方が土台にあるBIツールとは正反対です。

また「AI需要予測ツール」とも一線を画しています。

膨大な過去データと膨大な投資が必要であるにも関わらず、精度があがりきらないという「AI需要予測ツール」の大きな課題は未解決です。

その点、DTMはダイナミックな在庫管理を可能にします。各店舗、各ECサイト、各SKUごとに需給バランスを見ながら、適正在庫ターゲットを日々変え続けることで、、固定された定点発注をベースにした自動発注システムの弱点を克服しているのです。

OMO時代のアパレル業界に革命を!

OMO時代のアパレル業界では、在庫管理とプロパー消化率の問題が、企業の収益性に直結します。

Onebeatは、この課題の解決策そのものになります。

「全体最適」の考え方に基づく、AIによる在庫自動制御技術は、すでに世界24か国、55,000拠点に導入され、1.4兆円相当の在庫最適化に使われています。

今、アパレル業界における在庫管理の新時代が始まろうとしている。ぜひこの流れを取り入れてみることをおすすめします。

◆お問い合わせはこちらからできます↓
Onebeat問合せフォーム (k3r.jp)

◆Onebeatを導入した事例を知りたい方はこちら↓
https://www.1beatjapan.com/casestudy

◆過剰在庫と欠品を防ぐためのお役立ち動画を視聴したい方はこちら↓https://www.1beatjapan.com/video

◆Onebeatのカタログ請求をしたい方はこちら↓
https://form.k3r.jp/goldrattjapan/brochure