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30代手前のプログラマーがコンサルタントに転職して10年。苦労はしたがよかったもんだと振り返る

Who we are?


我々が働いているゴールドラット・ジャパンという会社は、世界的なミリオンセラー『ザ・ゴール』(ダイヤモンド社)の著者である故エリヤフ・ゴールドラット博士が設立したコンサルティング会社です。

前職は、ECサイトのフロントおよび管理者画面の開発をするプログラマーでした。社内では技術力も評価され、営業段階でお客さんと仕様について議論することもあり、「そこそこできる人」扱いされていたと思います。
 
さて、あらゆる組織にはつながりとばらつきが存在しています。そこには必然的にボトルネック(制約)が発生し、これが組織の業績を左右します。このボトルネックに着目したのがTOC(制約理論)であり、ゴールドラット・ジャパンは、TOCを基本としたコンサルティングを提供しています。
その際、大半の企業では優先順位があまり高くないものの、改善インパクトが想像以上に大きい「在庫管理」という課題に焦点を絞ったAIソフト「ワンビート」を利用してもらっています。私はこのプロフェッショナルで、特に小売業が私のクライアントです。

このワンビートを導入して稼げる小売業へと生まれ変わり、社員の皆さんのお給料も右肩上がりで上がっていく、さらには、自社のみならず、関係企業も含めて、そのサプライチェーン全体の再構築を目指していくのが、我々の目標です。

ちなみに私は、ITベンチャーの成長戦略の陣頭指揮を担い、マーケティングから営業やサービスの導入、サポートまで、バリューチェーン全体をコンサルティングしたりしています。

スペシャリストからプロフェッショルへ


いまでこそ、いっぱしのコンサルタントですが、そもそもはプログラマーで、ECサイトの開発を担当していました。しかし30代手前で、当時働いていた会社の将来性やプログラマーという仕事に思うところがあり、あれこれあがいていました。

たとえば、システムやソフトウェア開発をスピードアップさせるアジャイル開発の手法をその世界的な伝道師、ジェフ・サザーランド氏に直接指導を受けるなど、自分の市場価値を高める努力の一方、次々に退職・転職していく同僚たちを倣って、転職サイトをチェックするようになり、ゴールドラット・ジャパンの求人を見つけて応募し、現在に至ります。

入社して数年は、プログラマー時代と仕事の中身はほとんど変わりませんでした。コンサルタントとしての知識も技術も勉強しましたが、はたして役には立ったかと振り返ると、少々怪しいです。プログラマーが本物のコンサルタントに変身するには、こうしたテクニカルなこと以上に大切なことがあったのです。

Before:「言われたことをやる。それを完璧にこなすのがいいエンジニア」

After:「お客様および自分自身の高い目的(すなわちザ・ゴール)を言語化し、そのために、ほかの誰もやらない、やりたがらないことでも実践できる人」

つまり、言われたことをどれほど頑張ったところで、お客様の期待に超えられないばかりか、しかるべき価値を提供できなければ無意味なのです。また中途半端では、「思慮が足りない」と思われるかもしれません。
お客様のいろいろなお悩みに対して「本当にやりたかったのは、まさしくそれなんだよ!」「そんな手があったんだ!」と驚きとともに感謝されるには、お客様も言葉で表現できない理想の姿を明確に言語化し、そのための道筋を提示することが不可欠なのです。

ですが、言うはやすしで、数々のリアルな現場を体験して、初めてたどり着けるように思います。後知恵になりますが、もっと早くにわかっていれば、技術者としても大成できていたかもしれません。

「自分のヒーローを思い描き、「なりたい自分」を実践する


ゴールドラットジャパンは人間の成長を重視しており、それを後押しするために社員一人ひとりに、CEOも交えた「AT(Ambitious Target)面談」が用意されています。私がこのように考え方を改めるきっかけとなったのは、この面談の中で「なりたい自分」について聞かれたことです。

その際、私はこう答えました。「愛読書である『チェンジ・ザ・ルール』(ダイヤモンド社)に出てくるCEOのスコットのようになりたいです」と。彼はウォール街から注目される凄腕のCEOで、みずから高いゴールを設定し、そこへ積極果敢に向かっていく英雄的な存在です。実際、悩んだり迷ったりした時には「スコットならば、どうするだろう」と自問自答しています。

職場を変えても、勉強しても、考え方と行動を変えなければ成長には至りません。その第一歩として、理想の人物像を思い描き、「その人ならどうする?」とい問いかけてみてはいかがでしょうか。案外、簡単かもしれませんよ。

最後に、一つ自慢話をさせてください。クライアントに導入したワンビートは、月額費用の3.4倍の利益を生み出すマネーメーキングAIになりました。もちろん、私一人の手柄でなく、同僚そして何よりクライアントの社内関係者の皆様の理解と協力の賜物ですが、それ以前に、私自身が新しい自分に生まれ変われたことが大きいですね。

問題をプラスに変える3つの質問とは?(アンビシャスターゲットツリー)


執筆者プロフィール:柴田昌洋(しばた あつみ)
ゴールドラットジャパン プロジェクトディレクター

全体最適の生産・サプライチェーン支援ソフトウェア「onebeat」で経営革新を支援するDXのエキスパート。

元ベンチャー企業のソフトウェアエンジニア。真に経営に寄与するITを求めてゴールドラットに加わり、コンサルタントに。トヨタ生産方式で磨き上げられた企業でも在庫削減を実現。極端な需要の変化と短い賞味期限という困難な環境にある通信販売の欠品解消と残在庫削減を実現。需要予測が不可能、来シーズンに在庫を残せないアパレル小売で売上・利益を増やし続けている。