レイモンドと呼ばれた男
大嶋です。
私はこれまで様々なあだ名を授かってきました。
ゆっけ、ワンちゃん(犬)、オオシマンetc…
どれも私という人間にゆかりのある名前ばかりなのですが。
一つだけどうしても納得のいかないというか
意味が分からないのがありました。
25年前。
小学生だった私は毎週金曜日にスイミングスクールへと通っていました。
近所の友達と2人で自転車をかっ飛ばしながら。
時にはデジヴァイスをフリフリしながら2人で仲良くやっていました。
ただ、時々都合が悪い事もあり振替で火曜日にスイミングスクールへ行くこともありました。
いつもと違い、友達はおろか普段とは違う面々にオドオドしていた時でした。
「レイモンドに似てるね!!」
2人組の男の子が私に声をかけてきたのです。
…え、レイモンド?
レイモンドってあれだよね。
毎週月曜日から金曜日の朝7時からテレビ東京で放映されていた「おはスタ」の山ちゃんと隣にいたあのレイモンドだよね⁉
あの人外国人だよ???
どこにレイモンド要素があるんだよ!!!
(ここまでの思考。実に0.5秒)
「そ、そうかな。。。」
「似てる似てるwwwねぇ、後で一緒に遊ぼうぜ!」
いや、似てねえだろォォォォォ!!!!
マジで意味が分からん。
なんだ、俺はいじめられているのか??
初めての火曜日に震えている俺が獲物にでも見えたのか⁉⁉
・・・でも。アイツらの顔を見る限りそんな感じでもなさそうだな。
むしろこんな俺に声かけてくれるなんて。
ホントは良い人たちなんじゃないのか。
様々な思考が巡りめぐった結果。
私はレイモンドを受け入れることにしました。
レイモンドを襲名した私でしたが。モノマネの練習だったり肌を焼く必要もなく。彼らは普通に遊んでくれました。
それからは、振替で通う火曜日も恐れることはなくなりました。
だって私にはレイモンドとして接してくれるトモダチがいたから。
レイモンドである理由なんてどうでもよかった。
むしろレイモンドありがとな。
あんたのおかげか知らんけど、トモダチ出来たわ。
もう顔も名前も覚えていないけれど。
孤独から救ってくれた2人の少年にこの場をお借りして
感謝の気持ちを届けようと思います。
今度はナイトプールで会おうぜ。
でもあんまり大きい声でレイモンドって言うなよ⁉⁉
周囲がざわついちゃうから!!!
「え、レイモンドって…アイツが?」
「やだウケるんですけどwwww」
みんなビックリしちゃうから!!!!
ナイトプールでは“キング”って呼んでくれよな。
おしまい。