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看護師という職業の宿命と可能性
今日は看護師という職業の持つ宿命と可能性についてお話しします
本日のメッセージ
「職業人としての成長には、「責任」を持たせることが必要」
看護師の仕事は二種類ある
病院で働く看護師に役割とは、入院した患者の治療がスムーズにいくようにサポートすることです。そのために看護師には2つの仕事が任されています。
一つは、生活の援助と呼ばれる仕事です。入院中には、病状やまた治療のために、患者は自分の身の回りのことが、いつものようには行えなくなります。その時に、自分でできない部分を看護師がサポートして通常の生活になるべく近づけるようにします。
もう一つは、診療の補助と言われるものです。これは、医師が行う診察や治療の際に、医師の仕事を補助するものになります。例えば、採血とか注射、あるいは、点滴の血管確保や酸素吸入など多岐にわたります。
日常生活援助については、看護師の独自の判断でできる部分がほとんどですが、診療の補助は明確な医師の指示が必要で、看護師が独自に判断して行うことはできなくなっています。
医師と看護師のトレーニングの違い
医師は大学6年、看護師は大学4年あるいは専門学校3年で基礎教育を終えます。その後、医師は研修をうけさらに臨床研修が2年間義務付けられている。
つまり高校卒偉業後8年間かかって、ようやく一人前の医師になれるということになります。一人一人ゆとりを持って丁寧に育てられている、と言う印象をいけます。
そのせいか、看護師よりものんびりとしており、大学を卒業し国家試験に合格したばかりの医師は、医療技術がそれほど身についておらず、なんとなく頼りなげに見えます。
一方、看護師は学部あるいは専門学校を卒業してすぐに第一線で働くことを求められるます。だから、即戦力が必要になり、医師のようにのんびりとしていることは許されません。
そのため、看護大学や専門学校では、シュミレーターを使って現実に近い状況を作り出し、なるべく、卒業して国家試験に合格し、入職したらなるべく早くに独り立ちできるように教育する。
このため、少なくとも、私の過去の観察に基づいた記憶ですが、新卒の医師よりも看護師の方が卒業時点では、医療技術やコミュニケーション能力が高いような気がします。
医師と看護師の成長の差
しかし、卒後1年経った後に、医師と看護師の間には大きな差がでてきます。
医師は見違えるほど成長するのです。大学病院でわたしが見かけた新卒の研修医は、自分の担当する患者のことで本当に必死になって、夜遅くまで勉強していました。
そこには、自分が患者の命を預かっているとうい真剣さがあって、それをみているわたしも「がんばれ」といつも応援していました。
一方看護師はどうか。命を預かるといっても、常に主治医がいます。看護師は自分自身が矢面に立って責任を取ることはありませんし、とる資格もありません。
これが、医師と看護師の仕事への取り組みや姿勢を左右し、卒業後1年目の成長の大きな差となってでてきいると私は思っていました。
看護師にも責任ある地位を
ご存知の方もいると思うが、今日本でもナース・プラクティショナー(NP)なるものを法制化したいという動きがあります。
ナース・プラクティショナー(NP)とは、米国では医師の診療や治療の一部を医師に代わって施行することを認められた、看護師のことでです。看護師の仕事の領域を拡大し、医師の指示なしに看護師独自の判断で行うことができる仕事を行える「高度専門職」と言うことになります。
例えば、今は訪問看護師が訪問しても、簡単な解熱剤の処方などにしても医師の指示がなければ処方して渡すことはできません。
今医師がいない地区もあり、今医師の代わりに看護師にその役割を拡大していくべきという考えも増えつつあるわけです。
しかし、医師会の反対がありますし、看護職の中でもNPの法制化については賛成・反対に分かれています。もっとオープンに意見を出し合って、討議を尽くすべきだとの声も聞かれます。
私自身は、上記に書いたような視点のみからしかみていないので的外れかもしれませんが、この資格の法制化で看護師が、より責任ある立場から仕事を行えることができれば、看護師はもっと成長できると思います。
NPができることで、仕事にやりがいを感じる人が増えると、今までは看護を目指さなかった人でも、この領域に入ってくれるかもしれません。
そうすることで、看護師として働く人の多様性も広がり、看護師集団としてより成長するのでは、と私は思います。
また、NPができることで看護師の社会的な認知がより高まります。そして、付随的に看護師の給料が上がれば、今まで仕事を辞めて家に引き込んでしまっていた、看護師たちもまた働こうと思うかもしれません。
これが、結果として医療費をはじめとして社会保障費の削減にも繋げていけるのではないかと思うのです。
そんなうまくいくはずはないかもしれませんが、可能性はあると思います。
ではでは