朝日杯FS雑感【出走全頭紹介】
皆様こんにちは。
タイガーマスクGです。
今回は、今週末に行われる朝日杯フューチュリティステークスの出走予定馬全頭の印象や見解を雑感のような形で書き綴って参りたいと思います。
あくまでも現時点での印象や見解になりますので、レース直前や当日、レース後に考えが変わる事もございます。ご容赦くださいませ🙇♂️
アスクワンタイム
前走はスタートの出遅れが大きな敗因。しかし以前からゲートには怪しさがあり、根本原因としては精神面における難しさが挙げられる。今回の1週前追い切りでも直線で急に進まなくなって大きく失速(ラスト1F・14.8)するなど、精神的な幼さが残る現状。
重賞を制しているものの、走り等からはあまり大物感が感じられないのも事実。
エコロヴァルツ
この馬の印象をざっくり表現すると「跳びが綺麗」「気性的に幼い」という2点。跳びが大きく綺麗なフットワークで見た目からは中距離で良さが出そうな印象なのだが、気性面がそれを邪魔しているといったところ。
そういった意味では今回のマイルへの距離短縮はプラスに働くに違いないが、これを続けていってしまうとあまりよろしくない。抑えが利かずに放してしまった前走内容も決して褒められるものではなく、現状はとにかく気性面の改善に努めたレース(教育)をしてもらいたいのが個人的な本音。
エンヤラヴフェイス
競馬自体はセンスがあって能力を感じるものの、前々走の新潟2歳Sでは逃げ馬の後ろに付けたところで一気に進みが悪くなり、後方2番手まで下がる形に。そして前走のデイリー杯2歳Sはその課題を解消して2着に好走。
中間の追い切りでは1週前がもたつくような動きで、反対に当週は進みが良くなっていて疑問に感じていたが、よくよく見たら1週間はチークピーシーズを着用しておりそれが原因と判明。
本来の持っている能力を考えれば重賞タイトルぐらいは獲れて不思議ないが、色々と難しさを併せ持っている点をどう捉えるか。
オーサムストローク
前向き過ぎる気性が色濃く出ている反面、それが良い方に作用して掻き込みの強さがフットワークからも表れている。
前々走の未勝利戦ではスタートから逃げてしまったものの、それまでの2戦がワンペース気味の内容だったことや3戦目で落とせない一戦だったことも相まっての戦法だと推測。前走のベゴニア賞ではしっかり控える競馬をさせて勝ち切っているだけに、逃げ切り勝ちからの修正はある程度できただろう。
中間の追い切りでは1週前、当週ともに手前をコロコロ替えている点がやや気になったが、本気で走っていないと捉える事もできる。現状の印象としては、ポテンシャルはなかなかのものだが、今後気性が良い方に転ぶか悪い方に転ぶかで出世するかが分かれるという判断の難しい馬。馬の質自体は悪くない。
クリーンエア
頭の低い独特なフォームでいかにも切れるタイプの見た目。
新馬戦を鋭い末脚で快勝後、新潟2歳Sではアスコリピチェーノの3着に入り力を示したが、前走のデイリー杯2歳Sでは見せ場なく敗戦。しかし、スタートの出遅れや緩い馬場で切れ味を削がれた事など敗因は明確。
良馬場の切れ味勝負になれば本来の力を発揮できるに違いないが、それでもG1だとやや家賃が高い印象も。
サトミノキラリ
今回が初のマイル戦。最大の焦点となる「距離克服」という点に着目するならば、前走の溜める競馬はとても評価できる内容。最後まで脚色が鈍ることなく突き抜けたのは好印象で、今回のマイル挑戦にも納得がいくところだ。
あとは克服できるかどうかだが、やや頭が高い走法が個人的には気がかりで、走りだけ見るとマイルは少々厳しい印象を受ける。ただ、挑戦に値するだけの内容をしっかり積んでいる点は評価したい。
ジャンタルマンタル
この馬もまた、どちらかと言うと頭の高い走法。ただ、ストライド自体はしっかり使えており走る上での推進力はあまり失われていない。体幹の良さや軽快なフットワークは素質の高さを表すストロングポイントで、デビュー2連勝での重賞制覇も頷けるところ。
脚さばきがしっかりしているため前走(デイリー杯2歳S)のような緩い馬場を難なくこなせる強みがある一方、瞬発力勝負になると少々分が悪い印象を受ける。阪神外回りはラストの3F勝負になりやすいため舞台適性は如何程に。
シュトラウス
馬っぷりだけならここでも1、2を争う素晴らしい馬。前進気勢が強過ぎるあまり、レースでのパフォーマンスを落としてしまっているのは周知の事実といったところだろう。
1800mに距離を延ばした前走(東スポ杯2歳S)は評価が難しい内容で、良い点としては「距離を延ばして控える競馬ができたこと」「ラストまで脚を使えたこと」が挙げられ、悩ましい部分としては「ペースが流れたから何とか折り合いがついた点」「モレイラ騎手をもってして抑えるのに苦労していた点」がある。難なく折り合えていればもっと着差を広げられるぐらいポテンシャルは相当高いし、反対にあれだけ折り合いがギリギリだったのに1馬身半差をつけられたのはこの馬の能力と捉える事もできる。
今回は距離こそ1F縮まるものの、新たに右回り・関西輸送という要素が加わりさらに難解を極める。能力比較で決める人は一番手評価でよいのではないだろうか。
ジューンテイク
体幹はとても良い馬で父・キズナの良さが出ている見た目。一方で精神的な幼さが目立ち、デビュー戦は1400mで下ろし、その後も1400〜2000mを右往左往するなど適性を探ったローテなのも納得がいく。
馬の見た目だけならハッキリと「中距離寄り」と言えるが、幼い部分が今後も残り続けるようならマイル前後で走れる仕様にしていく必要があり、成長を見守りながら陣営の決断や方向性にも注目していきたい存在。
セットアップ
この馬も同様に体幹が素晴らしい馬。見た目以上に走りに重厚感があり、北海道(洋芝)での高パフォーマンスはこの馬の特徴を表すもの。
これまでの3戦いずれも逃げる競馬(それもペースを落とさない逃げ)をしており、控えた時にどこまでスムーズに競馬ができるか、どれだけの脚が使えるか等、今回のみならず先々の大きな課題であるのは間違いない。追い切りでは道中抑えて終い伸ばす走りをさせて悪くない動きを見せており、これが実戦に生きてくれば。
タイキヴァンクール
スタートの速さが抜群で取りたい位置を楽に取れる強みがある。パドック等を見ていても後肢に力強さが感じられ、これがスタートセンスの良さを支える大きな要因となっているのだろう。
新馬戦では前出のエンヤラヴフェイスに完敗だったことからも実力的にG1だとどうかという印象はあるが、長所を活かせばそれなりのレベルに行ける可能性も。
タガノエルピーダ
1戦1勝でまだ断定できない部分は数多くあるが、新馬戦ではスタートセンスの良さや軽快なフットワーク、バランスの優れたフォームが印象的であった。先週の阪神JFを除外になり牡馬混合のこちらへ回ってきた紅一点の馬になるが、牡馬顔負けの脚さばきを中間の追い切りからも感じる。
力比較は現状、判断し難いと感じているため別角度からの余談になってしまうが、キズナ産駒の牝馬はファインルージュやソングライン、ステラリアなど、バランスの良い馬が多い印象を受ける。この馬も新馬戦で見せたバランスの良さが先の重賞勝ち馬たちとの共通点になれば今後の活躍が見込める。
タガノデュード
見た目は芯が通った走りで悪くないものの、ストライドをしっかり伸ばすことができておらず推進力に欠ける。芝ではスピード・瞬発力不足、ダートではパワー不足に繋がるため、何とか解消されてほしいところ。現状はダートの方が成績を上げられそうな気がしている。
ダノンマッキンリー
前出のシュトラウスの欄で「馬っぷりだけならここでも1、2を争う」と表現をしたが、それを争っているのが当馬。タイトルはまだ獲っていないものの馬っぷりの良さはここでもトップレベルにある。同時に精神面の幼さが大きな課題で、この課題を克服していけば上の舞台でも戦えるだろう。
前走は意図的にゲートを遅らせたのではないかと思える“教育的な競馬”で、メンバーや展開に恵まれた部分もあるが高いパフォーマンスだったのは見ての通り。直線では手前を替えておらずまだまだ隠し持ったポテンシャルがありそうなのも好印象。
今回は1F延長という新たな課題への挑戦になるが、1週前追い切りではルメール騎手が抑えるのに苦労しており不安が募る一方、これを知った上でレースに乗れるという意味では良かったかもしれない。
ナムラフッカー
走りを見るとフォームにバラつきがあり、あまり褒められるような見た目とは言い難いのが正直なところ。
それでも、先行→追込への脚質転換で結果を出した前走(デイリー杯2歳S)は収穫のある内容。経験値を武器にどこまで。
バンドシェル
前進気勢の強さが走りから感じられ、時計の出し方等を含めても短距離タイプと言って差し支えないだろう。
マイル戦、ましてやG1ともなるとさすがに厳しい印象だが、短距離に狙いを絞っていけばある程度のクラスまで行けるのではないか。
ミルテンベルク
気性の激しさが大きな課題で、特に前走(京王杯2歳S)はスタートから3コーナーまでかかりっぱなし。それでも5着に来たのは地力の高さ故であり、気性面が成長すれば上の舞台でも楽しめる存在。
現状、まだまだ無駄な動きが多い走り方でエネルギーの使い方が上手ではない印象。その辺りも気性とともに改善されれば良いものは持っている。