読書ノート2024(その14)
タイトル:令和版現代落語論 〜私を落語に連れてって〜
著者:立川談笑
先月、幼馴染くんと、天満天神繁昌亭に落語を聴きに行きました。
僕はこれまで何度か落語を生で聴いたことがあるのですが、幼馴染くんは初めての経験だったのですが、とても楽しんでくれました。
現在ではYouTubeやCDで落語を聴く事は可能ですが、やっぱり生で楽語を聴くのは映像や音声落語を楽しむのとは違ったライブ感たっぷりの楽しい時間です。
令和版現代落語論は、故立川談志の弟子の立川談笑が、令和の時代における落語論をまとめた本です。
落語は江戸時代に始まった大衆芸能で、噺家がたった一人で、滑稽噺や人情噺でお客さんを笑わせ、泣かせるライブパフォーマンスです。
決まった演目はあるものの、その日その時のお客さんの様子や時事に合わせて、噺家が軽妙に演出し、お客さんの心や体を解きほぐしてくれます。
演目は、古典落語と新作落語に分けられますが、古典落語だからといって一言一句決まった内容を演じるのではなく、その時に一番面白くなる内容にアレンジして演じられるのが、技術者としての噺家の技です。
ですので、同じ演目であっても、噺家によってまったく違う内容になりますし、同じ演目を同じ噺家が喋ったとしても聴き飽きないのが特徴です。
江戸時代から現在の令和に至るまで、その折々で姿を変えて、わたしたちを楽しませてくれている落語ですが、著者は変わらないものがあると書いています。
その変わらないものとは「江戸の風」、自分が経験したことのない江戸時代などの風景や匂い、音などの古い世界とのつながりを感じることができ、それが心を安らげるのであろうとのことです。
本の後半では、有名な古典落語を著者がどのような思いで、今のお客さんにわかるように改作したのかという解説がされています。
噺家という技術者の頭の中を垣間見たような気がしました。
ともあれ、本を読んだりYouTubeやCDで聴くのではなく、一度生で落語を聴かれることをおすすめします。
きっと、落語の虜となること請け合いますよ。
ちなみに、幼馴染くんと聴いた落語で一番面白かったのは、とりをとった桂三歩さんの「相部屋」という創作落語のまくらのChatGptのくだりでした。