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自分自身に誠実に(長距離走者の孤独:アラン・シリトー)

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  • 読書ノート

    読んだ本の記録と、ちょっとした感想をまとめています。 本好きの人と繋がりたいですね。

最近の記事

読書ノート2024(その14)

タイトル:令和版現代落語論 〜私を落語に連れてって〜 著者:立川談笑 先月、幼馴染くんと、天満天神繁昌亭に落語を聴きに行きました。 僕はこれまで何度か落語を生で聴いたことがあるのですが、幼馴染くんは初めての経験だったのですが、とても楽しんでくれました。 現在ではYouTubeやCDで落語を聴く事は可能ですが、やっぱり生で楽語を聴くのは映像や音声落語を楽しむのとは違ったライブ感たっぷりの楽しい時間です。 令和版現代落語論は、故立川談志の弟子の立川談笑が、令和の時代における落

      • 読書ノート2024 (その13)

        タイトル:闇の盾 著者:寺尾文孝皆さんは記憶力が良い方ですか。 私は、それなりに良い方かなあとも思ったりもしているのですが、妻と話をしていると、人は自分の興味関心のあることをよく覚えている一方で、そうでないものに対してはまったくと言っていいほどカケラも覚えていないことがよくわかります。 複数の人間が同じ場所で同じ経験をしていても、人によって捉え方はさまざまで、記憶の残り方もさまざまなのだなあと実感する今日この頃です。 さて、今回の本は、著者が過ごしてきた半生について描いた、

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          14本

        記事

          読書ノート2024 (その12)

          タイトル:大阪アースダイバー 著者:中沢新一 皆さんは「アースダイバー」という言葉をご存知でしょうか。 「アースダイバー」という名称の由来は、世界が一面の水に覆われていた原初の時代に、水底に潜って「新しい世界」の大地の元になるわずかな泥土を持ってきたという、アメリカ先住民の潜水鳥神話に基づいています。(Wikipediaより) 著者はこのアースダイバーという手法を用いて、東京や大阪、そして日本各地について時代を遡り、現在に至るその地域に根付いた課題や現状を明らかにしようと

          読書ノート2024 (その12)

          読書ノート2024 (その11)

          タイトル:1冊でゼロから達人になる「書く力」の教室 著者:田中泰延・直塚大成 皆さんは、仕事や勉強以外で文章を書く機会があるでしょうか。 私は読書感想文やSNSに短い文章を書いたりしますが、なかなか上手に書くことができません。 今回読んだ「書く力」の教室と言う本は、プロのライターを目指している人に対する講義をまとめたものです。 文章を書くことを職業とする人に向けた講義ですが、そうでない人にとってもモノの見方や捕まえ方、一次資料の大切さなど、文章を書くこと以外でも役に立ちそ

          読書ノート2024 (その11)

          読書ノート2024(その10)

          タイトル:高天原黄金伝説の謎-神武東征『アレクサンドロス東征』・『出エジプト記』相似説の真偽 著者:荒巻義雄 皆さんは何歳くらいから本を読むようになりましたか。私の場合は、小学生の頃はそれなりに本を読んでいたのですが、本格的に本を読むのが楽しくなってきたのは中学生くらいからでした。 よく読んでいたのはSF小説で、筒井康隆や小松左京、星新一などの作品をたくさん読みました。 その当時から活躍されていたSF作家の一人が荒巻義雄だったのですが、荒巻義雄の作品を読んだのは今回の本が初

          読書ノート2024(その10)

          読書ノート2024(その9)

          タイトル:自由研究には向かない殺人 著者:ホリー・ジャクソン昨夜、幼馴染くんと70年代にヒットした洋楽を聴きながらチャットをしました。 全部とまではいかないものの、9割くらいの曲は聴いたことのある曲ばかりで、その曲にまつわる四方山話をしているうちに、ふとある光景が頭に浮かび、ある曲が頭に流れてきました。 頭に浮かんだ光景は、焼き肉の匂いが溢れているT駅から高校までの通学路沿いにあるA小学校の塀で、流れてきた曲は風の「ほおづえを突く女」でした。 大人になってからの音楽の好みは1

          読書ノート2024(その9)

          読書ノート2024 (その8)

          タイトル:処刑台広場の女 著者:マーティンエドワーズ 小学生の頃、遠足で国鉄奈良駅に行った記憶があります。 駅には蒸気機関車が止めてあり、明治100年記念といった看板が掲げられていました。 今年は昭和で言うと99年と言うことになりますので、ずいぶん私も歳をとったもんだなぁと感じている今日この頃です。 さて、今回読んだ処刑台広場の女と言う小説は1930年代のイギリスを舞台とした推理小説です。 裕福でミステリアスな女性レイチェルを中心とした様々な登場人物が事件の当事者(

          読書ノート2024 (その8)

          読書ノート2024(その7)

          タイトル:老いる意味 うつ、勇気、夢 著者:森村誠一 Mama do you remember, the old straw hat you gave to me? 母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね ええ、夏、碓氷から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ このフレーズをご存知の方は、まあまあの歳を召した方か、もしくは読書好き、映画好きの方だと思われます。 かく言う私は、前者なのですが。 1977に公開された邦画「人間の証明」は、同年に森村誠一氏が書いた同名小

          読書ノート2024(その7)

          読書ノート2024(その6)

          タイトル:ギフテッド 著者:山田宗樹 人にはそれぞれ他の人とは違った何かしらの能力があるのだと思います。 例えば、目の前の風景を克明に描き写すことが出来たり、一度聴いただけでその音楽を再現出来るなど役に立つ能力がある一方で、自由にオナラを出すことが出来たり、何かにつけて周りの人をイラつかせることが出来るなど箸にも棒にもかからない能力もあったりします。 いずれにしろ、その能力がその人の魅力や違いを生み出し、社会は成り立っているのでしょう。 私の能力があるとすれば、どこででも寝

          読書ノート2024(その6)

          読書ノート2024(その5)

          タイトル:人生最後に後悔しないための読書論 著者:齋藤孝 皆さんはアウトドア派ですか、それともインドア派ですか。 私は、どちらも派です。時間があればウォーキングなど外に出たくなるし、その一方でじっと本を読むのも大好きです。 いずれにしても、外で感じる五感や風景、読書を通じて感じる学びや感動・驚きで自分がリフレッシュされたり、アップデートされたりするのが大好きです。 だからこそ、今使える時間を大切にしたいと思います。 今回読んだ本は、明治大学教授の齋藤孝さんの新作で、同年代

          読書ノート2024(その5)

          読書ノート2024(その4)

          タイトル:大峯千日回峰行 修験道の荒行 著者:塩沼亮潤、板橋興宗 皆さんは、YAMAP(ヤマップ)、 YAMARECO(ヤマレコ)という登山用のアプリをご存知でしょうか。あらかじめ登山ルートを設定しておくと、登山当日にApple WatchなどのスマートウォッチやiPhoneなどのスマートフォンに地図を表示して、登山ルートを確認しながら登山することができるという代物です。さらに優れているのは、予定していたルートから外れると音声で道間違いを知らせてくれたり、予定地点の到着予定

          読書ノート2024(その4)

          2024読書ノート(その3)

          タイトル:増補版 教養としてのテクノロジー AI,仮想通貨,ブロックチェーン 著者:伊藤穣一 平面に印刷された絵や写真を立体的に見る立体視というのをご存知でしょうか。 一昔前に流行り、我が家にも数冊立体視に関する本がありました。 立体視には、左右の目の視点を交差させる交差法と、平行視する平行法というのがあり、私は平行法が得意でした。 なぜ、このような話をしたかというと、スイカゲームで読書がはかどらない中、前回の読書ノートで紹介した「科学は無謬か」という本とこの本を並行(平

          2024読書ノート(その3)

          2024読書ノート(その2)

          タイトル:科学は無謬か 「コトバをもつヒト」をめぐる根源的な問い 著者:宇田川 眞人 年末から正月にかけて読書スピードがすこぶる滞ってしまいました。 滞った理由は、年末に息子から教えてもらった「スイカゲーム」というゲームアプリが面白く、家族そろってはまってしまい、ちょっとした隙間時間があるとスイカ作りに勤しんでしまったからです。単純なゲームほどはまってしまうもので、時間泥棒とはよく言ったものです。 そんな中で、大手出版社の編集者を務めていた宇田川眞人さんの「科学は無謬か」

          2024読書ノート(その2)

          2024読書ノート(その1)

          年末から読み始めた、桐野夏生の「日没」という小説を読み終えました。 自分がコントロールできない環境に置かれた人間の姿が描かれた作品でした。 よく自分がコントロールできないことに拘泥するのはよくないと口にしていたのですが、この小説のような状況に置かれたとしたら果たしてそのようなことを言えるのか自信はありません。 どんな時も希望を失ってはいけないとか言いますが、この小説のような結末が待ち受けているのだとすれば、希望を持たないことも一つの選択肢かもしれません。 また、国家による統

          2024読書ノート(その1)