声

もう忘れたの？となんて愚問、答えなくても分かるでしょうと言いたいのだけれど、そんなことは言えない。

ただ思い出さないようにしているだけで、僕の時間は本当は止まっている。戻ればいいとは思ってはいないけれど、戻ったらどれだけ楽しいのか、そんなことを考えてみるまでもない。

なんとか時間を潰しているのだけど、何度同じことを繰り返しているのだろうかと思うだけで、ちっとも前に進んでいる気がしないでもない。ただ不思議と時間は流れているようで、身体のあちこちで衰えを感じざるを得ない。

未来を見ようとしたのだけど、その時見えなかった未来なので見えるはずもなく、何を見ようとしているのか、それすらも分からない。結局何も分からずに時間だけが過ぎていくのだろうか。

出来ないことだけが浮き上がってくる。他人の粗だけが目につくような目になってしまった。昔から嫌味な人間だったので、そんなことなど改めて悔やむ必要などないのだけど、嫌味なことが分からなかったら、良いこともわからなかったのだろうとも思う。

涙も出ない。感情が動かない。昔のことを思い出しても、もうどうにもならないことだと心の底では思っているのかもしれない。

色々なところに行けば行くほど、違う人と過ごせば過ごすほど、あなたの存在がとても大きいものだったと実感しています。少しだけ真面目になることが出来たのなら、少しは違う結末になっていたのかもしれませんね。

でも、

しみったれてんじゃねえぞ！そんな僕の声が僕の中から聞こえています。

まだやれる気がします。