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灰汁

学校公開日。
息子の中学に行く。

休み時間の教室は
あまり見たくなくて、
ひたすら掲示物を見ていた。

生徒会立候補者の顔ぶれを見て、
あの子だと思った。
近所のかわいいあの子。
ほんとすごいなあ。

休み時間はいろいろとリアルだ。
息子はわりとぽつんとしている。
ずっとそうだ。幼稚園からそうだ。
私から見たらぽつんだけど、
本人からしたら、
そうじゃないのかもしれない。
そもそも、だれかと
わいわいして欲しいとか、
余計なお世話過ぎる。

壁面に飾られた、
美しい絵、美しい文字。
あれ、あっちにも
この名前あったな。
入賞作品の数々。
じーっと見て。
見ているうちに
つかれてしまった。

授業が始まって、
そっと教室に入る。
息子の後ろ姿を確認する。
いたいた。

中学生にもなると、
みんな大きくて、
なんだか圧を感じる。
教室の後ろに5分も
いられなかった。

家に帰って夫に話す。
生徒会のあの子のこととか。
「ほんと好循環だよね」
夫が言った。
そう思う。
好循環。
…。


なんとも言えない気持ちを
抱えながら、昨日録画した
「ベイマックス」を見た。
こういう映画だったのか、と
うつらうつらしながら見て、
見ているうちに、この灰汁アク
だいぶ薄まっていくのが分かった。

すっごく、ほっとした!