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鳥の巣さがし散歩

葉が落ち、すかすかになった木々。
ながめていると、たいてい鳥の巣がある。
それを「あ!」と見つけるのが好きだ。

むかし、鳥の巣は鳥の家だと思っていた。

…… よく勘違いするひとがいるんですけど、
家ではなく子を産み育てる場所です。
鳥はとばないといけないから。
大きなお腹ではそれができない。
子宮のようなものが巣なんです。……
というようなことを
書いてあるのを読んだ。
鳥の巣研究家の方が書いた本に。

そう、鳥の巣研究家!

この肩書きにわくわくした。
絵本作家の鈴木まもるさん。
夢中になって、鈴木まもるさんの
鳥の巣に関する本を読みあさる。
おもしろい。おもしろすぎる。
講演会があると知り、ちょっと離れた
町まで家族で行ったことがあった。

話を聴く時、私はメモをする。
ききもらしたくなくて、
集中そのもので手にペンを持つ。

鈴木まもるさんが話しはじめた。
クイズから始まった。
ところがそれは、
じょうだんまじりのクイズで。
会場中がどっと笑った。

「だから、気楽にきいてください。
ぼくの話はメモするような話じゃない」

と(たしかこんな感じで)おっしゃられて。
じょうだんを本気でメモした自分が
おかしくて(ばかばかしくなって)
メモ帳を笑いながらかばんにしまった。

テレビじゃないけど、
そんな感覚で話を聴いた。
鈴木まもるさんは講演の間、はだしだった。
少年のような目の輝きというのだろうか。
好きなことをしているひとは、
目がきらきら輝くのだろう。
鳥の巣をたくさん持ってきてくれて、
鳥って天才だなあと思った。
もう天才!!!

これはもう6年前くらいの話になる。
なのに、あざやかにおぼえている。
メモしてなくたって、よくおぼえている。

このあたりもだいぶ木がなくなった。
あ!鳥の巣、と思っていた木々が、
跡形もなく消え
住宅が建ち並びはじめている。
残念に思うけれど、まだまだ田舎。
高い建物がなくて空はひろい。

鳥の巣さがし散歩をしよう。

あらたな自分との約束。


★写真は…
鳥の巣とは関係のない、誕生日ケーキ。
ちゃんとひとりで珈琲屋さんに行ってきた。
ここに(noteに)行ってくる、
と書きましたからね。
行ってきてくださいね、
と言ってくれたあなた☺️ありがとう。
おかげで、自分との約束まもれました。