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『園芸少年』

視力が悪い。
小5から悪くなった。
成長とともに、
どんどん悪くなった。

視力検査は恐怖で憂鬱。
視力が悪いと写真映りが悪い。
どこ見ているの?
そんな顔になってしまう。
ピントが合ってない。

0.1が見えなかった。
なのに、ふだんは裸眼で過ごした。
授業中だけメガネをかけた。

ぼんやりしている。
ぼんやりとした高校生活だった。
あえて、見ないように
していたのかもしれない。

高校時代に欲しかったもの。
それは親友だった。
でも、自分の思い描く
「親友」には出会えなかった。
いい友だち、
大好きな友だちはいたし、
悔やむことはない。

あの高校時代を、
悔やむことはない。

図書館の児童書のコーナーで見つけた
『園芸少年』(魚住直子/講談社)。

高校の園芸部。

篠崎、大和田、そして庄司。

いいなあ、と思う。
いいなあ、と何度も思った。
描かれる友情が、
たまらなくて。

見ようとしなかった
あの時の自分も
この物語にいる、
って、思った。

我が家の植物たちに、水をやろう。
篠崎たちが水をやったように。
じょうろで、水をやろう。