夕方のアルコール
「○ちゃんね、ママのね、お酒飲んだことあるの!」どんどん目を見開いて7歳の娘が言ってくる。夕飯を食べている時とかに、突然思い出したかのように繰り返し言う。私の缶チューハイをちょっと飲んでみたことがあるらしい。娘にとっての武勇伝。
夕方にお酒を飲んでいた時期がある。
ボランティアの活動にまつわる事務と会計作業になかなか慣れず日々追われた。書くことに挑戦し少しお金を頂いたけれど、睡眠を削るしかなく。そして自分の書いたものに対しておそってくる「こわい」。そんな状況もあって私には余裕がなかった。いいお母さんになりたかったし、なれると思っていたけれど理想でしかなかった。すてきなママさんに出会うたびに比べ落ち込み、子どもたちにごめんね、と思っていたなあ。
そんな時があって。
正直、やさぐれて飲んでいた。
一缶だけだからいいよね、と。9パーセントの缶チューハイをプシュっとあける。飲んでいる時は、いろんなことがオールオッケーになる。ほろ酔い、上機嫌。だけど、お酒が残り少なくなってきて現実に引き戻される。嫌な気持ちになってくる。これ、もう一缶飲むようになったら、私あぶないなと思った。
だんだん夕方の一缶が習慣になった。
夕方になると飲みたくて仕方なくなる。ほろ酔いの時に、息子の友だちのお母さんがやってきたことがあって。ほろ酔いのままドアをあけた。頬のゆるみはどうすることもできず、すごく恥ずかしかったことが忘れられない。だんだんやめる、と言う選択がものすごく苦しくなってきた。飲んだ後の気持ちも最悪。夜中にカッと目がさめたりする。
これはお酒をやめよう。
やめなければと思った。
そんな時に図書館の新刊コーナー(当時)でこの本に出会う。
『そろそろ、お酒やめようかな』と思ったときに読む本
(垣渕洋一 著 青春出版社 2020)
この本が私の背中をおおいに押してくれたことは間違いない。けれど実際にやめられるようになるまではそう簡単ではなかった。当時のことを赤い日記帳に書いていたから、読み返し、ここにどうやってやめることができたのかまた書こうと思っている。もしかしたら、私と似たような方がいるかもしれないから。
断酒会の言葉が本に紹介されていて、それが今も心にある。
今日も私はその一日を積み重ねている。