Ventiとアップルパイ
スタバのアップルパイ。
去年食べておいしかった。
今年も食べたいとはりきる。
★
朝のスタバ。
アップルパイは
あるか、あるか。
ちょうどふたつ。
「アップルパイをふたつに…」
コーヒーは一番大きいサイズにしてみよう!
母と分けたらいいな、とひらめく。
はじめてのVenti(約590ml)。
Ventiなんて言ったことないから
「…ドリップコーヒーの
一番大きいのを」と言った。
「ヴェンティですね。
アップルパイはあたためますか」
と聞かれて、
「お願いします」
と伝える。
今年も店員さんが
アップルパイをあたためてくれる。
私はスタバに行くことはめったにない。
だから特別でワクワクする。
あったかいアップルパイと
特大のコーヒーVentiが入った
紙袋を受取る。
ほくほくする。
★
駅の自由通路ですこし息苦しくて。
よみがえるあの日あの時なのだけど
(自律神経がくるった日があった)、
倒れはしないことを知っているし、
あの時より、断然体調は良い。
大きく息をしながら歩いて向かう。
★
午前10時。
開店したばかりの百貨店を
近道にして通ることにする。
店員さんがみんなして、
おじぎしてくれる。
「いらっしゃいませ」
美しいおじぎと笑顔。
いや、なんだかそんなふうに、
私にも接してもらえるなんて。
信じられないというか、
女王陛下のようだ。
なんて思いながら、
うっすら、こっそり
涙ぐんでしまった朝。
マグカップふたつにコーヒーを分ける。
「スタバのコーヒーおいしいね」
と母が言った。
(2024年10月11日)