見出し画像

Ventiとアップルパイ

スタバのアップルパイ。
去年食べておいしかった。
今年も食べたいとはりきる。

朝のスタバ。

アップルパイは
あるか、あるか。
ちょうどふたつ。

「アップルパイをふたつに…」
コーヒーは一番大きいサイズにしてみよう!
母と分けたらいいな、とひらめく。
はじめてのVenti(約590ml)。
Ventiなんて言ったことないから
「…ドリップコーヒーの
一番大きいのを」と言った。
「ヴェンティですね。
アップルパイはあたためますか」
と聞かれて、
「お願いします」
と伝える。

今年も店員さんが
アップルパイをあたためてくれる。
私はスタバに行くことはめったにない。
だから特別でワクワクする。

あったかいアップルパイと
特大のコーヒーVentiが入った
紙袋を受取る。

ほくほくする。

駅の自由通路ですこし息苦しくて。
よみがえるあの日あの時なのだけど
(自律神経がくるった日があった)、
倒れはしないことを知っているし、
あの時より、断然体調は良い。
大きく息をしながら歩いて向かう。

午前10時。
開店したばかりの百貨店を
近道にして通ることにする。

店員さんがみんなして、
おじぎしてくれる。
「いらっしゃいませ」
美しいおじぎと笑顔。

いや、なんだかそんなふうに、
私にも接してもらえるなんて。
信じられないというか、
女王陛下のようだ。
なんて思いながら、
うっすら、こっそり
涙ぐんでしまった朝。


マグカップふたつにコーヒーを分ける。
「スタバのコーヒーおいしいね」
と母が言った。

(2024年10月11日)