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いつも心にフェドーラさん

皿洗い。
好きか嫌いか?

子どもが小さかった時はとくに、
夕食後の皿洗いなんて、余力ゼロだった。
朝に持ち越しもよくあった。

今はそこまで疲れる日々もないけれど、
朝に持ち越しの時もある(正しくは
食洗器外のものを洗う余力がない)。
でも割り切って朝に洗った方が、
気分よくスピーディーに洗える。
もうダメだ、という日は
もう潔く、朝へ持ち越している。

時々、 皿洗いハイな時がある。
まるで、新生児をやさしく
洗ってあげる時のような、
そんな気持ち。

絵を見たら思い出した。

『フェドーラばあさんおおよわり』
という絵本に出会った。
表紙はこの通りなわけで、
フェドーラばあさん、がぴったり。
なんせ下部の共演が…。

『フェドーラばあさんおおよわり』
K.チュコフスキー・作  V.オリシヴァング・絵
田中 潔・訳 / 偕成社

け・れ・ど。

ばあさんだなんてとんでもない!
フェドーラさんは変わる。

でもほらごらん、 きせきだよ
あのフェドーラの かわりよう
いじわるでもない どならない
そっとみんなに 手をひろげ
やさしいうたを うたってる

『フェドーラばあさんおおよわり』より

絵本の最後にみせる
フェドーラさんの見事な変わりっぷり。
見るたび、うっとりしてしまう。

私はこの絵本を読んだあと、
“物置と化した北の部屋”を片付けた。
フェドーラさんを思うたび、
せっせと動きたくなる。
片付けの本やアドバイスより
私には効果的だった。
こんな絵本がある。
暮しに、自分に向き合いたくなる絵本。
うれしいから、本にはさんであった
出版社のハガキにお礼を書いて送った。
今ごろ、届いているでしょうか。

出版社在庫僅少の絵本とのこと。
まちの図書館にあったらぜひ。

ほこりだらけで毎日ひどい扱いと、なべやポットやいすたちが、ある日みんなでフェドーラの家から逃げ出した。ユーモアあふれるロシアの作品。

偕成社ホームページ、
『フェドーラばあさんおおよわり』内容より


『ハリネズミと金貨』という
絵本の原画展(教文館)と一緒に
『フェドーラばあさんおおよわり』
の原画も一部展示されていた(どちらも
ヴァレンチン・オリシヴァングさんの絵)。

教文館に行かなければ、
この絵本には出会えなかった。
行きたいという気持ちをかなえた先に、
待っているもの、というのはあるものだ。

気持ち、大事!