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『我が友、スミス』読了📚

早速、1冊読み終わったので投稿

2024.9.6(金)
『我が友、スミス』/著:石田夏穂 
読みました📚

『我が友、スミス』

【あらまし】

前代未聞の筋トレ小説、誕生!

「別の生き物になりたい」。
筋トレに励む会社員・U野は、
Gジムで自己流のトレーニングをしていたところ、
O島からボディ・ビル大会への出場を勧められ、
本格的な筋トレと食事管理を始める。
しかし、大会で結果を残すためには
筋肉のみならず「女らしさ」も鍛えなければならなかった――。

鍛錬の甲斐あって身体は仕上がっていくが、
職場では彼氏ができてダイエットをしていると思われ、
母からは「ムキムキにならないでよ」と心無い言葉をかけられる。
モヤモヤした思いを解消できないまま迎えた大会当日。
彼女が決勝の舞台で取った行動とは?
世の常識に疑問を投げかける圧巻のデビュー作。

 我が友、スミス (集英社文庫) | 石田 夏穂 |本 | 通販 | Amazon

【きっかけ】

表紙とタイトルだけ見て、
“筋トレ小説だ!”と心ときめかせたくらい、
筋トレに勤しんでいます。

筋トレをやっていない人からすれば、

「スミスとは…なんぞや?海外女性の名前かぇ?」

と思う人が大半だと思う。

1年半前だったら自分もそうだったし、
気にも留めなかったと思う。

 スミスとはスミスマシンという
トレーニング器具の1つで…

こうして話すと長くなるし、
なんなら作品の冒頭に説明されているから割愛。

それくらい、
ジムを多少なりとも利用していれば、
出会う器具。

 女性の筋トレをモチーフに描かれた小説を、
読んだことがなかったので、
共感できる部分が多くあるといいなと思って、
読みました。

 …ちなみに。

漫画だと『ダンベル何キロ持てる?』
という作品に出会っているので、
こちらも今後の楽しみにキープしている。

 【感想】

筋トレを始めて、
しばし経つ女性が
ボディビル大会に出場するお話。

序盤のジムでの心境や、
減量中の苦悩など、
私も通ってきた道はものすごい共感しか、
なかった。

その先をゆく「U野さん」の大会までの準備は、
現代には珍しく、
“トレーニーの上に重ねる女性らしさ”への準備が別の苦悩として描かれ、
私はボディビル大会には絶対に出るまいと感じた。

 自分にも欠落している、
作品内で取り上げられた“女性らしさ”。

この努力、私には絶対に出来ないだろうなぁ。

私もタイプ的にはU野さんと同様のタイプで、
化粧っ気もないし、
普段はヒールなんて履かないし。

笑顔を作るのも苦手な人間なので、
彼女は自問した内容はとてもよく分かる。
だから例え、
作中みたいにスカウトされても断ると思う。

ボクシングジムでも、トレーニングジムでも、
大会に出る人は途轍もなく尊敬する。

出るための努力と自身との闘いが
とてつもなくしんどいから。

 私もジムのイベントで、
3ヶ月で体脂肪を多く落とすという
減量に挑戦したけど、
本当にそれだった。

大会で表舞台に立つことがないにしろ、
やるからには負けたくないようで、
結果-10%の体脂肪率減に成功した。

勝つことの嬉しさはあったけど、
筋量を増やして体脂肪を落とすだけでも、
集中力がいっぱいいっぱいになる。

 そこにポージングやら肌の褐色具合やら、
姿勢にネイルに髪型に笑顔…。
どこまで準備しても足りなくて、
時間あっという間に過ぎそう。

100歩譲って大会に出るなら、
パワーリフティングの方が頑張れそう。

 そして積み上げた大会当日。

U野さんのこれまでの価値観が
一気に暴落された出来事と行動。

彼女なりの大会というか
世の中に対するもがき?反論?
うーん、分からんでもないが…ちょっと拍子抜け。

そうでもしなきゃ、物語が終わらなかったのか…
とも思ったけど、
そんなこともないだろうし…。

きっと爆発感を出したかったんだろうけど、
U野さんの性格上、
行動には出してほしくなかったかも。

いろいろな葛藤や感情が吹き出してしまったことは、理解できるんだけど…。

 大会後も、ジムに戻って勤しんでいるU野さん。
もし、続編が出来るならば、
ぜひパワーリフティング編を始めてほしい。

彼女にはそっちの方が絶対に
性に合っていると思うから。

 おしまい(。-`ω-)

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