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GPX ファイルを吟味する

先日開催された信越五岳トレイルランニングレース、100 mile に出走し無事完走!その軌跡を YAMAP に記録すべく GPX ファイルをアップロードしようとしたところ GPX ファイルのサイズ制限に引っかかってしまった。アップロードしようとした GPX ファイルは 10.7 MB、YAMAP の制限は 10 MB。確かにオーバーしている。

さて、この GPX ファイル、Strava からダウンロードしたものなのだが、元を辿れば Garmin 945 で計測し、Garmin Connect にアップロードされたデータである。そこで何となく Garmin Connect から信越五岳の GPX ファイルをダウンロードしてみるとファイルサイズは 13.3 MB。Strava は何らかの情報がトリミングされている ?

というわけで、当初の YAMAP へ GPX ファイルアップロードという目的は忘却の彼方。普段利用している Garmin Connect、Strava、YAMAP、ヤマレコからダウンロードできる GPX ファイルを吟味することとした。

比較方法

8 月に行った 丹沢 to 高尾のアクティビティを使って比較してみることとした。Garmin Connect から ダウンロードした GPX ファイルをオリジナルとし、それを Strava、YAMAP、ヤマレコへアップロード。その後、各サイトから GPX ファイルをエクスポートし吟味する。

Garmin Connect GPX ファイル (オリジナル)

オリジナルとなる GPX ファイル。ファイルサイズは 6.2 MB、トラックポイントは 15039 地点となっていた。

以下の XML は 最初のトラックポイントを抜粋したものである。インデントは入っており、ヒューマンリーダブルな文字列となっている。 

     <trkpt lat="35.4050932824611663818359375" lon="139.1684118099510669708251953125">
       <ele>289.600006103515625</ele>
       <time>2019-08-23T22:39:57.000Z</time>
       <extensions>
         <ns3:TrackPointExtension>
           <ns3:atemp>29.0</ns3:atemp>
           <ns3:hr>94</ns3:hr>
           <ns3:cad>60</ns3:cad>
         </ns3:TrackPointExtension>
       </extensions>
     </trkpt>

トラックポイントに含まれるメトリックは座標、高度、時刻、気温、心拍、ケイデンスの 6 つであった。このうち GPX 1.1 Schema Documentation で定義されていない気温、心拍、ケイデンスは extenxions となっている。

Strava GPX ファイル

Strava からエクスポートした GPX ファイル。ファイルサイズは 4.9 MB とオリジナルより 1.3 MB と小さくなっている。またトラックポイントは 15098 地点と、オリジナルより 59 地点増えていた。何故だ 🤔

以下の XML は 最初のトラックポイントを抜粋したものである。改行、インデントはされている。

   <trkpt lat="35.4050930" lon="139.1684120">
   <ele>289.6</ele>
   <time>2019-08-23T22:39:57Z</time>
   <extensions>
    <gpxtpx:TrackPointExtension>
     <gpxtpx:atemp>29</gpxtpx:atemp>
     <gpxtpx:hr>94</gpxtpx:hr>
     <gpxtpx:cad>60</gpxtpx:cad>
    </gpxtpx:TrackPointExtension>
   </extensions>
  </trkpt>

オリジナルと比較すると、含まれるメトリックに違いは無い。しかし座標と高度の小数点以下の桁数が少なく、気温は少数部は切り捨てられていた。実際のところ、腕時計のセンサの精度から考えると十分なのだろう。気温は小数第一位くらいまであっても良さそうだが。

まとめるとトラックポイント、メトリックは減っていないが、座標、高度、気温の小数点以下の桁数が小さくなっている。

YAMAP GPX ファイル

YAMAP からエクスポートした GPX ファイル。ファイルサイズは 1.5 MB とオリジナルの 25 % 程度になっている。トラックポイントは Strava 同様 15098 地点と、オリジナルより 59 地点増えていた。

ファイルサイズが小さい理由の一つは改行、インデントがされていないため。人間には読みにくくなるが、そもそも機械が読むものなので。

<?xml version='1.0' encoding='UTF-8'?><gpx creator="YAMAP - https://yamap.com" xsi:schemaLocation="http://www.topografix.com/GPX/1/1 http://www.topografix.com/GPX/1/1/gpx.xsd" version="1.1" xmlns="http://www.topografix.com/GPX/1/1" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"><metadata><bounds maxlat="35.63545" maxlon="139.270358" minlat="35.405093" minlon="139.131035"/></metadata><trk><name>丹沢 to 高尾</name><number>1</number><trkseg><trkpt lat="35.405093" lon="139.168412"><ele>289.6</ele><time>2019-08-23T22:39:57Z</time></trkpt><trkpt lat="35.405108" lon="139.168406"><ele>290.4</ele><time>2019-08-23T22:39:58Z</time></trkpt><trkpt lat="35.405121" lon="139.168401"><ele>291.0</ele><time>2019-08-23T22:39:59Z</time></trkpt><trkpt lat="35.405167" lon="139.168376"><ele>292.2</ele><time>2019-08-23T22:40:03Z</time></trkpt><trkpt lat="35.40521" lon="139.168355"><ele>292.2</...

以下の XML は 最初のトラックポイントを抜粋し、インデントを付けたもの。Strava と同様に座標、高度の小数点以下の桁数は減っている。また、気温、心拍、ケイデンスは存在しない。まあ、YAMAP では使わない情報なので持っていないのだろう。

<trkpt lat="35.405093" lon="139.168412">
	<ele>289.6</ele>
	<time>2019-08-23T22:39:57Z</time>
</trkpt>

まとめるとトラックポイントは減っていないが、気温、心拍、ケイデンスは削除されている。また、座標、高度の小数点以下の桁数は小さくなっている。

ヤマレコ GPX ファイル

ヤマレコは 3 種類の GPX ファイルがエクスポートできる。

「GPX ファイルをダウンロード」からダウンロード出来る GPX ファイルは、アップロード時に「データの間引き」を指定した場合はトラックポイントが間引かれた状態の GPX ファイルとなる。「データの間引き」を指定しないとオリジナルの GPX ファイルとなるようだ。以下は「3,000 ポイント以下に間引き」を指定した GPX ファイルのから、最初のトラックポイントを抜粋したもの。

<trkpt lat="35.405093282" lon="139.168411810">
 <ele>289.600006</ele>
 <time>2019-08-23T22:39:57Z</time>
<extensions>
         <ns3:TrackPointExtension>
           <ns3:atemp>29.0</ns3:atemp>

           <ns3:hr>94</ns3:hr>

           <ns3:cad>60</ns3:cad>

         </ns3:TrackPointExtension>

       </extensions>
</trkpt>

座標、高度の小数点以下の桁数は小さくなっている。また、気温、心拍、ケイデンスはそのまま残っている。改行やインデントは、こうなんというか、ヤマレコっぽいなと。

面白いのは「地名入りの GPX ファイルをダウンロード」で、ヤマレコの地名入りの GPX ファイルが取得できる。

「変換前のGPSログをダウンロード」では、アップロードしたオリジナルがそのままダ ウンロード出来るようである。

まとめ

意外とそれぞれの GPX ファイルに特徴があった。YAMAP からはどうせ機械が読むんだろという意思が、ヤマレコからはヤマレコ臭 (ヤマレコを使ってればわかるはず) のする GPX ファイルとなっていた。

おまけ?

忘却の彼方に消えかけていた当初の目的に戻るが、YAMAP にアップロードするための GPX ファイルのサイズを小さくするには、インデントを削除する程度で行けそうである🤗

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