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残り物には福があるとは
食事が運ばれてきて、それをみんなで分けて食べる場所に、
自分がいることをイメージしてみてほしい。
どこにでもいる、自分勝手なA君は、周りにいる人たちを押しのけて、
先に自分の食器に食べ物をよそい、まず最初に自分の分を確保する。
どこにでもいる、みんなに好かれているB君は、周りの人たちが食べ物をよそうのを待ち、みんながよそい終わった後、自分の食器に食べ物をよそう。
B君は普段から自分の周りにいる人の事を考えた言動で振舞っている。
みんなはB君のことを慕っていた。
B君が自分の食器に食べ物をよそう時、
いつもB君1人では食べきれないほどの量が余っていた。
先生はB君に言った、残り物には福があるわ。
よかったわね、たくさん食べなさい。
それを聞いていた、A君は次の日、自分も一番最後に食べ物をよそおうと考え付いた。(B君はその日、休みだった。)
A君は、残り物には福がある作戦を決行した。
けれど、作戦は失敗に終わった。
A君が最後に自分の食器に食べ物をよそおうとした時、
もう既に食べ物がひとつとして、なかったのである。
残り物に福なんてなかった、というか残ってすらいなかったと、
A君は思った。
けれど、A君は言葉の意味をはき違えている。
残り物自体に福があるわけではない。
誰かの思いやりの気持ちにこそ福があり、
結果として残り物が生じるのである。
思いやりの込められていない残り物には、福なんて存在しない。
B君が食べ物をよそう時、いつも多くの食べ物が余っていた。
その残りものは、B君を慕っているみんなの思いやりによって、
B君に齎された福である。
すなわち、こうも言える。
残り物には、貴方の事を思っている人の気持ちが詰まっている。
故に、残り物には福があり、貴方を幸福にするのである。
残り物には福がある。
貴方の残り物に、福はあるか。