本との出会いから
本屋へ行くことは、普段の生活の中でふらりと立ち寄る場面が多い。少し時間の空いた時や何となく良い本がないかと立ち寄る。目的があって行くこともあれば、何か良い出会いがないかと行くことも。どちらかといえば、「良い出会いを求めて」行くことのほうが多い。
たくさん並ぶ本や雑誌、今必要なものを多くの情報の中から選んでいる。何気なくという感じで探しているようで本当は何かヒントや答えになるものを探している。表紙のタイトルや帯に書いてあるコメント、本屋の店員さんによる感想などを見ながら、今の自分が求めているものを探し出そうとしている。大袈裟に聞こえるかもしれないけれど、そこにはなにか「救い」のようなものさえあるように思う。
なぜそう思ったのかというのは、7月に仕事を辞めると決めて職場の責任者と話した後に、会社を出たその足で本屋に駆け込んでいたから。辞めると決めた事に後悔は無いし、むしろ高揚した気持ちと爽快感さえ覚えていた。その時に選んだ本は、これからどんな仕事をしていきたいかを確かめるような内容の本や雑誌を何冊も。多くの本の中から無我夢中で探していた。
小説や自己啓発系、学習系の本を読む時も「何か一行でも、一言でも、心に残る言葉に出会いたい、見つけたい」そう思いながら読んでいる。時にたくさんの付箋や赤ペンでひたすらラインを引いていることもある。
そんな心に残る言葉に出会えた時は、本当に幸せで満たされた気持ちになれる。
九月は「小説月間」のような一か月だった。
自己啓発系や学び系の本はなんだか体がうけつけなかった。元気を出そうにも、出ないのだから。ためになるであろう事や、生き方や考え方のアドバイスを率直に言われるのは身がもたないというか「今はまだいい」という私の心の答え。そんな中でも小説の主人公は物語の中で強くたくましく歩んでいたり、そうでなくても軽快に生きていたりする。その主人公になったように胸を熱くしたり、苦しくなったり、笑ったり、私自身の穏やかな回復を手伝ってくれている。
本を選び、読み進め、そして本を閉じる。
一冊、一冊、本を閉じる度に満たされていく。
本に、言葉に、物語に救われる日々。
9月読書日記
生きるぼくら 原田マハ
本日は、お日柄もよく 原田マハ
旅屋おかえり 原田マハ
吹上奇譚 ミミとこだち 吉本ばなな
おしまいのデート 瀬尾まいこ
そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ
ごこち