
障害者の自立支援から介護サービスへの切替
「自分自身を見失わないための「介護」のライフハック」
1年半ぶりに介護のマガジンの更新です。
今までは1年半前に見送った母(85歳)のことを書いていましたが、人生で家族の介護をする段階が次の第2ステージへ移りました。
マガジンのタイトルも、「一人介護のライフハック」から「自分自身を見失わないための「介護」のライフハック」と変更しました。周りから求められる自分の役割(介護でも家事でも仕事でも)にハマり一生懸命やり過ぎて体調を崩したこの1年の反省から、
「自分自身を大切にできて初めて周りの人のお世話や仕事ができる」
という当然と言えば当然のことが今まで出来ていなかった。
今年還暦を迎える自分が「出来ることには限りがあること」を意識したいという思いからです。
2025年は、「重度肢体不自由で若干物忘れ入って来た、それでも一人暮らしの姉」のことに話題が代わります。
まず「ぬくもりの窓口」とやらに相談
障害者が65歳になると、今まで受けていた自立支援のサービスが介護保険サービスに切替わることにより、今まで受けられていたサービスが自費になる=今の一人暮らしの生活が成り立たなくなる。
重度障害者の姉のヘルパーさんからこの情報を教えられて、自分でも調べてみたが、本当に情報に辿り着けない。ケアマネさんに聞いても障害者専門のケアマネなので介護保険のことはわからないと言われた。モヤモヤ…
この不安なモヤモヤを年明け一番に解消しておきたいと思い、区役所勤めの同級生に相談したら、区の「ぬくもりの窓口」なる部署を紹介してくれた。近年の市民の抱える複雑な問題を部署を超えて相談に乗る窓口らしい。
(ネーミングから受ける印象が「生温~い」気がするがそんな事は置いておこう)とりま電話で相談。
ふたたびの、包括支援センター
なんとなく予想はしたけど、そんなケースは見当たらないから民間の在宅介護ステーションの方が詳しいだろう。そちらに聞いてみたら?と言われて振り出しに戻る。「たらい回しみたいでスミマセン」と先に言われる。
ハイ、既に3社に聞いてみたんだってば!
でも、ぬくもりの窓口の担当者が、
「それか、65歳になっていなくても介護保険の話は聞けるから、包括支援センターに相談した方がいいかもですね?」と。
確かに。もうそこしか残ってないしね。
「母の介護認定の時お世話になったなぁ」と懐かしみながら、姉の住む地域の包括支援センターに行ってみた。 すると、たまたま応対してくれた社会福祉士の方から初めて明瞭な回答が!
姉のような全介助の障害区分が5か6の最重度な人は、介護認定が4か5に相当すると思われるので(確実ではない。介護認定受けてみないと分からない。) そうなると介護保険でまかなわれないサービスは障害者介護でまかなわれる、という特別措置がある。その手続きがうまく通れば、今のサービスが自費負担なく継続される。
ただ、介護保険と障害の両方に精通したケアマネさんに変えた方がいいだろう。 65歳の誕生日60日前から介護認定受けられるので、それまでに準備したら良い、とのこと。
これからなかなか面倒なことはたくさんありそうですが、とりあえず路頭に迷うことはなさそう。(ていうか、姉は路頭に出ることさえできない。朝目覚めても身体を起こすことすらできない)少しホッとしました。
サービスの狭間に落ちてしまったら…?
こういうサービスの切替時のことを、誰も教えてくれないんだなぁ。
たまたまお正月に、ヘルパーさんが2人インフルエンザにかかってしまいシフト足りなくなって私が出動。その時に「あ、そういえば、妹さん知ってます?65歳でサービスが切替わって、受けられるサービスが減るらしいですよ」と聞いて初めて分かったわけで。情報弱者で狭間に落ちたら這い上がれない方はいらっしゃるのでは?
サービスを受ける自分から情報を探すことは当然必要だが、姉自身が情報を探すことはまず出来ない。亡き両親は若い頃は姉が生きるうえでぶち当たる「障害」に対して果敢に挑んでいたけれど、70代後半になると姉の抱える問題に気付いて解決することは重荷すぎて無理だった。 いつもお世話になっているケアマネさんにやってもらうか?と言えば、上記の情報すらご存じなかった。(障害の分野の方は介護分野は専門外?)
きょうだいのモヤモヤ…
社会福祉士さんに、
「姉のようなケースは他にありますよね?重度障害者で介護保険に切替わった先輩方はどうしているのですか?」と聞いてみたら、
「私が受け持った事例は、過去に一件だけですね」って、この地域で姉が2人目?!でもその方は中途障がい者で、また事情が違ったらしい。
これからの時代、医療の進歩に伴い65歳以上の重度障害者増えてくるだろう。ひとりひとりニーズも違う。
今回、なんとか道筋は得られたが、さらにモヤモヤ… 親亡き後の障害者には私みたいなきょうだいしかいないか?と言えばそうかもしれないけれど、私と姉のように26年も離れて暮らしている間柄のきょうだいは意思疎通もうまくいかなくて、今日の問題を彼女にどう伝えるか?理解&納得するかなぁ?
と結構悩む。
医療が進んで長生きする重度障害者は増えているでしょう。誰も頼れない人も多いでしょう。高齢の重度障害者、社会のなかで見えない問題、存在しない透明人間みたいになっているんじゃないか?モヤ…