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とある街のクリスマス風景

聖歌隊が讃美歌を歌い、大通りでは賑やかなパレード。クリスマス色に華やいだ街で、人々が手にしているのはケーキでしょうか、クリスマスプレゼントでしょうか―。
五勝手屋では、数年前から12月に入ると【とある街のクリスマス風景】をテーマに、本店2階ギャラリーにて、ジオラマの展示を行っています。

ジオラマに使うミニチュアは、【Department 56】社製のものが中心。長い時間をかけて、コツコツと集めたミニチュアは、今でこそライトハウス100点余り、人や車などの小物は300点余りに及びますが、最初の一つを手にしたのは1997年のクリスマスでした。当時アメリカに留学中だった私に、共に留学していた妹がくれたもので、私が欲しがっていた公園の噴水と塀のミニチュアを贈ってくれました。
それから25年が経ち、コレクションはここまでのボリュームになりました。その間、コレクターの方との出会いもあって、そのご縁がジオラマづくりを続ける後押しにもなっています。

【Department 56】社はアメリカのギフト雑貨メーカーで、細部にまでこだわったライトハウスやフィギュアは、陶器製のミニチュアコレクターたちから絶大な支持を集めています。

ジオラマの規模は4m50cm×3m。ここに、約ひと月かけて、とある街のクリスマスの一日を生みだします。ジオラマづくりで大切にしていることは、登場人物たちの目線にストーリーを持たせること。パレードを楽しげに指さす人や、外の様子が気になってあわててドアから飛び出し転ぶ人、誰かが手にしたケーキを、指をくわえてうらやましそうに見ている子どもの姿もあります。

ものづくりが好き。人に喜んでもらうことが好き。そして人を驚かせることが好き。そんな思いがあって続けているジオラマづくり、公開をはじめたことでたくさんの方にご覧いただき、少しずつではありますが、この時期の五勝手屋の風物詩となりつつあります。
クリスマス色に染まった街と、人々のストーリーを感じながら、じっくりと作品をお楽しみいただけたら幸いです。なお、今年の公開は12月中旬を予定しております。

最後に、早いもので今年も残すところあとひと月ほどとなりました。この一年も、変わらぬお引き立てを誠にありがとうございます。本Webサイトも公開より1年が経ち、おかげさまで全国の皆さまに五勝手屋のお菓子や、五勝手屋にまつわるよもやま話をご覧いただいております。
皆さまにとって、新しい年が幸多きものでありますよう、心よりお祈り申し上げます。どうか皆さま、良いお年をお迎えください。そして新しい年も、五勝手屋をどうぞよろしくお願いいたします。

(五勝手屋本舗オフィシャルホームページ 【連載:一月一話】 第8回