五勝手屋

北前船が運ぶ上方や江戸時代各地の文化と、北海道の風土が混ざり合う。そんな特別なルーツに生まれ、育んできた和菓子です。

五勝手屋

北前船が運ぶ上方や江戸時代各地の文化と、北海道の風土が混ざり合う。そんな特別なルーツに生まれ、育んできた和菓子です。

マガジン

  • 一月一話

    ひと月にひとつ、おかしづくりや五勝手屋のこと、 江差町の風土記などを綴ります。

最近の記事

今年最後の五勝手屋通信〜12月号〜

こんにちは。いよいよ12月。最後の月となりました。今年一年、皆さんにとってどんな一年だったでしょうか。辛いこともたくさんあったかもしれません。しかし、きっといいこともあったはず。2023年、最後の一ヶ月もどうぞよろしくお願いいたします。 \12月のお菓子🍡/12月のお菓子のラインナップはこちら。クリスマスの華やかなお菓子、そして冬のもの寂しさを感じるお菓子のラインナップとなっています。目でみて季節を味わってくださいね。 外山吹く “外山ふく あらしの風の 音聞けば まだ

    • 冬の足音が聞こえる五勝手屋通信〜11月号〜

      11月になりました!早いもので今年も残りあと2ヶ月。先月は栗やお芋一色だった街並みもクリスマスやおせちなど少しずつ今年の終わりや来年へ向けての新しい準備が始まっているようです。今月もどうぞよろしくお願いいたします。 \11月のお菓子🍡/11月のお菓子のラインナップはこちら。今月のお菓子たちはこちら。秋、そして冬の訪れを感じられるラインナップとなっています。目でみて季節を味わってくださいね。 ななかまどの朝 少しずつ色が消えゆく初冬の景色に、ななかまどの赤だけ鮮烈です。冷

      • 美味しい秋がやってきた!五勝手屋通信〜10月号〜

        10月になりました!日が暮れるのも早くなり、段々と一年の終わりに近づいていっているのを感じます。10月、いよいよ秋がやってきました。読書の秋、スポーツの秋、そして何といっても食欲の秋!街に出ると"いもくりなんきん"をはじめ秋の味覚が勢揃いしています。美味しい秋を過ごせますように。今月もどうぞよろしくお願いいたします。 \10月のお菓子🍡/10月のお菓子のラインナップはこちら。今月のお菓子たちはこちら。秋らしいお菓子が勢揃いしています! たき火 “たき火だ たき火だ 落ち

        • 季節を感じる秋到来!五勝手屋通信〜9月号〜

          あっという間に9月になりました!日中はまだまだ暑いものの、朝晩はずいぶん過ごしやすくなりましたね。9月はお月見やお彼岸、季節を感じるイベントも多く、今からワクワクしています。今月もどうぞよろしくお願いいたします。 \9月のお菓子🍡/9月のお菓子のラインナップはこちら。今月のお菓子たちはこちら。 白露 “我が宿の 尾花が上の 白露を消たずて玉に 貫くものにもが” すすきの穂の上で無数に輝く露を、糸に通して飾りにできたなら。はかない美しさを見つめる、大伴家持の歌です。 不

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        • 一月一話
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        記事

          元気に過ごそう!五勝手屋通信〜8月号〜

          8月になりました!暑い暑い夏!皆さんいかがお過ごしですか?大人も夏休みが欲しい!なんて思わないこともないけれど、思いっきり楽しんでいきましょう!今月もどうぞよろしくお願いいたします。 \8月のお菓子🍡/8月のお菓子のラインナップはこちら。お菓子たちが夏の始まりを喜んでいるようです。見ると涼しげな気持ちになれる今月のお菓子たちはこちら。 青木 祭り囃子と共に威勢よくやって来るたくさんの山車(ヤマ)。8月の江差はまちがお祭りに沸き立ちます。ご神体である青木を乗せた大きな山車

          元気に過ごそう!五勝手屋通信〜8月号〜

          祭りに染まる、江差の夏。

          江差町の夏には【姥神大神宮渡御祭】があります。その起源は370年余前と古く、詳細を語りはじめると膨大な文字数になってしまいますので、ここではさらりとお伝えしますが、もともとは江戸時代に、その年のニシンの豊漁に感謝し行われたもので、現在では北海道最古で南北海道最大の盛大さを誇るお祭りと言われています。 おごそかな神輿の渡御行列のあとに続くのは、山車(やま)人形を乗せた華やかな山車と、賑やかな笛や太鼓です。なお、まちを練り歩く山車はひとつではなく町内の各地区ごとにあって、江差町

          祭りに染まる、江差の夏。

          暑い夏がやってきた!五勝手屋通信〜7月号〜

          7月です!夏がやってきました!暑さに耐えられるんだろうか…と心配な気持ちもありつつも、元気いっぱい楽しい季節になるといいな、と期待でいっぱいです。お子さんたちは今か今かと夏休みを楽しみ過ごす時期でしょうか。今月もどうぞよろしくお願いいたします。 \7月のお菓子🍡/7月のお菓子のラインナップはこちら。お菓子たちが夏の始まりを喜んでいるようです。見ると涼しげな気持ちになれる今月のお菓子たちはこちら。 夕まずめ 海が静かで魚がよくとれる時間帯を釣り用語でこう言います。薯蕷饅頭

          暑い夏がやってきた!五勝手屋通信〜7月号〜

          日日是羊羹。

          「昔の羊かんはおいしかった」とお客さまに言われることがあります。どんな羊かんだったのでしょうか。思いを馳せます。 一口に「昔」と言っても、明治、大正、昭和と時代があるように、五勝手屋の羊かんの原料も、ずっと同じ金時豆ではありません。その時々で育てやすく収量の良い金時豆が品種改良によって生まれ、おそらくその度に豆を吟味し使っていたはずです。 なお、ここ50年ほどは【大正金時】のお世話になっていますが、もう少し先の未来では、大正金時の時代を終え新しい品種を使っている可能性も見え

          日日是羊羹。

          色とりどりのきらめく五勝手屋通信〜6月号〜

          6月になりました。例年よりも早く梅雨が始まり、ジメジメとした季節がやってきました。梅雨はあまり好きではないものの、かわいい青梅や、色とりどりの紫陽花など、季節の楽しみはたくさんあります。今月もよろしくお願いいたします。 \6月のお菓子🍡/6月のお菓子のラインナップはこちら。夏が始まる心の準備を一緒に彩ってくれる、きらめくお菓子たちが勢揃いです。 結葉 夏、葉が茂って重なり合う姿は、互いに結ばれているように見えることから“結葉(むすびば)”と言われます。若葉から青葉へ刻々

          色とりどりのきらめく五勝手屋通信〜6月号〜

          マラソン×五勝手屋

          海や山の爽快な風景に、和洋折衷の建物が織りなす歴史ある街並み。市区町村魅力度ランキングでも上位をキープする函館のまちを、大勢のランナーが走り抜ける【函館マラソン】が今年も開催されます。 マラソンと五勝手屋。言い換えれば、マラソンと羊かん。この2つ、まるで接点がないと感じる方が大半かと思いますが、こと函館マラソンにおいては、ランナーが羊かんでエネルギーを補給する光景が見られます。 というのもこの大会、地元函館や隣接する南北海道のまちの【食】を、ランナーの水分・エネルギー補給の

          マラソン×五勝手屋

          爽やかな初夏を感じる五勝手屋通信〜5月号〜

          楽しいGWが終わり、気づくと5月も3分の1が終わっていました…なんということでしょう…近くの公園で菖蒲の池の手入れをされていたり、紫陽花の葉っぱが青々と茂っていたり、休む間もなくいろんな花たちの旬がやってきます。いつ見頃を迎えるかな、そんなふうに思いながら、心地よくお散歩をするのがピッタリの季節です。 \今月のお菓子🍡/5月のお菓子のラインナップはこちら。 リラ冷え 季節が戻ったかのように、急に冷え込む春の気象を北海道では『リラ冷え』と呼びます。リラとはライラックのこと

          爽やかな初夏を感じる五勝手屋通信〜5月号〜

          【群来】に思う。

          かつて “江差の五月は江戸にもない”と謳われるほど、まちに繁栄をもたらしたニシン漁。それは、江差町で暮らす誰もが知っているまちの歴史ですが、そうした言葉が生まれるほどニシンが獲れていた時代は今となってはあまりに遠く、私たちの日常の中でニシンの話題が登場することはありません。 それでもふいに、数年、あるいは数十年に一度、ニシンの大群が江差沿岸へ押し寄せることがあって、私が30代の頃、当時起きたその現象を伝える報道から、初めて【群来】という言葉を知りました。 【群来】は【くき】

          【群来】に思う。

          待ちに待った春到来、五勝手屋通信〜4月号〜

          こんにちは。ついに、待ちに待った春がやってきました。寒くて寒くて震えていたのに、暖かくなるとそんな数ヶ月前のことなんてすっかり忘れてしまって、良くないなぁと感じてたりもしています。 何はともあれ、ようやくやってきた春。今年は久しぶりに外でお花見をされた方も多いのではないでしょうか。 \今月のお菓子🍡/すっかり春の彩りに変わった4月のお菓子のラインナップ。新しい生活になかなか慣れないあなたも、大丈夫だよ、と優しく背中を押してくれる、温かい気持ちになれる4月のお菓子たちです。

          待ちに待った春到来、五勝手屋通信〜4月号〜

          忘れもの。落としもの。

          日々店を開けていますといろいろなことがありますが、その中で多いのが、お客さまの忘れものや落としもの。お財布や眼鏡、傘、手袋などをお忘れになる、あるいは店内に落としていかれることが、日常的にあります。 連絡先のわかる方にはご連絡をしますが、そうでない場合は警察に届けたり、店で保管させていただいたり、対応の仕方はさまざまです。100人いれば100通り、明らかに急を要するものから、たぶん、そうでもなさそうなものなど、そのモノ自体がさまざまですから、あえて「忘れもの・落としもの」に関

          忘れもの。落としもの。

          江差町の“3月”は。

          春間近、長い冬の終わりに心がゆるみつつも、転勤や引越しで別れのさびしさを感じている―。この季節、悲喜こもごもの時間をお過ごしの方がいらっしゃるのではないでしょうか。 官公庁や地方官庁の多い江差町の3月は、毎年、人事異動によってたくさんの方が町を離れる別れの季節です。 多くの方は3年間、江差町で暮らし、そうしてまた別のまちへ。ご家族でいらっしゃる方も多いですから、大人だけでなくお子さんたちにも、おのずと出会いと別れの物語が生まれます。たとえば私が小学生のときは1学年に3クラス

          江差町の“3月”は。

          春の足音に耳を澄まして、五勝手屋通信〜3月号〜

          こんにちは。今日3月3日はひなまつり。何歳になってもひな祭りはウキウキしてしまいます。ようやく春の足音が聞こえて来るようになりました。 \今月のお菓子🍡/今月のお菓子は「春」を感じられるラインナップ。上生菓子の魅力は季節を感じられること。そしてもう一つ、地域の歴史や文化に触れられることです。同じ日本でもこんなにも文化が違うんだ。そんなふうに違う地域を知るきっかけになってもらえたら嬉しいです。そんなわけで今月のお菓子はこちら。 ごっこ ぷっくりした姿が布袋さまに似ているこ

          春の足音に耳を澄まして、五勝手屋通信〜3月号〜