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宅建士試験合格講座 物権 > 不動産物権変動と登記 #2
■ 5 契約の解除と登記
契約の解除とは、有効に締結された契約の効力を、当事者の一方からの意思表示により、契約締結時にさかのぼって消滅させることをいいます。契約の解除は、「法律」や「契約」で定めた事由がある場合に、することができます。民法にも、契約を解除することができる場合がいくつか定められていますが、その中のひとつに売買契約の場合の代金不払いのような契約違反(債務不履行)があります。
(1) 契約解除前に所有権を取得した第三者
契約を解除した者は、解除前に所有権を取得した第三者で対抗要件である登記を備えたものに対しては、第三者の善意・悪意を問わず、契約の解除を対抗することができません。契約が解除されると、契約の効果は契約締結時にさかのぼって消滅することになるので、原則論で考えれば、契約を解除した者は、解除前に所有権を取得した第三者に対して、契約の解除を対抗することができることになるのですが、解除された契約は、取消しの場合と違って、解除するまでは完全に有効な契約であったので、契約を解除した者の利益よりも、対抗要件である登記を備えた第三者の利益を優先させることにしたのです。
[事例]
A所有の土地がAからB、BからCへと売却され、移転登記もなされた。その後、AはBの代金不払い(債務不履行)を理由に、AB間の売買契約を解除した。
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第三者が保護されるためには、第三者が対抗要件である登記を備えている必要があるので、第三者が登記を備えていない場合は、契約を解除した者は、登記がなくても、第三者に対して契約の解除を対抗することができる。
(2) 契約解除後に所有権を取得した第三者
契約の解除は、登記をしなければ、第三者に対抗することができません。
[事例]
A所有の土地がAからBへと売却され、移転登記もなされたが、AはBの代金不払い(債務不履行)を理由に、AB間の売買契約を解除した。その後、AがBより登記を戻さないうちに、Bはその土地をCに売却した。
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対抗関係のまとめ
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■ 6 賃貸不動産の譲渡と登記
賃貸不動産の譲受人は、登記をしなければ、所有権の移転を賃借人に対抗することができず、賃貸人たる地位を取得したことも主張することができません。
[事例]
BはAからA所有地を賃借し、その土地上に自己名義で保存登記をした建物を所有している。その後、Aが、その土地をCに売却した。
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