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宅建士試験合格講座 債権総論 > 保証債務(多数当事者の債権債務) #1
第6節 保証債務(多数当事者の債権債務)
お金を貸した者は、確実に貸したお金を回収したいです。しかし、お金を借りた者が確実にお金を返してくれる保証はありません。そこで、お金を借りた者が借金を返さない場合にそなえて、誰かに保証人になってもらい、万一のときは保証人に代わりに借金を返してもらうという方法があります。保証債務は、この「保証人」が負担する債務のことです。ここでは、この保証債務について学びます。
学習のポイント
1. 保証の性質(付従性、随伴性、補充性)について理解する。
2. 保証契約が債権者と保証人との契約であることを理解する。
3. 連帯保証の性質(付従性と随伴性はあるが、補充性がない)について理解する。
4. 連帯保証人について生じた事由が主たる債務者に影響を及ぼす場合を把握する。
■ 1 保証債務とは
保証債務とは、主たる債務者がその債務を履行しないときに、主たる債務者に代わってその債務を履行する債務です。この債務を負う者を、保証人といいます。
[事例]
BがAから1,000万円の借金をし、Cがその保証人となった。この場合、主たる債務者Bが借金の1,000万円を返さないとき、保証人CがBの代わりに1,000万円を返す責任を負う。
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■ 2 保証債務の成立
(1) 保証契約
保証債務は、債権者と保証人となるべきものとの間の保証契約によって成立します。
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じません。
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(2) 保証人の資格
保証人の資格については、一般には制限がなく、誰でも保証人になることができます。債権者が誰と保証契約を締結するかは自由だからです。しかし、債務者が法律または契約によって保証人を立てる義務を負う場合は、債権者を保護するために、一定の資格が要求されます。
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■ 3 保証債務の性質
(1) 付従性
① 成立における付従性・消滅における付従性
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