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宅建士試験合格講座 抵当権(担保物権) > 根抵当権
第5節 根抵当権
例えば、銀行が特定の取引先に繰り返し融資を行う場合、上記で学習した普通の抵当権を使うと、大変な手間がかかります。というのも、普通の抵当権は、担保している債権が消滅すると、それに伴って当然に消滅してしまう(付従性)ため、その都度設定し直さなければならなくなるのです。
このような場合に出番となるのが「根抵当権」です。根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を、極度額を限度にまとめて1つの抵当権で担保してくれるというものです。これを使えば、複数ある債権のうちの一部が消滅したとしても、抵当権を設定し直す必要がなくなり、便利なのです。
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根抵当権の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。
■ 1 根抵当権の特色
① 付従性がない
根抵当権は、将来発生する可能性のある債権のために設定することができ、元本の確定前に債権が弁済により消滅しても、根抵当権は消滅しません。
② 随伴性がない
普通の抵当権には随伴性があり、被担保債権が譲渡されるとそれに伴って移転します。一方、根抵当権の場合は、元本の確定前に個別の被担保債権が譲渡されても、その債権を譲り受けた者は、根抵当権を取得できません。
③ 極度額の範囲内なら、元本以外の債権もすべて担保
根抵当権者は、確定した元本ならびに利息その他の定期金および債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができます。
普通の抵当権のような、「最後の2年分まで」というような制限はありません。その代わり、極度額を上回った部分は一切担保されません(一般債権になる)。
■ 2 元本の確定
根抵当権は、担保される債権が不確定なので、最終的にどの債権を担保するのかを決める必要があります。これを「元本の確定」といいます。元本が確定した後に発生する債権は一切担保されません。元本確定期日を定めた場合は、期日の到来により元本が確定するが、元本確定期日を定めない場合は元本確定請求により確定します。
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1. 根抵当権設定者は、根抵当権設定時から3年経過すれば元本確定請求ができ、請求時から2週間経過で確定する。
2. 根抵当権者は、いつでも元本確定請求ができ、請求時に確定する。
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