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韓国人NFL選手がオールスター選出。歴史的快挙にメディアが騒がないわけは?
NFLアトランタ・ファルコンズのキッカー、ヨンフェ・クーがNFLのオールスター戦である「プロボウル」に選出されました。クーは韓国生まれで、小学校6年のときに渡米した生粋の韓国人であり、NFLでフルシーズンに出場するのは初めての選手でもあります。
Younghoe Koo gave himself three years to stick in the NFL after graduation
— joon (@joonlee) December 24, 2020
“I can sit at a desk and get a job when I’m 40,” he told himself after he was cut by the Chargers
How the 🇰🇷 Falcons kicker came back and became a Pro Bowler https://t.co/R9ycZ11m6v
野茂英雄が1995年にメジャーリーグのオールスターに出場することが決まったとき、日本中が大騒ぎして、時の首相だった村山富市氏からもお祝いの電話があったと聞きます。
NFLは世界最大のプロスポーツですが、その反面、極めてアメリカ優位のスポーツです。NFL選手の約97%はアメリカ人なのだそうで、これほど外国人選手の比率が少ないプロスポーツは他にありません。
それにもかかわらず、韓国人のクーがプロボウルに選出されたことは、野茂に劣らない歴史的快挙だと思うのですが、今一つマスコミの大きな話題にはなりません。
ひとつにはNFLプロボウルそのものが、MLB やNBAのオールスター戦に比べると、さほど人気があるイベントではないことが背景にあります。スーパーボウルの直前の週に行われるため、どうしても前座試合かエキジビションのような扱いを受けます。
そして2021年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、プロボウルの試合そのものが中止になってしまいました。つまり、クーがプロボウルの先発メンバーという栄誉を得ましたが、実際にプレイすることはありません。
しかし、しかし、それでもクーが成し遂げた偉業の価値がいささかも減じるものではありません。
クーは子供の頃は韓国でサッカー少年だったそうです。小学6年生のときに母と一緒に住むために渡米した時はまったく英語が話せなかった。でもボールを蹴る才能と抜群の身体能力は誰の目にも明らかで、誘われてアメフトのキッカーとして高校、大学時代を過ごしました。下の動画は大学時代のもの。フィールドゴールを決めた後に続けてバック宙を披露しています。
NFLドラフトでは指名されず、ドラフト外で入団したロサンゼルス・チャージャーズからはたった4試合の出場で解雇されました。その後、独立リーグでプレイしますが、そのリーグそのものが財政難で消滅するという不運にも見舞われます。
ニューイングランド・ペイトリオッツと練習生契約を結びましたが、僅か2週間に再び解雇。ようやくアトランタ・ファルコンズと選手契約したのが2019年のシーズン後半でした。
そんな苦難の道を経て得たチャンスをクーは見事にものにしました。チームは低迷しているものの、クーの安定したキックは注目を集め続けています。
Younghoe Koo: Clutch
— NFL Canada (@NFLCanada) December 20, 2020
The Falcons kicker is 8/8 from 50+ yards this season. 🔥@AtlantaFalcons | #RiseUpATL pic.twitter.com/cs7XGcBk5D
世界最高峰のアスリートが集まるフィールドで活躍するアジア人。これからも応援したいと思います。
くどいようですが、これだけアメリカ人が熱狂するのですから、日本人にとっても面白くないはずはありません。
アメフトってよく分からないんだよなあって人は以下の記事が分かりやすくて、親切で、とってもおすすめです(自分で言うな)
初心者向け解説:アメフトの各ポジションに求められる身体サイズと運動能力とは