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【you+】車窓に映った私が教えてくれた
過度な自己過小評価は
誰も幸せにしない、何も循環させない
ナルシストだ
8年前のこと
目の前に助けが必要な方が居たのに、私は何も行動しませんでした。
そこは外国で、自分の英語に自信が持てず恥をかきたくなかったから。
でも本当は出来たんです、行動して助けることを。その時の悔しさ、罪悪感、恥ずかしさ、それらを全て受容して心に刻みました。
怖くても一歩を踏みだし、海外で強くたくましくしなやかに生きられる様になった大人女子のストーリーです。
2013年のある春の日
私は移住して間もないオーストラリア
メルボルンという街で電車に乗っていた
時刻は学生の帰宅ラッシュの少し前
午後2時くらい
車窓から差込む午後の光が
心地よかった
こちらの電車は
東海道や湖西線のような
ボックスシートスタイル
私は進行方向窓側席に座っていた
私の車両はがら空き
乗客が前方にいるかも?くらいな人口密度
ゆったりとした空間を満喫していた
*
しばらくして
電車がある駅に停まった
私が降りる駅の3駅前
こちらの電車は自動開閉式ドアではなく、ボタンを自分で押して降車する
その駅で降りようとしている男性が見えた...
あれ、何かがいつもと違う
その男性は
ボタンを何度も何度も押した
でもドアが開かない
あっという間に
電車は次の駅に向かって走り出す
私は一部始終を観ていた
家政婦、市原悦子のように
そっと気付かれないように
呆然としているその男性に
車両前方にいたとみられる乗客が
駆け寄ってきた
その人は
ドア横に設置してある非常電話で
車掌さんに状況を説明した
その間電車は一時停止され
結果、次の駅で男性は後車し
アシスタントの駅員さんと一緒にホームを歩いて行くのが車内から見えた
*
助けてくれる人が来てくれてよかった、と謎の安堵感
その次に罪悪感で心がいっぱいに
なぜなら
私は気付いていた
その男性は白い杖に
サングラスをかけていて、目の不自由な方だと
もしかしたらスピーチも難しいご事情があったのかも知れない
彼がただ呆然と立ち尽くすに、十分な理由があったことを
*
私は見て見ぬフリをした
座高まで下げて
自分の存在を無きものとした
なぜ?どうして??
「英語に自信がなかった」
ただ単にそれだけ。
そんなちっぽけ
道端に吐き捨てられたガムみたいな
プライド捨てちまえよ!
英語できるか否かの主観なんて
関係ねー!
不自由な方が困ってんだよ!
駆け寄って非常ボタン押して
Help!って叫べよ!
デカい声で叫ぶんだよ!!
SOSだっていいんだよ!!!
早く!!!!
でも8年前の私には出来なかった。
*
その時にふと
車窓に映った自分が目に入った
私は「可愛かった」
アジアンビューティーを意識した
艶のある黒髪ロン毛
マスカラは漆黒ロングタイプ
眉尻は小鼻と目尻の延長線上に完璧に描かれ
口紅はビビッドな赤に
透明グロスをOn
唇に立体感を出す仕上がり
そんな自分が心底虚しかった
*
心は嘘をつく
その電車を後にして帰宅
夜には何事もなかったかのように感情強制終了された
でもね
遥かどこかの無意識下で
ずっとこの出来事を真剣に考えていた。
*
その5年後
職場近くの交差点で
私は信号を待っていた
その日は忙しく午後3時近く
遅めのランチを買いに行く途中
何食べようかなとワクワクしていた
信号が青になり
腹ペコの私は早足で歩き始めた
信号を渡りきった、とその時
お婆さんが歩行器をつかって
向こう側から歩いて来た
カタツムリ
のような
優雅さよ
既に信号は赤になりかけ!
いや!赤になった!
婆さんが赤信号を
ゆくーり渡ってる
交通量多めだし
マジかっ
私は引き返した
腰が深く曲がった彼女の歩行器に右手を
左手を小学生の様に高く天に挙げ
焦り顔のドライバー達に
ウィンクとお辞儀を送り (^_−)−☆
近くで心配そうにみていたJK 2人組にも声を掛けた
「Can you please walk with us?」
こうして私たち女4人は
一緒に赤信号を渡った。
*
諺の通り?赤信号みんなで渡ると怖くなかった 笑
無事信号を渡りきって
みんなから礼を言われた
婆さんからは納得できる
でもJK達からも!
「どうしていいのか分からなかったから教えてくれて、ありがとう。」
咄嗟の事で
自分の対処法が正解かは不明
出過ぎた真似したかもね
でも結果事故は起きなかった。みんな無事。
*
その時に感じた
これが
『循環させる』ことなんだ、と。
困ってる人も助けられない
ビッチな自分が
5年後にこんなに変われるなんて
当時思ってもみなかった
しっかもJKに指示まで出してね 笑
陰であのBBA何様?とか鍵アカでツイートされてたりして
こっそり
ひとりで
泣き笑いしちゃった
*
行動は、私を変えた【you+】
きっとこれからも怖くて一歩も踏み出せず
逃げたい衝動に向き合うこともある
それでも
その都度自分と正直に向き合い
自信と経験値を重ね循環させていきたい。