おじいちゃん、99歳のお誕生日おめでとう!
本日2024年10月30日(水)、我が家ではハロウィン前日というよりも大切なイベントがある。そう、祖父の誕生日である。今年でなんと99歳を迎える、とてもめでたい日なのだ。
ちょっと昔話を挟みつつ。
祖父は私が物心がついてから今まで、祖父と孫であると同時に芸術を愛する同志でもあった。私は小さい頃から絵を描くのが好きで、当時祖父も絵を描いていた。家族で2人以外に絵を描く人がいないこともあり、妙な縁を感じていたのを覚えている。当時祖父は蔵の絵を好んで描いており、今でも家に何枚か作品がある。絵の傍ら俳句も嗜んでいた。さらに絵を鑑賞することも好きで、好みの絵があると購入して家に飾っていた。
美大に行くことも、祖父が戦時中に進学の道を諦めたから行きたいと思った節がある。進学就職を経て祖父からはいろんなことを助言された。「よく学びなさい。」「外国に行きなさい。」など、大事なことをたくさん伝えてくれた。調子はどうだ、何をしているか、など色々聞いてくれた。
私は、こんなことをしたよ、これを作っている最中だよ、と自分が関わったデザイン制作について実物を見せながら祖父に説明をし、祖父が「俺にも関わらせろ。」と言いながら笑って話を締めていた。
祖父と孫の私にとって、お互いの活動はお互いの刺激になっていたと思う。90代に突入してから祖父は絵を描かなくなったが、震える手で俳句や写経、自伝を執筆するなど、文字での創作を続けていた。その創作するエネルギーを維持できている素晴らしさは言葉に表せないほどで、写経用の紙の供給や自伝を本にする際のちょっとしたお手伝いをしていた。
私より高かった祖父の身長は、だんだん私と同じになり、とうとう私の方が大きくなった。愛犬獅子丸を見送ってから祖父の認知症が進んで記憶がこんがらがっても、祖父の大好きな生家のことをたくさん教えてくれた。
そんな時に一匹の猫が祖父宅に現れた。くろまめと名付けられたその猫は、祖父に大層懐いて四六時中ずっとそばにいた。中でも祖父の膝の上もしくは目の前の机にいることが大のお気に入りで、そこで撫でられるのを待つ。
祖父は現在体調を崩して入院している。お祝いしたいが、よく一緒に行った鰻屋さんにも連れて行けないし、ケーキを食べさせてあげることもできない。面会もコロナ対策のため月4回2人までしかできないので、私は今日顔を見せにも行けない。
だから筆をとってみた。お祝いの気持ちは時空を越える。インターネットにどっぷり浸かった私なら分かる。本人には届かないかもしれないが、それでもお祝いの気持ちをここに記させて欲しい。
おじいちゃん、99歳のお誕生日おめでとう!すごい!めでたい!!
ちょっと前まで一緒に酒を飲んでいたのが昨日のことのようだよ。いろんなことがあったし、たくさん伝えたいことがあるんだ。最近はゲーム大会のデザインをたくさんさせてもらったんだ。自信作も多いから見て欲しいな。あと、ごいんきょデザインっていうデザイン屋さんも始めたんだよ。私が今こうして大好きな創作の一分野に関われているきっかけをくれたのは、おじいちゃんなんだよ。本当にありがとう。これからも頑張ってみるよ。
おじいちゃんは100歳目前だね、約1世紀生きるなんてすごいことだよ。しかもまだ家族の名前が分かるから大したもんだよ。
この間くろまめが私の膝に乗って撫でさせてくれたんだ。おじいちゃんの椅子に座った時だったから、おじいちゃんだと思ったのかも。くろまめも待ってるからね。
孫より
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