なぐる

ある男を、

憂さ晴らしに殴った

ありったけの力を込めて

足を思いっきし踏み込んで

ぶん殴った

すかすかして

すがすがしくなった

殴られた男はやすらかな顔で

女のように泣いた

俺はまたいらいらして

やつの脳天をぶち抜いた

するとやつは猫のようにやわらかく

くねって

息絶えた


俺はそれから鏡を見て

はあと白い息


拳の皮が切れ切れするほど

うつる俺の顔を殴りまくった

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