失恋をしたら映画が観れなくなって本が読めるようになった話
失恋をしてから映画が観れなくなった。
というより映画が楽しめなくなった。
趣味を聞かれたら迷わず映画鑑賞と答えるくらい映画が好きだ。
もっと言うと“映画館”が大好きだ。
でも今はあんなに好きだった映画が観れない。
スマホも触らず映画の世界に入り込むことができる映画館という空間は私にとって特別な場所で、すごく好きなはずだったし、たぶん今もちゃんと好きだ。
でも、失恋をしてから映画を観ると、内容が入ってこず、いわゆる“間”や“余韻”の部分で現実の辛い気持ちがズキズキと痛む。
薄暗い映画館の中で終わった恋のダメだったところ、私の足りなかった部分を考えてしまう。
女同士じゃなかったらもっとスムーズだったのだろうか…
そうやってもたもたしていると時間が経っていて、映画が終わってしまう。
物語の内容は理解できるが、間や余韻を楽しむことができなくなってしまった。
時間は勝手に進むのに、自分は立ち止まったまま(しかも戻らない過去ばかりを気にしている)なことが映画を観ていると数時間で思い知らされる。
そうやって私は進んでいく時間を後悔ばかりに費やしているという情けない気持ちになる。
私の場合、心が豊かな時にしか映画って観られないものだったんだな…という気づきがあった。
映画が観れなくなった代わりにたくさん本を読むようになった。
元々、本も映画くらい大好きではあったけれど、
途切れることなく本を買っては読み、買っては読みを繰り返している。
本は自分の部屋の明るさで心の明るさで自分のペースでページを捲り、自分のペースで文字を読み進めることができる。
ページを捲る気力がなかったら、本は私を置いていかないで待ってくれる。
今の私には無理に時を進めるのではなく、ゆっくり自分のペースで気持ちと向き合って元恋人のことを諦めていく必要があるのだなと思う。
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