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黄昏時にみる夢

昼下がり、ゴミ回収車が
オモチャのちゃちゃちゃ
を鳴らしながら通り過ぎる
サインカ-ブの音で作られる
単調なメロディ
非人間的なそれに何故か惹かれることがある
僕は、だんだん小さくなっていく
そのメロディを聞きながら
いつしか夢の世界に誘われる
夢の中は、辛いことなんか何にも無くて
とてもとても心地のよい世界

しかし、やがて、逃避行も終わり
夢の欠片を反芻しながら
物憂げに窓の外を見ると、もうすぐ夕暮れ

黄昏時、毎日、同じアルバムを開き、昔なつかしむ老婆
僕は、いつも同じ昔話を聞いてあげて
それでも、時々、泣きそうになることがある
大切な思い出だけは、忘れてしまわないように
毎日、戦っているように、ぼくには思えるから

僕の思い出は、夢の中


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