富士山に登山鉄道はいらない。
今、山梨県富士山北麓では富士山登山鉄道構想が、山梨県から提起され議論が起こっている。(https://www.pref.yamanashi.jp/.../fujisan_railway_top.html)
富士山は山梨県だけのものではありません。隣県を含め所在地だけのものでもありません。日本中の宝として、広く問題提起を行います。
富士山は世界遺産さんとは言え、自然遺産として認定されず、文化遺産としての価値が認められた。すでに自然の状態はこれ以上の開発を禁じ、保全に重きを置かなければならない段階との事です。吉田口五合目は繁華街の様を呈している。五合目からの上への登山道は、隙間無く行列が続く。
この度の富士山登山鉄道構想は大量輸送手段を導入して(160億円以上とされている。大阪万博のようにさらに費用は膨むでしょう)、さらなる混雑を引き起こそうとしているのではないか。その必要性に疑問があります。さらに今の構想は工事による自然破壊や、噴火の影響(富士山ハザードマップが近々の問題として策定されている)、冬季の雪対策など問題山積と言いたい。
私は地元の生活者として、富士山が素晴らしいものと誇らしく思っています。 何が素晴らしいかと云えば、容姿はいうまでもなく、高度差による植生の変化です。
今の富士山観光は一気に五合目に行き、一気に下山してしまう。富士山の自然の素晴らしさをどの程度感じ取っているのだろうか。さらに山頂への登山道は落石や滑落の危険を顧みず、ただ流行り行事として参加することだけに意義を見ているかの様。私も山歩きは好きです。煙となんとかは高いところに登りたくなるものの様ですから。頂に立った時の気持(高揚感)はわかりますが。
大量輸送手段の富士山登山鉄道構想は現状の負の部分を拡大させないか疑問を感じます。
富士山の観光価値を共有したいとするならば、現状の富士山周辺の移動手段がいかに貧弱か見直してほしい。富士吉田(富士急富士山駅)や御殿場、三島、富士宮までは手軽にアクセスできるが、富士山を周遊するとなると、細切れのバス路線を乗り継ぐことになり、とてもその気になれない状況です。もし富士山登山鉄道構想を考えるならば、富士山周辺を広く捉え、富士山裾野一周のモノレール鉄道構想くらい考えてほしい。(また別の問題が生じるかも知れませんが)。
富士吉田市長は 実現の不 確実性 を指摘している様です。
私は富士山の 価値を 一合目から 段々と変化する植生や 景色の変化に見ており、 富士山の商業的利用の面では、もう十分すぎると思っています。 とりわけ、夏季の 五合目の混雑ぶりは異常な状態です。 これ以上の 人集めは 観光行政としても マイナスになりかねません。
私は 富士山の価値を二つ見ています。富士山の眺望と自然環境です。 まず、 眺望は二つの要素からお勧めします。 一つは遠景です。これは言うまでもないことですね。全国40ヶ所(正確には忘れました)以上で観ることができ、日本の美の代表として親しまれている様です。もう一つ。 夏期に 山頂登山が規制されていますが、上部登頂より価値のある富士登山としてお中道巡りをお勧めします。5合目駐車場から大沢崩れに向かって歩き、奥庭までのコースは老若男女楽しめます。途中雄大な山頂を眺めながら歩き、眼下には私達下々が蠢いている街の様子が俯瞰でき、「みんながんばて生きていけよ」なんて、なんか神様になった様な錯覚すら覚えます。😅 奥庭では自然の大庭園が楽しめます。ここも素敵なお勧めポイントです。
自然環境の楽しみは、 一合目から五合目 までの植生の変化です。この部分を入れてこそ富士山の 素晴らしさを感じることができます。1合目から徒歩で登山されることを お勧めいたします。これがまさに大自然の醍醐味です。
この楽しみを多くの方が感受するには、受け入れ準備が必要でしょう。
浅間神社北口本宮を参拝するのは、富士登山では大昔からのしきたりで、そこから中の茶屋、馬返しと進み、いよいよ本格的登山となりますが、今の状況は中の茶屋から上は、休憩所やまして食堂などは無く、救護所がわりにもなる接待所を設けてほしいと思います。実際、地元の方が立ち上がったとの情報がありましたが、詳細は分かりません。この動きが重要なポイントに思われます。
この登山道は地元の富士吉田高等学校の強行マラソンで年に一度利用されています。
並行している滝沢林道の活用も検討の余地があります。
登山と言うと身構えてしまいますが、スッテプバイステップで、途中の自然探索を楽しみ、指導員の解説などを受けたり、人の交流を楽しみながら、過ごせる環境が欲しいところです。
県の富士山登山鉄道構想が莫大な予算を必要とするに比べれば、NPO法人を立ち上げたりして、新たな雇用も生み安全性の保障された登山が出来るのではないかと考えます。
もう少し現状を調べ報告できる様にしたいと思います。
取り急ぎ問題提起とします。