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おかん

まず始めに、私の母方の家系は皆
霊感体質である。

まず、おかんのお父さん。
私のじいちゃんの話しから軽くしていこうかと思います。

じいちゃんは、知り合いでも何でもない恐山で修行をしてきた霊能力者の人に
「あなたは修行をしなさい。修行をして、コントロールを身に付ければとても力の強い霊能力者になれる。」
と言われた程の力の持ち主だ。

まぁ、そんなじいちゃんは
そんな事はどうでもいいタイプの人間なので
修行とか興味ないから、お断りしたんだそうだ。

1990年代から2000年代初頭
今よりも多くの心霊番組がテレビで盛んにやっていた。
心霊写真なんかもテレビでよく目にしていた。

ある日、じいちゃんの家に遊びに行った日
何がきっかけでその流れになったのかは覚えていないが
お菓子の缶に入った100枚はあるのではないか!?
という、大量の写真をじいちゃんが持ってきた。
どれも、じいちゃんを撮った写真だ。

その缶の中の写真を、私より先におかんが見て
血相を変えて
「なんでこんな物取っておいてるの!」
と、じいちゃんに怒鳴って
台所から、正確には覚えていないが
塩と酒か何かを持って
その写真の入った缶と共に庭に行き
そこにあった一斗缶で焼き始めた。

一斗缶に入る前の物を数枚だけ奪い取りやっと見る事ができた。


どれも、テレビで見るような生易しい心霊写真ではなかった。


その中でインパクトが強すぎて忘れられない1枚。


引きで撮られた、どこかの神社かお寺の石柱と真ん中に全身像のじいちゃん。
その写真の右上に全く知らない男性のバストショット。
じいちゃんの背丈より大きな石柱と同じサイズのその男性。
その人の知り合いが、この写真を見たら
誰々ってすぐに分かるような
背景や木の隙間で顔に見えるとか、そんなもので済むような濃さでもなく、少しだけ透けてはいるが
どんな服とかも全てがハッキリとわかるもの。

その男性のバストショットの下には腕。
写真の左側、石柱に被るように、ズボンを履いた下半身。

本当にハッキリと全てが分かる。

じいちゃんがメインなの?
その人がメインなの?
というような写真だった。

その一枚を
「これだけ欲しい!貰ったらだめ?」
と、おかんに聞く。
こんなの見た事ない!心霊番組に送る!
お金儲けできるかも!?
と邪な心でおかんに聞いた。

その答えは…
鈍い音のゲンコツだった。
そして、その写真はおかんに奪われ燃やされてしまった。

…まぁ、じいちゃんの話しはここまでにして。
その、じいちゃんが
「俺なんかより、とんでもなく強いのは、お前のお母さんだぞ」
と、よく言っていた。

おかんがどの位、そういう力が強いかというと
さっきの話しのじいちゃん。
重度の糖尿病と心臓が悪く、ペースメーカーを入れていた。
いつ心臓が止まってもおかしくない。
数年に1度心臓が止まって、入院と退院を繰り返していた。

じいちゃんの心臓が止まった。
その頃、私達は長野県。
じいちゃんは東京に住んでいた。

夜中におかんが慌てて起き上がり
じいちゃんの家に電話。
私も起きてしまい、どうしたのかと聞くと
じいちゃん死ぬかもしれない…
その数十分後に、電話が鳴る。
じいちゃんは心臓が止まって病院に搬送されていた。
これを少なくとも2回は見た事がある。

また、ある日の夜中
「ビックリしたーーーー」と
冷や汗をかいて起き上がるおかん。
私とばあちゃんもその声で起きる。
「どうしたの?」と聞くと
金縛りにあい、
戦時中の兵隊さんが部屋の入り口に立っていて
しばらくすると、その人がすすすーっと枕元に来て
聞き取れなかったが何かを言って消えたと。

おそらく、ばあちゃんの血縁の人である。
その人の特徴を事細かに伝える。
ばあちゃんは分かったようだった。
翌日、ばあちゃんがこの人ではないか?と
古い写真をおかんに見せていた。
この人で間違いなかったようだ。
その人は戦時中に亡くなった
ばあちゃんの兄の内の1人だった。

お盆でもなく、ましてや会った事も顔すらも知らない、おかんの叔父に当たるその人は
何故現れたのか、何を伝えたかったのかは謎のまま
とりあえず、次の連休に
ばあちゃんの故郷の新潟に行き
本家でお線香をあげた。

と、まぁ色々な逸話の持ち主が
私の母である。

今回はここまで。

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