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(ブックレビュー)みんなで創るミライの学校 21世紀の学びのカタチ

《目的》 箕面子どもの森に込められた教育的思想を知りたくて。 本当に必要で大事な教育の場の要素を知りたくて。

 《学びたいこと》
 ・「学びと生きるをデザインする」教育とは?それを作る大人に必要な視点とは? 
・地球上のすべての人が自分らしく幸福な生活が送れるようにする教育(ESD)とは? 
・どうやって理想を実現させるために対話・試行錯誤しているのか。


 《理解したこと&解釈》
 ・「学びと生きるをデザインする」
 中学部のコンセプト「学びと生きるをデザインする」デザインは独自の表現を突き詰めるという意味で。自分自身をより深く見つめ、自分の学びをデザインすることを通して、もっと広い世界ともつながりながら自分の人生を歩んでいく道を切り開いてほしいという願いを込めて。

 ・子どもの学び方
主体的に学んでいくためには、自己肯定感(自分は自分でいい)が土台にあったうえで自分に向き合い自分で学びを決定していく+学びを振り返ることが大事。 子どものうちにこの学び方を確立した先には社会に出た際に仕事をする中で自分自身でPDCAを繰り返せたり効果的に仕事を行える。自分で自分の学ぶ環境をつくることができる。 物事を決めたり動かすときにゆっくりでも自分たちでなんとかする経験を通して、将来一人で物事を動かすときや進路選択でも自信をもってすることができる。

 ・学びたいときに学ぶスタンスについて
人が学ぶ目的は今の自分の学びを充実させるためである。 それぞれが自分にあった学習スタイルを模索している。

 ・テーマ学習について 環境・人権・平和・市民性の中から学習する。本物に触れ、体験し、理解できるように学びを設計する。学んだことが子どもの生活に落とし込められていたり、子どもの言動が変わるぐらいに学びが生きることに生かされている。

 ・ファミリーグループについて
 集会や掃除で活用される縦割りのグループ。 大きいこどもは自分が頼りにされているんだ、役に立っているんだということを感じられる。小さい子は大切にされる経験を通して自分も他の人を大切にしようと思える。

 ・民主的な教育について
 異なる意見をすり合わせてお互いに納得のいく案を探す。 対話しながら合意形成をするのが民主主義の社会。時間はかかるが自分の意見を尊重される環境を作ることで安心感にもつながる。

 ・ESDについて
 ESDとは、世界の課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組むことにより課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すこと。持続可能な社会を創造していくことで目指す学習や活動。

 ・学校づくりの過程について
 「市民性」「共同体感覚」を持つフレネ教育を参考にすることを決めた。 「民主的に生きる市民を育む」ために市民で学校を立ち上げた。「違いを認め合い、自分も相手も尊重しつつ、対話し、学び続けていく共同体の実現」を学校の目標に。
 生涯学習社会:人が障害のいつでも自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が適切に評価される社会。

 《感想》
特に私自身の考え方が変わったことが二つあります。
一つ目は、子どもが学習をする意義を考え直すことができたことです。以前まで私は子どもが学習をする意義は社会に出たときに必要な基礎学力をつけるためだと思っていました。そのため、学校教育でのカリキュラムに比べて遅いペースで学習している子に対して不安を抱きました。しかし、本を読んで自分が学ぶことを自分で決め、学びを振り返りながらまた学んでいくというスタイルを経験することで、社会に出て仕事をする中で自律してPDCAを回せるようになること、自分で自分の学ぶ環境をつくることができるという視点を知り、私自身も周りの大学生も与えられた課題や学びの意図を理解しようとせずやる気を失っている状態と比較したとしても、ペースが遅くても自分で学びたいときに学び、自分にとって最適な学ぶ環境を模索するほうが人間として幸せに生きていけると思いました。
二つ目は、自己肯定感を育むことは自分を大事にするだけではなく、自分も相手も大事にすることができるということ、また人の違いを受け入れて共存する共同体を意識できることにもつながることが分かったことです。以前インターンで中高生と関わっている際に自分のことが嫌いだ、周りの人や視線を気にしてしまって心に素直になれないと話す高校生がいましたが自己肯定感の意味を伝えることしかできませんでした。しかし、ハッピータイムや帰りの会のように自分の興味関心ごとや今の自分の気持ち等内容関係なくまずは聞いてもらえる環境があること、テーマ学習、ことば共同、全校集会のように自分の考えを否定されたり正しさを突き付けられるのではなく、聞いて自分の意見が大切にされた上で議論をすることなどが「自分が自分であって大丈夫」と思えるなるだけでなく、他の人から受けた愛を自分も与える側になれるような「自分も相手も大事にする」視点を持てると思いました。そして実際に「自分も相手も大事にする」という感覚を実際に子ども体験をさせていただいたときに高学年の子どもから感じました。

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