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2022年4月~12月までの足跡

“individual“、分けることができない個人の多面性をそのまま大事にできるような自己肯定感。一方で人の繊細であったり揺らいでいる部分に触れる時とてもドキドキしてしまう私がいる矛盾。子ども・若者が過ごしたいと思い心地よく過ごせる環境には “ケアの文化”がマストな気がする、その文化を大事にできる人になりたい。 そんな気持ちで“ケアの文化拠点”ほっちのロッヂに来た。
4月から、ほんと情けないぐらいの自分ポンコツすぎると痛感したり、色んな人に迷惑かけながら、色んな人に出会いながら関わってもらいながら過ごしたと思う。

2022年4月~12月まで

4月。まだ雪が残る軽井沢。とても緊張していた。
専門性を高く持ち、ケアの専門性やそれ以外を通して地域の人と関わるロッヂの働き手の方々の姿、メディカルな単語、外来予約の電話、薬局・社協からの電話…“診療所に勤める”ということを実感した。。
午前中は2階で外来が行われている。外来に入ってみて『いやあ、実は…』と来た人が話される場面が沢山あること、その『いやあ、実は…』の後に話されることがその人よりパーソナルな部分だったりすることにとても驚いた。

5月。となりの学校の幼稚園生~中学生約300名に向けて内科健診をする時間に関わった。

6月。月1回開かれている映画部で案内人になって、満員御礼で緊張しながら声をかけた人が来てくださったのが嬉しかった。

7月。児発でコミュニケーションボードをつくってみたら本人の発露や意志を私がキャッチしやすくなった。子どもは毎日絶えず成長している。その成長に置いていかれないように、本人が過ごす環境も変化し続ける必要性を感じた。

8月。「子どもアトリエキャンプ」という、子どもと一緒に過ごしながら町でアート活動をしたりアートに触れるプログラムに関わった。児発の子どもも混ざり、そこで出会った子どもたちが『楽しくて、ついつい混ざっちゃう』場面が生まれていた。集団、友達と過ごすからこそ生まれる変化や葛藤があり、子どもは子どもの世界の中で育っていくんだなと思った。

みんなでだるまさんが転んだ

9月。喀痰吸引研修を受けた。医療行為一つ一つ細かく、「なぜそれをする必要があるのか」「そもそも○○とはどういうことか?」等考える時間になった。でも一番印象的だったのは医療行為をすることの責任感だった。ロッヂでとても身近に行われている医療行為一つ一つ、ミスをすると命に直接かかわることを思い知らされた。
個人的にめちゃくちゃお世話になっている町のカレー屋さんで子どもと算数や英語をしながら過ごす時間も始めさせてもらった。試行錯誤中で、毎回準備も楽しく子どもたちに鍛えてもらっている。

10月。町のインターナショナルな保育園での健診に関わった。スケボーを町の高校生に教えてもらって初めてした。コケた。
児発で関わる子が地域の小学校に行くことが決まった。

11月。ご縁をいただき淑徳大学でゲストスピーカーになり、ロッヂのこと、4月からの私自身の気づきを話させてもらったりその場にいた大学生の発露をきかせてもらった。話す機会をいただいたことで4月からを振り返り、人の多面性に触れ続けたいと感じている私自身に気づいたり、話すことでまだまだ解像度が低いことを痛感した。
ロッヂに遊びに来ている女の子と女性に英語のシャワーを受けながらおいしいご飯を一緒に食べた。

12月。外来で出会い、チェーンソーでロッヂの木を切ってくれたり、高校生に草刈り機レクチャーをしてくれたりした方がサンタさんになってくださったり、毎月外来後に遊んでくれる子に教えてもらってオラフをつくったり、遊びに来てくれる子に本格的なコーヒーを淹れてもらい、カフェ空間をつくってもらった。

ほっちのロッヂプレゼンツ内科健診で感じたこと


内科健診やほっちのロッヂが人と関わるうえで大事にしていることの大きな一部が「ポジティヴヘルス」だった。https://note.com/orange_be_happy/n/nc8e4e88a558d

WHOの健康の定義は「肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、…」に対して、オランダの家庭医発ポジティヴヘルスという健康は自分にとっての健康は「社会的、身体的、 感情的な問題に直面した時に適応し、本人主導で管理する能力」。健康にまつわる6つの事柄が書かれたシートを使ったり他者との対話を通して、自分にとっての健康、今の状態を見つめる中で、これからこうしていきたい、こんなことをやってみたい、等本人主導で自分にとっての健康に向けて動き出す。本人がいつも過ごす場所で一人約10分かけたドクターとの対話やレゴを使ったWSをロッヂのドクターや養護教諭の方とめちゃくちゃ悩んで考えてやってみて毎回改善点が出てつくり続けた。身体のことはもちろん、友達との関係性や学校で夢中になっていること、進路のことなど、年代や本人の大事にしていることから出てくる発露が様々だった。私自身、相手を信じて本人主導の対話についていく、そんな感覚が足りないと思った。


児童発達支援を通して医療的ケア児と過ごしながら感じたこと


ロッヂに来て初めて医療的なケアが必要な未就学の子どもとじっくり関わることになった。いろんな機械が子どもが遊ぶ周りにあり、とてもドキドキした。ある1人と一緒に過ごすようになった3日目にその子と目が合って私にコミュニケーションをとろうとしてくれていると感じた。ああ、この子、私たちが話す言葉は話さないけど、伝わってるし、分かってるし、発信してくれてるんだなと思った。心通わせようとしてくれていることがすごくすごく嬉しかった。また、児童発達支援の環境でも、予防接種の際でも、他の働き手の方の眼差しから、子どもだから分からない、より、一人の人格を持つ人として関わりたいと思うようになったし、子どもの障がいを真ん中に置いて遊んだり、話したりするのではなく、子どもをまんなかに置いて遊んだり話したいと思うようになった。
あとはなにより自分自身も楽しいと思える遊びをしたいと思うようになった。あの子が楽しいかな、と思って一緒に遊ぶというより、私があの子と一緒に○○したいからこれする、とか、私も楽しいし今日はこれしたいから一緒に○○してもらう、って感じ。その場で土堀りに詳しい人が一緒にいたから始まった山堀りを一緒に楽しんでいたら、何も促さずともその子は自ずと山を掘り出し、ケアする・されるというよりも私もみんなも山を掘っていた。

~ロッヂで子ども・若者と過ごしながら感じたこと~
外来をきっかけにしたりしなかったりしながら、いろんなたくましい子ども・若者と出会った。
スタッフの本格的なお昼ごはんを作ってくれたり、壊れない雪だるまの作り方を教えてくれたり、編み物に集中していたり、通訳してくれたり英語を教えてくれたり、めちゃくちゃ本格的なコーヒーをつくってロッヂにいる人にふるまってくれた。
はじめ外来に来れずお家までドクターが行ってロッヂに来てくれて一緒に過ごしていた高校生と長野マイプロで再会し、彼のプレゼン作成のお手伝いをすることになったりもした。
様々な揺らぎを持ちながら、本人が過ごしたいように本人のペースで過ごし、好きなことや得意なことを発揮しながら人と出会っていく、そんな場面が生まれていた。診療所・台所がありでこぼこしている建物・多様なスタッフを通して、揺らいでいる部分、本人が持つ興味・得意なこと等本人が持つ多様な面の中で本人が出したいと思う面に触れることができている気がしている。『居場所』であり『居場所』だけではなく支援でもない。その人が過ごしたいように過ごしたり、本人が出したい面を出しながら、本来持つエネルギーが膨らんでいっている気がしている。

一人ひとりとじっくり関わる場面が非常に多かった。一人ひとりとじっくり関わることを通して試行錯誤したり学ばせてもらった。

4月から、自分から動いたり計画したりして人と出会ったり場が生まれた、というより、流れの中で出会い、出会った人から流れが生まれて場が生まれたりしていった。

本人の発露やそこから生まれるエネルギーや流れを大事にしたいなと思うし、来年はもっと『試行錯誤』していきたい。

じわじわ、一つ一つ、そしてもっともっと。

4月から関わってくださった方々、ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。

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