昼マック
昨日は大変だった。
もう、とんでもない具合!
朝7時に家を出るつもりが、10時になっても布団から出ることができなかった
税理士の友人と朝マックする予定が
水に流れ、それはだんだんと小川になり、シャケが集まり、クマもやってきて、最終的にその水は昼マックへと変貌した
税理士の友人が言うのだ
「昼マック?マックは昼に食べるもんだろう?ヘンテコリンな熟語を作るな!昼という言葉と、マックという言葉はなぁ、本来出会わないはずのワードなんだよ。パラレルワールドを無理やり作って2人をマッチングさせんな!ポテト美味しい!」
あぁ、そうか、それは可哀想なことをしてしまったなぁ。胃の中でじゃがいもを再生したいのか、税理士の友人は噛む暇もなくLサイズのポテトをポンポン口へと放り込んでいる
小川だ
そうだ、小川だ!
税理士の友人を指差しながら、「小川」と10回唱えると、マックの机から鳥の羽がメキメキと生え、フッカフカのソファは火花を散らしながら上へと飛び出し、天井にM形の穴を開けて大空に飛び立った
とても、美しかった
青い空に反射して白む、花火にも似たマックの椅子。空を汚すはずの汚い煙は、優しいミルク色の雲と馴染んで、青を際立たせた。それは、私がさっきまで飲んでいたアイスコーヒーのコーヒーフレッシュと同じ母のような壮大さを思わせた
「とても、美しかった」
つい、目の前の税理士の友人とセリフが被ってしまった
「昼マックも、いいね」
そう、はにかんだ友人も とても、美しかった
「夜マックも、なんなら、朝マックだって。君となら楽しく食べられそうだよ」
言った瞬間、顔から火が出る思いだった。しまった、言ってしまったと。脳を通らず脊髄で話してしまった、と
だって、あまりにもあの紺碧の空と君が似合うんだもの。きっと、月が美しくはっきり見える夜の空だって、遅刻しそうで言うてあんまり見上げられない朝の空だって。君は胃の中でじゃがいもを再形成するんだ
慌てて訂正しようと、身を乗り出すと、税理士の友人は、煌めく金色の長い髪を揺らし、首をゆっくり縦にゆすって、私の目をきゅっと見つめ、こう言った
「I'm lovin' it」
今、私たちは、宇宙にいる
慌てるな、コスモを感じるんだ
そうさ、あの時、鳥の羽が生えたマックのテーブルに2人で乗り込み
今は、宇宙の中さ
税理士の友人は、現在スイカを食べている。いよいよ胃の中で野菜を形成するという比喩表現が比喩っぽくなくなってきた頃だ
さて、日記の冒頭に戻ろう。大変なこととは、何か
それはねぇ
宇宙では夜マックしかできないってところさ!
ほら、腹減ってきただろう?マックにでも行ってきなね。
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