見出し画像

柄合わせをすると着にくいか否か

====================
本日のお題:柄合わせをすると着にくいか否か
呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/

きくや着物チョイ話は着物好き方々のために参考になることを紹介させて頂く豆知識メルマガです。着物教則本などに載っているものではなく現在呉服業界で営業している呉服店発の生の情報を配信しております。

上記本店サイトに会員登録していただくと、毎週水曜日にご登録のメールアドレスに同じ内容のメルマガが配信されますのでぜひご登録ください(noteの更新はメルマガ配信より1-2日程度遅れます)。

ツイッターでも毎日着物豆知識をつぶやいています。
TwitterID:@gofukunokikuya

きくや着物チョイ話はメール全文そのままご使用時に限り、転載・無断使用可能です。

====================
いつもメルマガのご購読、ありがとうございます。

先日、大阪府の脱炭素CO2削減ナンタラカンタラ事業で店内のエアコンの買い替えに補助金が出るというので応募いたしましたところ、見事に補助金が決定いたしまして今週日曜日にエアコン3台入れ替えます。

もう25年ぐらい使っているし、そろそろ壊れる頃なのですが、何せ業務用エアコンはむちゃくちゃ高いので二の足を踏んでました。今週日曜は出勤して店の中で本でも読みながら工事が終わるのを待ちたいと思います。

【6月のプレゼントスタートいたしました!】
今月の会員様向けプレゼントは柳の繊維を使った夏用カゴバッグです。涼しげで着物にはもちろん、洋服にもお使いいただけそうです。会員様向けですが、応募時に会員登録していただいてもご応募可能です。

【夏のセールのご案内】
本日10時から19日25時59分(20日1時59分)まで商品番号A18829未満のものは現在の表示価格から50%OFF、A18830以上のものは30%OFFになっておりますのでぜひご覧ください!3000点以上の商品がセール対象です。

2024年6月特価セール

====================
■リサイクル着物続々入荷中です!是非ご覧下さい。本店サイトは楽天などのショッピングモール価格よりも5-10%程度お安く提供いたしております。

====================
■柄合わせをすると着にくいか否か

冒頭のご挨拶を見ていない方のために一応こちらでも書いておきます笑。
本日10時から19日25時59分(20日1時59分)まで商品番号A18829未満のものは現在の表示価格から50%OFF、A18830以上のものは30%OFFになっておりますのでぜひご覧ください!3000点以上の商品がセール対象です。

今週のお題は「柄合わせをすると着にくいか否か」です。長着(一般的に「着物」と呼ばれているもの。羽織やコートではなく、長襦袢の上に着るあの衣服のこと)には色々な種類がありまして、大きく分けてフォーマル用とカジュアル用の二種類があります。それぞれの違いは合口部分(着物の縫い目)の柄がつながっているか否か、というのが大まかな違いでして、着物を広げた時に縫い目の部分を超えて着物の柄が一枚の絵になっているものがフォーマル用、縫い目で途切れて柄合わせがされていないのがカジュアル用となります。

フォーマル用の代表的なものは留袖や訪問着でして、多くは上前衽から左後身頃、右後身頃にかけて柄がつながっており、これを絵羽模様(えばもよう)と呼びます。一方カジュアル用の代表的なものは小紋で、細かい連続模様で柄が合うようには作られておりません。その中間に当たるのが付下で、合口部分を細かく柄合わせする必要がないけれど、裾にぼかしや飛び柄など一応絵羽模様っぽくはなっているものとなります。

今回はこれからの着物の中で小紋を取り上げて解説いたします。先ほど書いたように小紋は細かい連続模様でそもそも柄が合うように作られておらず、ある一定の間隔で同じ柄が繰り返されているだけです。メーカー側も合口を綺麗に繋げて仕立てるといったことはおそらく考えていないでしょう。

もちろん普通の小紋としてお召しになるならそれでいいのですが、これが柄によってはちょっと頑張れば柄が合ってしまうんですよ。

例えばこの図をご覧ください。

https://image.rakuten.co.jp/gofukunokikuya/cabinet/sippou.jpg

こちらは古典吉祥文様の七宝という柄でして、同じ大きさの円の上に円を1/4ずつ重ねて光を表す菱形と花びら状の組み合わせにも見える意匠で「金、銀、瑠璃(るり・ガラス)、玻璃(はり・水晶)、硨磲(しゃこ・シャコ貝?)、珊瑚(さんご)、碼碯(めのう)」を指すらしいのですが…うーん、でもなんでこの模様が七宝なんでしょうね。わかりません笑。

この七宝は全く同じ大きさの柄が連続して並んでいるので少し頑張って柄を合わそうとすればある程度は合わせることができます。しかしながら合わそうと思えば合うような反物なら全て合わせるのが正しいのでしょうか。

ここから先はいろんな意見があるとは思います。つい最近も親しい同業者さんとこのような話をしたことがあるのですが、その方はできれば合わせたい方、私は合わせたくない方。どちらが正しいとも間違っているともありません。ただ単にその人、その店のセンス、そして着物に対する考え方の違いです。普段着として着物を楽しみたい方でしたら柄合わせはしないほうがいいし、セミフォーマルからフォーマルメインでしたら合わせたほうがいいかもしれません。

先日もリサイクル着物で入荷してきたものであったんですよ。合わそうと思えば合うものだから合わせちゃった小紋が。例のような七宝のような単純な柄ではなく、パッとみた感じ絵羽模様になっているような感じでしたので見方によればセミフォーマル着の付下のようにも見えるものです。

何度も書きますが、これはあくまでもセンスや考え方の違いですのであくまでも私の考えですが、こうなってしまうと少し格が上がってセミフォーマル用途の着物に見えて逆に着にくくなるような気がして私はあまり好きではありません。私でしたら上に出てきた画像の右側の「柄合わせをしない場合」」のようにわざと少しずらして仕立ててもらうと思います。「小紋のようで小紋じゃない、付下のようで付下じゃないベンベン」と言いたくなるような中途半端な位置付けになってしまうよりも小紋なら小紋らしくそんなに細かい柄合わせをせずに、完全なカジュアル用途としてお召しになる、セミフォーマルものが欲しいのであれば付下を選んだ方が満足するのではないか、と思うのです。

とはいえ、これを決めるのはあくまでもお客様ですので、私としては上に書いたようなことをご説明した上で「合わせようと思えば合わせられますし、そう勧める呉服店も多々あると思いますけど、私は中途半端な気がするのであまり好きではないです」とはっきり言った上でネットでもなんでも調べていただいた上でご自身で決めて頂くようにしています…といっても呉服屋からそう言われて「そう言われても私は柄合わせをしたい」とおっしゃる方は少ないんですけどね。

私自身は合わせるのはあまり好きではないというタイプですが、別にどちらが正解でも不正解でもなく、単に好みの問題ですので、もし呉服店(または和裁士さん)で「どっちにします?」と聞かれた場合、完全に好みで判断してもいいと思います。どっちにしても別におかしくはないし、間違ってもいないし、どういう形にしてもどれでも正解なので気軽に悩んでくださいね。

ところでこの手の柄、ぴったり合わせようとすれば合わせられないことはないのですが、そもそも合わせるようには作られていないので、少しずれてしまうこともあるんです。まあその辺が和裁士さんの腕の見せ所ではあるのですが、そもそも合わせるように作られていない小紋の合口を頑張って合わせるというのは、合わせることを前提に作られているもの以上になかなか大変だと思います。でもイケズな呉服店だとあくまでも小紋の仕立て代しか払わないとかなんとかゴニョゴニョ…。

柄合わせをするか、あえてしないか。なんでも相談できる呉服店やネット掲示板などで、いろんな仕立て方を提案してもらいつつ、ああでもない、こうでもないと頭を悩ませながら私だけの一枚を仕立てるのも着物の楽しみ方の一つだと思いますので、ぜひぜひ思いっきり悩みつつ楽しんでいただければ、と思っております。

結局結論としては「好きにしなはれ」でした笑。

====================

発行:新品とリサイクル着物 呉服のきくや
住所:大阪市大正区泉尾3-15-4
電話:06-6551-8022

上記URLにて会員登録していただくと毎週水曜日にこのブログと同じ内容のメルマガがご登録のメールアドレスに送信されます。

====================

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?