肥満治療薬がもたらす失明のリスク

　人気の肥満治療薬、オゼンピックとウゴービは、体重を減らしたい、2型糖尿病をより効果的に管理したい、またはその両方を望む米国の何百万人もの人々に使用されています。主流メディアでは、これらの薬の有効性に関するレビューはおおむね「肯定的」でしたが、新しい研究により、驚くべき潜在的な副作用が明らかになりました。
　
　査読を受けた研究で、神経眼科クリニックの患者16,827人のデータが分析されました。医師らは、肥満治療薬オゼンピックとウゴービ （セマグルチド） と失明の原因となる眼の不可逆的な神経損傷である非動脈炎性前部虚血性視神経症 （NAION） のリスク増加との間に関連性があると思われる事実を発見しました。

　オゼンピックとウゴービは、2 型糖尿病の治療と減量のためにFDAの承認を受けています。両薬剤の有効成分はセマグルチドです。セマグルチドはGLP-1作動薬で、2型糖尿病患者の血糖値管理を助ける薬剤です。肥満の治療にも使用されるものもあります。週に一度注射するこれらの薬は素晴らしい実績があり、使用者の60％以上が血糖値の低下、体重減少、またはその両方を報告しています。これは、血糖値のコントロールに苦労したり、体重を減らすのに苦労したりした人々にとって、最初は朗報のように思えるかもしれません。しかし、この研究は、これらの薬の使用には非常に大きなリスクを伴う可能性があることを明らかにしています。
 
　オゼンピックは2017年にFDAにより成人向けに承認され、ウゴービは2021年に承認されました。さらに2023年12月、FDAはウゴービを12歳以上の小児向けに承認しています。それ以来、10年足らずで、この薬を製造しているノボ・ノルディスク社は300億ドルを超える利益を報告しています。両薬はチェルシー・ハンドラーやイーロン・マスクなどの著名人によって支持されており、それが売り上げの伸びに間違いなく貢献しています。しかし、この薬の長期的な影響は最近になってようやく明らかになりつつあり、研究者たちは注目しています。
 
　多くの人は、薬をやめると体重が元に戻るリスクがかなり高いことに気づいていません。薬は短期的な解決策しか提供せず、永続的な成功に必要なライフスタイルの変化には対処しないからです。多くの場合、人々は食生活や運動、そして体重管理の精神面に対処しません。本当の長期的な成功は、これらの根本的な変化を起こす努力をすることから生まれます。

　この研究では、セマグルチドを処方された患者は、他の薬剤を処方された患者よりも非動脈炎性前部虚血性視神経症（NAION）を発症するリスクが高いことが判明しました。NAION は成人の失明の主な原因の1つであり、視神経症の中で2番目に多い疾患で、副作用は不可逆的です。
この研究では、セマグルチドを服用している患者におけるNAIONの発症リスクとして次の内容を挙げています：

·    2型糖尿病の治療を受けている患者では4.28倍
·     肥満治療中または太りすぎだった人では7.64倍高い
 
　NAIONを発症するリスクは、患者がセマグルチドを服用してから最初の1年間に最も高かくなっています。

●昔ながらの方法で2型糖尿病と肥満に対処する
　2型糖尿病と肥満は、多くの場合、生活習慣に関連した病気です。生活習慣と食習慣を変えることで、ほとんどの患者は病状の改善を実感でき、多くの場合、大幅な改善が見られます。薬を使わずに減量を成功させるには、「ダイエット」という考えは忘れてください。ダイエットはいつか終わります。ダイエットは永久的なものではありません。不健康なライフスタイルに対する永久的な解決策が必要です。少しずつ健康的な変化を起こし、それを永久的なものにしてください。食生活を変えるときは、持続可能なものにしてください。

　場合によって専門家に相談することも良いでしょう。とはいえ、糖分の多い食品や加工食品は避けるべきであることは明らかです。できるだけオーガニック（自然食品）食品を食べるように努力しましょう。そして定期的に運動しましょう。人間の体は動くようにできているので、体を動かし続けるためにできる活動を見つけましょう。ストレッチ、ウェイトトレーニング、有酸素運動を取り入れて、体が正常に機能するようにしましょう。

　水分補給をしっかり行いましょう。水分補給の重要性は誰もが知っていますが、水を飲むのが最良の方法です。毎日の水分摂取量を記録してください。炭酸飲料や砂糖の入った飲み物は避けてください。体が最適に機能し、毒素を体外に排出するには、きれいな水が必要です。
 
　健康的なライフスタイルは、2型糖尿病や肥満などの健康状態や病状を大幅に改善するのに役立ちます。