見出し画像

グリホサートは腎臓病のリスク増加につながる

 世界中で拡大していますが、米国ではほとんど認知されていない流行病は、原因不明の慢性腎臓病 (CKDu) です。南米からアジアにかけて数え切れないほどの人々が影響を受け、この「謎の」病気で命を落とした人も多数います。エルサルバドルでは、CKDu が男性の死亡原因の第 1 位となり、白血病、エイズ、HIV、糖尿病などの他の重篤な病気を合わせた数を上回っているのです。

 最近、 「Science of the Total Environment」に掲載された研究では、グリホサートと腎臓障害との関連性が懸念されており、特に農業地域の近くに住む子供たちに顕著であることが指摘されています。このことから、CKDu に寄与する環境要因と健康危機について私たちが理解すべき点について重要な疑問が生じます。
 
●西洋医学は慢性腎臓病に適切に対処できない
 この致命的な病気の急増に対抗するために、米国ではほとんど何も行われていません。この病気はここ数十年で出現したばかりです。実際、多くの米国の医師は、これが大きな問題なのかどうか、いまだに疑問を抱いています。
 
 スリランカ出身の Dr. Channa Jayasumana は、2 人の同僚と共同で同国における CKDu の発生源を調査しました。まず、研究チームは、CKDu が腎尿細管の損傷と関連していることを認識しました。これは食事や高血圧などが原因の慢性腎臓病患者には通常見られない現象です。また、この病気が初めて現れたのは 1990 年代半ばなので、腎臓障害を引き起こすには、過去 30 年以内に毒性物質が国内に持ち込まれたに違いないと研究者らは推測しています。研究の結果、彼らはグリホサートにたどり着きました。これは有害物質の基準をすべて満たし、スリランカ全土で広く使用されている除草剤です。グリホサートはもともとボイラーパイプに蓄積したミネラルを除去するために開発されたもので、農業での使用を意図したものではありませんでした。
 
●グリホサートの恐るべき歴史
 モンサント社は 1970 年代にいち早くグリホサートを除草剤として特許を取得しました。数十年にわたり同社は独占権を保有し、現在では世界で最も普及している除草剤「ラウンドアップ」という製品として販売しています。広く「安全な」除草剤として宣伝されていますが、近年ラウンドアップに耐性を持つ雑草が出現し、より毒性の高い大量の除草剤を必要とするようになってきています。そこでモンサント社は、除草剤に耐性を持つグリホサート耐性の遺伝子組み換え種子を開発しました。現在、農家はこの除草剤(より毒性の高い)を大量に使用し、作物にダメージを与えることなく雑草を駆除できますが、残念ながら、農家自身もグリホサートの毒性の影響に苦しみ、防ぐことができたかもしれない病気で命を落としているようです。
 
●農民は無知のせいで最大の代償を払っている
 グリホサートは、土壌中のヒ素などの金属と結合する物質です。体内では、グリホサートは金属が肝臓で代謝され、腎臓内で毒性を発揮するのを防ぐと考えられています。遺伝子組み換え種子はグリホサートに対して耐性はありますが、グリホサートは重金属と結合するため、この物質にさらされて病気になった人を保護することはできません。残念ながら、CKDu の影響が最も大きい地域では透析や臓器移植が受けにくく、グリホサートの毒性によって引き起こされる病気にかかった農業従事者のほとんどが命を落とすことになります。
 

いいなと思ったら応援しよう!